主婦がクレジットカードを申し込む場合の年収・職業の書き方のポイント。専業主婦と兼業主婦の場合に分けて解説

一口に主婦と言っても、どんな仕事をしているかという観点からは

  1. パートやアルバイトを含めて外で働いたり、在宅ワークをしたりなどの仕事をしていない、いわゆる専業主婦
  2. 正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど外で働いたり、クラウドソーシングなどの在宅ワークをしたりしているいわゆる兼業主婦

の2つに分類されます。そして、専業主婦と兼業主婦の最大の違いの1つに、年収があるでしょう。実際に自分が自由に使えるお金はどれぐらいなのか、とは関係なく、専業主婦であれば名目上は0になるし、兼業主婦であれば、外で働いているときの給料や、在宅ワークの報酬の総額が年収になるのです。

そこで今回の記事では、クレジットカードの申し込みの際に、書き方に注意が必要な項目の1つである年収・職業について、専業主婦と兼業主婦の場合に分けて、解説しましょう。

専業主婦がクレジットカードを申し込む場合の年収・職業の書き方のポイント

専業主婦がクレジットカードを申し込む場合の年収・職業の書き方のポイント

最初に、専業主婦がクレジットカードを申し込む場合の年収・職業の書き方のポイントを解説しましょう。

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併せて気を付けておきたいことも、ついでなので一緒に解説しますね。

1.「本人の年収は0」という前提を押さえる

誤解のないように説明しておきますが、家事だって立派な仕事であることに間違いありません。内閣府が行った調査によれば、一般的な主婦の家事の時給は1,450円程度とのことです。

参照:内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部地域・特定勘定課「無償労働の貨幣評価」

つまり、1日8時間の家事を、1カ月30日行ったとしたら

8時間 × 1,450円 × 30日 = 348,000円

にもなります。

月収約35万円だとしたら、りっぱな仕事です。

しかし、家事は会社でもらえる給料や、在宅ワークでもらう報酬とは違い、「実際にいくらもらっているのか」を立証する手段はありません。客観的に証明できる指標が(少なくとも今は)存在しない以上、クレジットカードの審査においては「年収は0円」として扱わざるを得ないのです。

このことを踏まえて、主婦の人がクレジットカードの審査に通るために、年収の書き方と併せて気を付けるべきポイントとして

  1. 利用限度額は少な目の方が審査に通りやすい
  2. キャッシング枠は0円が基本

の2点について解説しましょう。

1.利用限度額は少な目の方が審査に通りやすい

専業主婦の場合、年収が0円である以上、自由に使えるお金もそう多くはない場合が大半です。そのような実態を考えると、クレジットカードの申し込みに当たっては、希望する利用限度額を少な目に書いておいた方が、審査には通りやすいでしょう。

もし、利用限度額が高いクレジットカードが欲しいなら、配偶者が利用しているクレジットカードに家族カードを追加してもらうのをおすすめします。配偶者のクレジットカードの利用状況に問題がなければ、スムーズに発行してもらえる場合がほとんどだからです。ただし、請求や引き落としも、配偶者が利用したものとまとめて行われるため

  • 毎日の食事の準備のための買い物
  • 家族で利用する商品、サービスのための支払い

など、相手に知られても別に構わない支出のために使うのを基本にしましょう。

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「おこづかい用」と「家計の支出用」とクレジットカードを分けてもいいかもしれませんね。

2.キャッシング枠は0円が基本

客観的には、専業主婦の年収が0円であることは、クレジットカードのキャッシング枠の扱いとも関係してきます。なお、キャッシングとは、クレジットカードを使って、銀行やコンビニなどに設置されているATMを操作し、現金の借り入れを行うことを指します。利用額はクレジットカードの請求額に組み込まれ、所定の日に銀行口座から引き落とされる仕組みです

。つまり、クレジットカードのキャッシング枠とは「クレジットカードの利用限度額のうち、キャッシングのために利用できる金額」と考えましょう。

キャッシング枠がいくらに設定されるかは、年収と密接な関係があります。日本の法律(貸金業法)には「年収の3分の1以上の貸し付けはしてはいけない」という決まり(総量規制)がありますが、クレジットカードのキャッシング枠もこの決まりにより規制されているのです。

つまり、専業主婦の場合、対外的には年収が0円である以上、キャッシング枠をつけようがありません。このため「専業主婦として申し込んだ場合は、キャッシング枠は0円になる」扱いをしているクレジットカード会社が大半です。

2.配偶者の年収や職業は詳しく書く

専業主婦の場合、対外的には年収が0円である以上、クレジットカードの審査においては「配偶者がどんな仕事をしているか、年収はいくらなのか」が非常に重視されます。

クレジットカード会社にとっては、万が一、専業主婦の人がクレジットカードの利用においてトラブルを起こした場合、最終的には配偶者に対して請求を行い、損失を回避する必要があるためです。

このような背景から、専業主婦がクレジットカードの審査を受ける場合においては配偶者に安定継続した収入があるかどうか」は非常に重視されます。

「安定継続した収入」は何で判断される?

そもそも、配偶者に安定継続した収入があるかは何で判断されるのかについて解説しましょう。

一言でまとめると「どんな仕事をしているか」です。

例えば

  • 大きな会社(上場企業もしくはそれに準ずる規模の会社)に長年正社員として勤務している
  • 国家公務員、地方公務員である
  • 長年事業を継続している会社の経営者である
  • 医師、弁護士、会計士、税理士など高度な専門的知識が必要な職業についている

など、長年にわたって安定して一定レベルの収入が得られる確率が高い職業の場合、クレジットカードの審査においての評価は高くなります。一方

  • 契約社員、派遣社員など、状況次第では契約の更新が難しい就業形態である
  • 介護、販売など一部の大手企業を除き平均年収が低い業界で仕事をしている
  • 脱サラして起業したばかりである
  • 芸能人やフリーランスなど浮き沈みの激しい仕事である
  • いわゆる「水商売」である

など、年収そのものが低かったり、年収は高くても安定性に欠ける仕事をしていたりする場合は、どうしても評価は低くなりがちです。極端な例かもしれませんが

  • 年収800万円の大手企業の正社員(勤続20年)
  • 年収2,000万円の経営者(会社設立から3年目)

の両者を比較すると「年収800万円の大手企業の正社員(勤続20年)」の方が「安定継続した収入がある」という意味で、審査においては有利でしょう。

会社員の場合は社名を書くこと

配偶者が会社員=サラリーマンである場合は、勤務先である会社の名前を書いておきましょう。クレジットカード会社の側からすれば、会社の名前からおおよその年収を推定することができるようになるためです。審査にあたって参考にする情報も増えるので、結果として審査に通りやすくなります。

兼業主婦がクレジットカードを申し込む場合の年収・職業の書き方のポイント

兼業主婦がクレジットカードを申し込む場合の年収・職業の書き方のポイント

一方、兼業主婦がクレジットカードを申し込む場合は、基本的には自分の現状に基づいて書けば問題ありません。パートやアルバイトならその旨を書けばいいのは、独身の時と同じです。ただし、いくつか注意点があるので、1つ1つ解説していきましょう。

1.パート、アルバイトの場合でも年収を書いておく

パートやアルバイトの場合は、配偶者の扶養に入る形での働き方も選べます。その場合、年収は100万円以下になるように調整していることが大半でしょう。しかし、たとえ年収が100万円以下であっても、収入があることには変わりありません。もちろん「パートやアルバイトであっても、収入がある」ことは審査においてプラスに働く要因になります。

忘れずに書いておきましょう。

年収として書くべき金額ですが、パート・アルバイト先から源泉徴収票をもらっているなら、それに基づいて書けば大丈夫です。また、給料明細をもらっているなら、1年間分の数字を集計しましょう。もし、アルバイトを始めたばかりで、まだ1年分の給料をもらっていないなら、1ヶ月分の給料を12倍した数字をおおよその年収として書いておきましょう。

実態とあまりにかけ離れない数字であることが大事です。

2.フルタイム正社員の場合は「正社員」と書く

兼業主婦の人の中には、フルタイムの正社員として働いている人もいるはずです。その場合は職業を「会社員(正社員)」として申し込んでかまいません。クレジットカードの審査においては、やはり正社員であることは非常に有利に働きます。その特典はフルに活用しましょう。

3.派遣社員、契約社員なら「派遣社員」「契約社員」と書く

フルタイムの正社員ではなく、派遣社員や契約社員として働きながら、家事をしている人の場合は、「派遣社員」もしくは「契約社員」として記載してかまいません。

派遣社員の場合の勤務先ってどこ?

派遣社員として働いている場合に問題になるのが「勤務先をどのように記載するか」です。派遣で働く際の流れは、基本的には以下の通りです。

  1. 派遣会社に登録し、案件を紹介してもらう
  2. 派遣会社と派遣先となる企業の間で話がまとまったら、派遣先に行って実際に就業する

このため、勤務先として書くべきなのは

  • 「案件を紹介してくれた」派遣会社なのか
  • 「実際に働く場所になる」派遣先なのか

が問題になります。

結論から言うと、この場合は派遣会社を勤務先として書くのが正解になります。

なぜなら、実際に働く場所は派遣先であっても、雇用契約は派遣会社と結んでいるためです。もちろん、社会保険の加入や給与の支給は、派遣会社を通じて行われます。より分かりやすくするため、具体例を出してみましょう。

勤務先として書くべきなのは
パソナから三井住友カードに派遣されているパソナ
リクルートスタッフィングからJCBに派遣されているリクルートスタッフィング
アデコからオリエントコーポレーションに派遣されているアデコ

何となく「実際に働きに出ている会社の名前」を書いてしまいがちですが、その会社と雇用契約を結んでいるわけではないので、これは誤りです。

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うっかりやってしまいがちですが、審査に通らない原因になるので気を付けてくださいね!

4.在宅ワークの場合は「自営業」と書く

在宅で

  • ライターとして文章を書いている
  • WebデザイナーとしてWebページを作っている
  • 翻訳の仕事を受けている
  • ハンドメイド作品を作って売っている

など「自分で商品やサービスを提供している」形で働いている場合、自営業として書いて構いません。

「何をしているのか」を書けるとベター

しかし、ただ「自営業」と書くと、クレジットカード会社の審査担当者には「この人は何をしているのだろう」と思われかねません。判断の材料を与え、審査に通りやすくするためにも、可能な限り詳しく書いたほうがいいでしょう。例えば、先ほどの例の場合は

  • ライターとして文章を書いている→自営業(ライター)
  • WebデザイナーとしてWebページを作っている→自営業(Webデザイナー)
  • 翻訳の仕事を受けている→自営業(翻訳業)
  • ハンドメイド作品を作って売っている→自営業(ハンドメイド作家)

などと書けば大丈夫です。

5.いずれにしても配偶者の情報は欠かさずに書く

兼業主婦の人がクレジットカードに申し込む場合、配偶者の情報はどう扱われるのかは、クレジットカード会社やクレジットカードの種類によって様々です。大きく分けると

  1.  自身の情報のみが必須になっていて、配偶者の情報は任意である
  2. 自身の情報も、配偶者の情報も必須である

の2つに分かれます。このうち、2の場合はもちろん、1の場合でもできるだけ詳しく書きましょう。

クレジットカード会社にとっては「申し込んできた人がどんな人なのか」をより具体的に判断できたほうが、審査もしやすくなるためです。

年収・職業を書く時にやってはいけない2つのこと

年収・職業を書く時にやってはいけない2つのこと

最後に、主婦の人がクレジットカードを申し込む際に、絶対にやってはいけないことを「年収・職業に関する情報を書く」という観点から解説しましょう。

1.実態とあまりにかけ離れた情報を書く

一般論として、やはり年収が高い方が、クレジットカードの審査においては有利になります。

しかし、審査に通りたいからといって、実態とあまりにかけ離れた数字を年収として書くのは、絶対にやめましょう。

虚偽申告で審査に落ちることも

自分の年収を1円単位まで正確に把握できている人は、決して多くはありません。そのため、数万円程度の誤差だったら、想定の範囲内として多めに見るでしょう。しかし、これをあまりに逸脱する範囲でごまかしていた場合、大問題になります。

大手のクレジットカード会社であれば、申込者のデータをもとに「この年齢でこの仕事をしていれば、大体年収はいくらくらい」というモデル年収を想定した上で、審査を行っています。そのため、クレジットカードに申し込んできた人から申告された情報が、あまりにそのモデルから逸脱している場合は、源泉徴収票や給与明細、所得税の確定申告書の控えなど「本当の年収がいくらなのか」を特定するための資料を提出してもらい、さらに詳しく調査をするのです。

もちろん、本当のことを書いていたと判定してもらえれば、特に問題はありません。しかし、万が一、書いていたことが嘘だったと発覚した場合は、審査には当然通りません。それどころか

  • 以降のクレジットカードの申し込みができなくなる
  • 詐欺罪として刑事告訴される

など、重大なペナルティが課せられる恐れがあるので、注意しましょう。

2.既に退職している職場の情報を書く

実態とかけ離れたことを書いてはいけないのは、職場の情報についても同じです。結婚などがきっかけで仕事を辞めた専業主婦の人が、結婚前に働いていた職場や、そこで得ていた年収をクレジットカードの申し込みの際に書くのは絶対に辞めましょう。

クレジットカード会社が在籍確認を行った時点で「今は働いていない」というのが発覚してしまうため、いずれにしても審査には落ちてしまいます。

退職予定があるなら退職前にクレジットカードを申し込もう

  • これから結婚する予定である
  • 配偶者の転勤についていく

などの理由で、今現在働いている会社を退職する予定があるなら、退職する前にクレジットカードを作っておいた方が、審査には通りやすいです。やはり、多少でも年収がある方が、審査においては有利になります。

退職する予定が決まったら、会社に伝える前に申し込みをしておくといいでしょう。

もちろん、これは会社を退職した後、専業主婦になる予定以外の人にも当てはまることです。一度会社を退職し、そのあとすぐに別の会社に就職する場合でも、再就職してから半年後ぐらいは、クレジットカードが作りにくくなります。

日本の雇用上の慣行では、入社してから3~6か月後までは試用期間とされていることが多いためです。

試用期間が終了し、本採用になってからクレジットカードを申し込んだ方が、審査に通りやすくなるでしょう。