クレジットカード決済はどう動いている?4者の役割と、通らないときに確かめる順番

レジでカードが通らなかったとき、店員に理由を聞いても「こちらでは分かりません」と言われることがあります。これは不親切なのではなく、加盟店からは見えない場所で判断が行われているためです。決済に誰が関わり、どこで止まる可能性があるのかを知っておくと、その場でやることと、あとで確かめることを分けられます。

先に結論

  • 1回の決済には、本人・加盟店・加盟店側の決済会社・カードを発行した会社の少なくとも4者が関わっています。
  • 通すかどうかを最終的に判断するのはカードを発行した会社です。加盟店の端末では、その結果しか分かりません。
  • そのため「なぜ通らないのか」は、店頭ではなくカード会社に確かめるほうが早く進みます。
  • カード番号を扱う事業者には、割賦販売法第35条の16が漏えい・滅失・毀損の防止その他の適切な管理のために必要な措置を義務づけています。対象は加盟店や決済代行まで含みます。
  • 基準に適合していないと認められるときは、経済産業大臣が改善命令を出せることも条文に定められています。

決済に関わる4者と、それをつなぐネットワーク

クレジットカードの支払いは、財布から店へお金が直接動くわけではありません。立て替えと精算が何段階かに分かれており、そのどこかで止まると「使えません」という結果だけが端末に返ります。

クレジットカード決済に関わる本人・加盟店・決済会社・発行会社の4者を並べた図
可否を決めるのは発行会社。加盟店側からはその理由まで見えない。
関わる相手 担当していること 利用者から見える範囲
カードを使う本人 カードの提示、番号の入力。支払いの約束はカード会社との間にある 自分の利用状況は会員サイトで見られる
加盟店 カード払いを受け付ける。端末やシステムを用意する 端末に返ってきた結果だけが見える
加盟店側の決済会社 加盟店と契約し、売上の代金を立て替える。決済代行が間に入ることもある 利用者からは直接見えないことが多い
カードを発行した会社 利用枠や利用状況をもとに、その決済を通すかどうかを判断する 会員サイトと問い合わせ窓口で確かめられる

カード番号は、誰が預かっているのか

決済のたびにカード番号が流れる以上、その番号を誰がどう扱うかは重要です。ここは法律が正面から定めています。割賦販売法第35条の16は、クレジットカード番号等取扱業者に対し、経済産業省令で定める基準に従い、その取り扱うクレジットカード番号等の漏えい、滅失又は毀損の防止その他のクレジットカード番号等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない、としています。

e-Gov法令検索に表示された割賦販売法第35条の16の条文画面
出典:e-Gov法令検索「割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)」第35条の16。

対象になる事業者は条文で列挙されており、カード会社だけではありません。カード払いを扱う販売業者や役務提供事業者、立替払取次業者、決済用情報と結び付けて管理する事業者、それらから委託を受けた事業者などが含まれます。さらに第3項では、委託先が扱う番号についても、適切な管理が図られるよう必要な指導その他の措置を講じなければならないとされています。

基準に適合していないと認められるときは、第35条の17により、経済産業大臣がその必要の限度において、業務の方法の変更その他必要な措置をとるべきことを命ずることができます。番号の管理が事業者の自主的な努力に任されているわけではない、という点は押さえておいてよいところです。

決済が通らないとき、上から順に確かめる

原因は1つではありません。自分で確かめられることから順に見ていくと、店頭で待つ時間を減らせます。

決済が通らないときに確かめる5つの段階を上から順に並べた図
下にいくほど、加盟店側からは見えない領域になる。
その場でできること

別の読み取り方法を試す、券面の有効期限を見る、別のカードを出す。1と2の切り分けはここで終わります。

スマートフォンでできること

会員サイトやアプリで利用枠の残りと、前回の引き落とし状況を確認します。3と4はここで分かります。

連絡が必要なこと

不審な利用と判断されて止まっている場合は、本人確認が済むまで通りません。カード会社の窓口へ連絡します。

店頭で何度も通そうとするのは避けたほうが安全です。短時間に決済の試行が続くこと自体が、不審な使われ方と判断される材料になり得ます。2回試して通らなければ、いったん別の支払い方法に切り替えるのが現実的です。

この記事は仕組みの説明です。実際の可否や理由は、カード会社の判断と契約内容によります。

ネット決済で止まるときは、店頭とは原因が違う

実店舗ではカードそのものを機械に通しますが、ネットでは番号と付随する情報だけを送ります。そのため、通らない原因の出方も変わります。物理的な読み取り不良はありませんが、代わりに入力と本人確認の項目が増えます。

止まる場所 店頭での起こり方 ネットでの起こり方
読み取り・入力 ICや磁気の読み取り不良、端末の不調 番号・有効期限・セキュリティコードの入力ミス
本人確認 暗証番号の入力、サインなど 本人認証のサービスでの追加確認。設定していないと進めないことがある
登録情報の一致 基本的に問われない 請求先の住所や氏名がカードの登録と違うと止まることがある
加盟店側の設定 その店が扱うブランドの範囲 その店が扱うブランドに加え、海外発行カードの可否など

ネットで通らないときに見落とされやすいのが、3つ目の登録情報です。引っ越したあとにカード会社への住所変更をしていないと、入力した請求先住所と登録が食い違います。カードの登録情報を最新にしておくことは、そのままネット決済が通りやすい状態を作ることでもあります。

使えない状態を先に減らしておく

止まってから対処するより、止まりにくい状態を作るほうが手間がかかりません。とくに引き落としと利用枠は、事前に整えられます。

先にやっておくこと 防げる場面
引き落とし口座の残高を確認する習慣をつける 前回の引き落としができず、利用が止まっている状態
利用枠の残りをアプリで見えるようにする 大きな買い物の直前に枠が足りないと分かる状態
有効期限の更新カードを受け取ったら早めに切り替える 期限切れのカードを出してしまう場面
海外へ行く前に利用予定を伝える いつもと違う場所での利用として止められる場面
予備のカードを1枚持っておく 原因が分からないときに、支払いそのものを止めないため

よくある質問

店員に理由を聞いても分からないのはなぜですか

通すかどうかを判断しているのはカードを発行した会社で、加盟店の端末にはその結果しか返りません。理由を知るには、カード会社の窓口に確認する必要があります。

利用枠が残っているのに通りませんでした

枠のほかにも、支払いの遅れや、いつもと違う使われ方と判断された場合など、通らない理由はあります。会員サイトで支払い状況を確かめたうえで、カード会社に連絡してください。

カード番号はどこまで守られていますか

割賦販売法第35条の16が、カード番号等を取り扱う事業者に対して、漏えい・滅失・毀損の防止その他の適切な管理のために必要な措置を義務づけています。対象には加盟店や委託先も含まれます。

加盟店が番号を保存していることはありますか

条文は、カード番号等を取り扱う事業者を広く対象にし、委託先の管理についても指導その他の措置を求めています。基準に適合していないと認められる場合は、経済産業大臣が改善を命じることができるとされています。

ネットだけ通らないのはなぜですか

ネット決済では、番号のほかに本人認証や請求先の情報が確認されることがあります。引っ越し後に住所変更をしていないと登録と食い違い、そこで止まることがあります。カード会社に登録している情報が最新かを確かめてください。

何度も試せば通ることはありますか

短時間に決済の試行が続くと、不審な利用と判断される材料になり得ます。2回試して通らなければ、別の支払い方法に切り替えたうえで、あとからカード会社に確認するほうが確実です。


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