学校を退学・除籍した場合の学生クレジットカードの扱い。退学・除籍後にすぐ仕事を始める場合とそうでない場合とで分けて解説

man
先生、僕が通っていた大学って「中退一流、留年二流、卒業三流」という言葉があったんです。中退した人が芸能人として成功することが多いから、という話みたいなんですけど。
teacher
それもなかなかすごい話ですよね。
man
でも、本当に学校を退学したり、除籍になったらなったで、大変ですよね。学生証とか「学生専用」って言っているクレジットカードって、一体どうなるのかとたまに思います。
teacher
状況によって扱い違いますからね。

クレジットカード会社の中には、早いうちから学生を顧客として取り込むために学生向けのクレジットカードを発行している場合があります。

  •  在学中は年会費無料
  •  在学中は海外旅行保険が自動付帯
  •  在学中はポイント・マイルの有効期限がない

など、様々な優遇措置を付けた「学生が使いやすい」クレジットカードです。学校によっては、学校が運営する奨学金の制度の運営資金にするなどの理由で、クレジットカードを発行している場合もあるのです。

しかし、このようなクレジットカードは、なんらかの理由で学校を退学したり、除籍になってしまったりした場合も、使い続けられるのでしょうか?また、退学・除籍の後のクレジットカードの扱いはどうするべきなのでしょうか?

この記事では

  •  退学・除籍後すぐに仕事を始める場合
  •  退学・除籍後すぐに仕事を始めない場合

にわけて解説します。

なお、今回の記事では「学生が利用することを前提にしたクレジットカード」を「学生カード」、「学生に限らず、様々な年齢層の人が利用することを前提にしたクレジットカード」を「一般カード」として、話を進めます。

退学・除籍後すぐ仕事を始める場合の学生カードの扱い

退学・除籍後すぐ仕事を始める場合の学生カードの扱い

一部の例外を除き、学校を退学・除籍になった場合でも、学生カード自体は利用できます。

基本的に、クレジットカード会社側が「本当にその人が今でも学校に通っているのか」を調べることはないためです。

時期を見て一般カードに切り替える

学生カードを使い続けること自体には問題はありませんが、退学・除籍後すぐに仕事を始めるなら、時期を見て一般カードに切り替えましょう。

ただし、切り替えをする場合は、一般カードの審査を通過し、実際に手元に新しいクレジットカードが届いてから、学生カードを解約するのをおすすめします。

働き始めて半年後をめどにしよう

より、審査に通りやすくしたいなら、申し込む時期も考えましょう。目安としては、働き始めてから半年経過したころがおすすめです。

正社員として就職した場合、試用期間は3カ月から6カ月程度に設定されています。試用期間の間に、会社は「この人は会社でうまくやっていけるか」を見極め、採用された人は「自分にこの会社があっているか」を見極めるのです。

つまり、試用期間を過ぎていれば、クレジットカード会社にも「安定して継続した収益がある」と判断してくれる確率が高くなります。

一般カードに切り替えたほうがいい理由

ここで、学生でなくなった時点で、学生カードから一般カードに切り替えた方がいい理由について、考えてみましょう。

1.限度額が高くできる

一般的に、同じクレジットカードであっても、学生カードのものとそうでないものとでは、限度額の扱いはやはりことなります。例えば、三井住友カードが発行している「三井住友カード」の場合、限度額は以下の範囲で設定されるのです。

  •  一般カード:10万円~80万円
  •  学生カード:10万円~30万円

仕事をし始めたら、まとまった出費をする機会もやはり増えます。

実際の限度額は、本人のその時の支払能力に基づいて決められるので、一般カードに切り替えたからといって高くなるとは限りません。しかし、幅を持たせられるという意味では、一般カードの方が優れているでしょう。

2.海外旅行傷害保険による補償額・内容が広げられる

学生カードの場合、海外旅行保険が付帯していたとしても「自動付帯であるのは在学中のみ」というのは珍しくありません。また、年会費が無料であるため、補償額もそれほど大きくなかったり、補償されるトラブルの範囲が狭いケースも多々あります。

海外旅行傷害保険による補償額を高くしたり、補償されるトラブルの範囲を広げたいなら、一般カードへの切り替えも考えましょう。

特に、退学・除籍を機に結婚するなど「死亡・高度障害の場合の補償額を上げたい」場合は注意が必要です。

3.付帯サービスの内容を見て選べる

学生カードに比べると、一般カードの方が発行されている絶対数が多いため、様々な選択肢から選ぶことができます。海外旅行傷害保険以外にも

  •  レストラン、ホテル、スパなどの提携施設での優待
  •  会員専用セールなどのイベントへの招待
  •  空港ラウンジ利用

などの付帯サービスに着目しても選べるので、自分のライフスタイルに合った1枚を手に入れられるでしょう。

4.ポイントが貯まりやすいカードも選べる

一般カードの中には、年会費が無料であっても、ポイントが貯まりやすいカードはたくさんあります。その中には

  •  特定の店舗で利用した場合はさらにポイントがアップする
  •  ポイントサイトを経由してオンラインショッピングを利用するとさらにポイントがアップする

などの優遇を受けられるものもあるので、同じ金額を使ったとしても、効率的にポイントが貯められるはずです。

退学・除籍後すぐに仕事を始めない場合の学生カードの扱い

退学・除籍後すぐに仕事を始めない場合の学生カードの扱い
  •  体調不良が原因で学校を退学した
  •  退学・除籍になったものの就職先が決まっていない
  •  国内の別の学校に進学するために準備をする
  •  外国の学校に留学することになった

など、退学・除籍後すぐに仕事を始めない場合、学生カードの扱いをどうすべきかについても考えてみましょう。

【前提】安定継続した収入が得られないと審査には通りにくい

大前提として、学生でない人がクレジットカードの審査を受ける場合は、安定継続した収入がある方がやはり通過しやすいです。

学生は本来、学校に通って勉強するのが本分であるため、安定継続した収入がなくても審査に通る可能性は十分にあります。しかし、学生でなければ「本来は働き、安定継続した収入を得ている」ものととらえられるため、審査には通らないケースもあるのです。

まずは学生カードを使い続ける

詳しくは後述しますが、学校がクレジットカード会社と提携して発行しているクレジットカードを使っているなどの特殊な事情がないかぎり、「学生専用」と銘打っているクレジットカードを使うこと自体は可能です。

ただし、更新期限が来たら一般カードに切り替わります。

学生カードである以上、限度額は低いですが、まずはそれを使い続けましょう。

(注意)別のクレジットカードを手に入れるより先に解約してしまうと、審査に通らなかった場合にクレジットカードが使えないことになるので要注意です。

学生カードを使い続けるのと並行してやること

一方で、学生カードを使い続けるのと並行してやって欲しいことがあります。次の3つを済ませておきましょう。

できれば、退学・除籍を考え出したときから済ませておくといいでしょう。

1.年会費無料の一般カードに申し込む

クレジットカードの中には、会員数を増やすために

  •  年会費を無料にする
  •  「18歳以上で電話連絡が可能な人」など、申込条件をきわめてゆるくする

などの施策を導入しているものもあります。

このようなカードであれば、退学・除籍により無職になったとしても、利用限度額は低くなっても、審査に通る可能性も出てくるのです。

  •  アルバイトをしていれば、バイト先とおおよその年収を書く
  •  キャッシング枠は0円にする
  •  リボ払いは「使わない」設定にする

などの工夫をし、申し込んでみましょう。

2.家族カードを追加発行してもらう

特に、退学・除籍後、海外の学校に留学したり、世界一周などの長期旅行に出かける場合は、家族カードを1枚持っておくといいでしょう。

家族カードとは、クレジットカード本会員からの請求により発行される、家族が利用するためのカードのことです。

本来、クレジットカードは「クレジットカード会社が会員の支払能力を精査し、基準を満たした場合にのみ貸与するもの」であるため、たとえ家族であっても、クレジットカードに記載された名義の本人以外は使えません。

そこで、本人以外の家族が使えるカードとして、家族カードを追加する必要があるのです。

3.デビットカードも作っておく

クレジットカードではないものの、審査を受けずに使える決済用カードとして、デビットカードを作るのもおすすめです。

デビットカードとは、使えるお店=加盟店で利用すると、その場で利用額が支払元に指定した銀行口座から引き落とされる決済用カードのことです。

日本では近年、国際ブランドデビットと言って、クレジットカードが使えるお店で、クレジットカードと同様に使えるものが主流になっています。デビットカードについては、この記事で詳しく解説しているので、併せて読んでみましょう。

日本を離れる予定がないならネット銀行のものを

デビットカードはいろいろな銀行から発行されています。既に銀行口座を持っている銀行が、デビットカードを発行しているなら、まずはそれを使いましょう。

もちろん、他の銀行口座を作った上で、一緒にデビットカードを申し込んでもかまいません。留学・長期旅行など、日本を長期間留守にする予定がないなら、ネット銀行が発行しているものを選ぶといいでしょう。

  •  利用額に応じたポイントの還元が受けられる上に、還元率が高い
  •  日本全国、どこにいても利用できる
  •  申込は自宅からネットで完結できる

などのメリットがあります。

留学・長期旅行の予定があるならメガバンクのものを

一方、ネット銀行の欠点として「長期間、日本を離れる場合は使いづらい」があげられます。ほとんどのネット銀行は「非居住者による銀行口座の利用」を禁止しているためです。

もし、長期留学や世界一周旅行をするなど、長期間(目安は1年以上)日本を留守にする予定があるなら、デビットカードはいわゆる「メガバンク」が発行するものを選びましょう。

これらの銀行であれば、非居住者(1年以上日本を留守にする人)であっても、日本の銀行口座を利用することができるためです。

【参考】クレジットカード会社は退学・除籍の事実を把握できる?

man
へー、勉強になります。ありがとうございます。でも、クレジットカード会社に大学を退学したとか、除籍になったとかってわかるんですかね?
teacher
そう簡単にはわからないと思いますけど、例外もあるんですよ。

「学生専用」と銘打っているクレジットカードを使っている人が、学校を退学・除籍になった場合、その事実をクレジットカード会社が把握できるのでしょうか?考えられるケースごとにまとめました。

基本的には把握できない

基本的には把握できないと考えましょう。

クレジットカードを申し込む際には、本人確認書類が必要になります。しかし、本人確認書類として利用できるのは、国や地方公共団体などの「公的な機関」が発行する書類に限られます。

例えば

  •  運転免許証
  •  パスポート
  •  個人番号カード(マイナンバーカード)
  •  戸籍謄本、戸籍抄本
  •  住民票の写し

がこれにあたります。

学校が発行する「学生証」は公的な機関が発行するものではないため、本人確認書類として利用できません。
つまり、クレジットカード会社が本人確認書類として学生証を確認することは基本的にないため「いつ卒業するのか」「中退・除籍になったのか」を把握する方法もないのです。

学校と提携して発行している場合は例外

ただし、例外もあります。

学校(とくに大学)の中には、校友会の活動費や奨学金の財源にするため、クレジットカード会社と提携してクレジットカードを発行しているところもあります。このようなクレジットカードを使っている場合は「在学生・卒業生であること」が会員資格になっていることも多いので、注意が必要です。

出典:立教カード|クレジットカードの三井住友カード

なお、一般的に中退・退学した場合は、その学校の卒業生としては扱われません。その学校の卒業生向けに発行しているクレジットカードも作れないので、注意しましょう。

Q7.早稲田大学中退者ですが、早稲田カード(校友)に加入できますか。

A. 早稲田大学を中退された方は校友資格を有しませんので、残念ながら早稲田カードをお持ちいただくことはできません。
なお、推薦校友の手続きを経て早稲田大学校友の資格を取得した方は、ご加入いただけます。推薦校友に関する詳細は校友会事務局までお問い合わせください。

出典:お問合せ・FAQ | 早稲田カード

【参考】学生証はいつまで有効?

退学・除籍になった場合、問題になるのが「学生証がいつまで有効か」ということです。

  •  退学の場合は学校が定めた「退学日」
  •  除籍の場合は除籍通知書に記載されている「除籍日」

をもって、学生証は無効になるので気を付けましょう。

teacher
実際のところは、退学・除籍の手続きが終わった時点で学生証を返還しないといけない場合がほとんどです。

いずれにしても更新期限が来たら切り替わる

「学生専用」と銘打っているクレジットカードであっても、更新期限(目安は5年)が来たら、連携している一般カードに切り替わるのが通常の流れです。大学と提携して発行しているクレジットカードであるなど、特殊な事情がない限りは、そのままにしておくのも1つの選択肢でしょう。

teacher
いすれにしても更新期限が来たら切り替わるのだから、そのままにしておくといいですよ。

在学中から年会費無料の一般カードを作っておくのが無難

  •  在学中に体調を崩してしまった
  •  他にやりたいことができ、別の学校に行くことを決意した
  •  海外の学校に進学するために、日本の学校を離れることにした

などの理由で、通ってきた学校を退学することは誰にでもあり得ます。また、実家の経済状態がいきなり厳しくなったなどの理由で、学費を払えず除籍になってしまうことも、考えられない話ではありません。

学校に入学したとしても、100%そのまま何事もなく卒業できるとは限らない点に注意しましょう。

このような事情もあるので、比較的審査に通りやすい在学中に、年会費無料の一般カードを作っておくと効果的です。一般カードであっても、実際は学生にも門戸を開いているものは数多くあるので、以下の記事を参考に、自分に合ったものを選んでみるといいでしょう。