税金・公共料金のクレジットカード払い|国税は1万円ごとに99円、地方税はeLお支払サイト。得をする境目は還元率0.99%

国税・地方税と公金・公共料金の3つの入口をカードで並べた図。国税は1万円ごとに99円と表示している

税金や公共料金をクレジットカードで払うと、ポイントは付きますが決済手数料も取られます。国税は納付税額1万円ごとに99円(税込)で、額面に対しておよそ0.99%。還元率がこれを下回るカードでは、払うほど持ち出しになります。しかも入口は3つに分かれていて、国税は「国税クレジットカードお支払サイト」、地方税と公金は「eLお支払サイト」、電気・ガスなどは各社の手続きです。2026年10月23日に国税庁と地方税共同機構の公式ページで条件を確認しました。

先に要点

  • 国税の決済手数料は1円〜10,000円で99円、10,001円〜20,000円で198円と、1万円を超えるごとに加算される(税込)。額面1万円ちょうどなら0.99%。
  • 1度の手続で払えるのは1,000万円未満、かつカードの決済可能額以下(決済手数料を含む)。
  • 納付受託者は株式会社エフレジ。利用できるのはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubの5ブランドで、24時間受け付ける。
  • 国税のカード納付では領収証書が発行されない。手続完了後の取消しもできず、納税証明書には最大3週間程度その旨が記載される。
  • 地方税・公金は「eLお支払サイト」から。全国の地方公共団体でクレジットカードによる支払いが可能と案内されている。
  • 還元率が0.99%を超えるカードでなければ、国税のカード払いは手数料負けする。

国税の入口は1つ。手数料は1万円ごとに99円

国税庁は「クレジットカード納付の手続」のページで、クレジットカード納付を「インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して『国税クレジットカードお支払サイト』を経由し、国税庁長官が指定した納付受託者へ国税の納付の立替払いを委託することにより、国税を納付する手続」と説明しています。納付受託者は株式会社エフレジです。

国税庁公式のクレジットカード納付の手続のページの画面。利用可能額1,000万円未満と、納付税額に応じた決済手数料99円・198円などの表が並んでいる
国税庁「G-2-4 クレジットカード納付の手続」。利用可能額、利用可能なクレジットカード、決済手数料の表が同じ画面に並ぶ(2026年10月23日に表示)。
国税のクレジットカード納付の決済手数料(2026年10月23日に国税庁の公式ページで確認、税込)
納付税額 決済手数料 額面に対する割合
1円〜10,000円 99円 10,000円なら0.99%
10,001円〜20,000円 198円 10,001円なら1.98%
20,001円〜30,000円 297円 30,000円なら0.99%
30,001円〜40,000円 396円 以降も同様
40,001円〜50,000円 495円 10,000円を超えるごとに加算

右端の列が重要です。手数料は1万円の階段で上がるので、刻みのすぐ上は実質の料率が跳ね上がります。納付税額が10,000円ちょうどなら99円で0.99%ですが、10,001円になった瞬間に198円となり1.98%です。1円の差で手数料が倍になります。

国税庁は納付税額1円〜10,000円の決済手数料を99円、10,001円〜20,000円を198円と公表しており、以降も10,000円を超えるごとに加算されるとしています。また国税庁は1度の手続で納付できる額を1,000万円未満かつカードの決済可能額以下と案内しています。決済手数料について「国の収入になるものではありません」とも書いています。カード会社側の決済コストに充てられるもので、税として納めるわけではありません。

利用できる税目と限度。源泉所得税と印紙税には例外がある

対象は全ての税目ですが、2つだけ「国税クレジットカードお支払サイト」から直接手続できないものがあります。

国税のカード納付で押さえる5点

利用可能額
1度の手続につき1,000万円未満、かつ利用するクレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料含む)
ブランド
Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubの5つ
受付時間
24時間(メンテナンス作業等で利用できない時間が生じる場合がある)。e-Taxからアクセスする場合はe-Taxの利用可能時間に限る
例外1
「源泉所得税及び復興特別所得税」で税務署長から納税の告知を受けていない方(納税告知書が届いていない方)は、お支払サイトではなくe-Taxから手続を行う必要がある
例外2
「印紙税」や「登録免許税」で、法令の規定により印紙を貼り付けて納付しなければならない場合は利用できない
国税庁「クレジットカード納付の手続」の[ご利用が可能な税金の種類等]の記載から整理した。

地方税と公金は「eLお支払サイト」。全国の地方公共団体で使える

住民税、固定資産税、自動車税などは国税とは別の入口になります。地方税共同機構が運営する「eLお支払サイト」です。自宅やオフィスに届く納付書に印刷されたeL-QRやeL番号を使い、スマートフォンやパソコンから支払います。固定資産税に絞った手順と費用は固定資産税のクレジットカード納付で扱っています。

地方税共同機構のeLお支払サイトのトップページの画面。固定資産税・都市計画税、自動車税、国民健康保険料、水道料金などの対象と、クレジットカードを含む4つの支払方法が並んでいる
eLお支払サイト。クレジットカードのブランドはVisa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Clubが並ぶ(2026年10月23日に表示)。
eLお支払サイトで扱われる税金・公金と支払方法(2026年10月23日に公式トップページで確認)
区分 掲げられているもの
税金 固定資産税・都市計画税、自動車税・軽自動車税
公金 国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料、道路占用料など、水道料金・下水道使用料、その他地方税・公金
支払方法 クレジットカード、インターネットバンキング、口座振替(ダイレクト方式)、ペイジー(ATM等)
対象の自治体 「全国の地方公共団体でクレジットカードを利用したお支払いが可能です」と記載
できること 複数の納付書をまとめて1回で支払える。支払い状況の確認もできる(ログインが必要な場合あり)

注目すべきは公金の側に水道料金・下水道使用料が入っていることです。自治体の水道料金は口座振替しか選べないと思われがちですが、eLお支払サイトの対象になっています。国民健康保険料や介護保険料も同じ入口です。

2026年10月23日時点のお知らせ

eLお支払サイトのトップページには「現在、eLお支払サイトからインターネットバンキングサイトに遷移して納付することができません。(外部接続先による臨時メンテナンスのため)」という赤帯のお知らせが出ています。

同じお知らせには、金融機関のATMやインターネットバンキングサイトからの納付は可能で、その場合はeLお支払サイトでペイジー番号を発行したうえで納付するようにと書かれています。クレジットカードでの支払いが止まっているとは書かれていません。

なお、eLお支払サイトの決済手数料(システム利用料)の額は、この記事では公式ページ上で確認できませんでした。金額は納付前にサイト上で必ず確認してください。

損得は「還元率−0.99%」で決まる

国税については手数料の率が公表されているので、損得の計算ができます。納付税額を1万円単位に切り上げた回数に99円を掛けたものが決済手数料、納付税額に自分のカードの還元率を掛けたものが還元額です。国税と地方税で手数料の刻み方が違う点は税金のクレジットカード払いの手数料で表にしています。

納付税額30万円を国税のカード納付で払った場合(当サイトが公表されている手数料表から計算)
カードの還元率 還元額 決済手数料 手元に残る差
0.5% 1,500円 2,970円 −1,470円
1.0% 3,000円 2,970円 +30円
1.5% 4,500円 2,970円 +1,530円
2.0% 6,000円 2,970円 +3,030円

30万円は1万円で割り切れるので、手数料は99円×30回=2,970円です。還元率1.0%でようやく30円のプラスで、0.5%なら1,470円の持ち出しになります。納付額が大きいほど手数料も比例して増えるため、「高額な納税ほど得」にはなりません。決めているのは金額ではなく還元率です。

還元率が1.0%前後なら、手数料を払ってまでカードで納める意味は小さいことになります。カード払いを選ぶ理由が支払期日の繰り延べや資金繰りにあるなら、その価値と手数料を比べてください。受け取ったポイントそのものの課税関係はクレジットカードのポイントに税金はかかるかで国税庁の見解を整理しています。

カード払いで失うもの:領収証書・取消し・納税証明書

金額以外の違いもあります。国税庁が明記しているのは次の4点です。

国税のカード納付で制約になること(国税庁の公式ページより、2026年10月23日に確認)
項目 公式ページの記載
領収証書 発行されません。必要な場合は最寄りの金融機関または所轄の税務署の窓口で納付してください
取消し お支払サイトでの納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできません
納税の猶予 納付手続の完了後、その納付手続により納付済となった国税については、納税の猶予等を受けることはできません
納税証明書 カード納付の後に請求した場合、納付受託者が立替払いを行うまでの間(最大3週間程度)は、納税証明書にクレジットカード納付が行われている旨が記載されます
窓口での利用 インターネット上のみの手続で、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口ではクレジットカードによる納付はできません

実務でいちばん困るのは納税証明書です。融資や入札で「未納がないこと」の証明が要る場面では、最大3週間のずれが影響します。期限が決まっているなら、カード納付を選ぶ前に証明書の取得時期を確認してください。

また、カード会社の利用明細は領収証書の代わりになりません。領収証書が要る用途が1つでもあるなら、窓口での納付を選ぶほうが確実です。

公共料金は会社ごと。カード払いで割引が消えることがある

電気・ガス・通信などの公共料金は、国税や地方税と違って各社が個別に受け付けています。カードが使えるかどうか、手数料が要るかどうかは契約先ごとに違うため、一般化できません。

注意したいのは、口座振替割引がある契約です。電気料金では口座振替にすると割引が付く料金プランがあり、カード払いに変えると割引が消えます。ポイント還元と口座振替割引を比べてから切り替える必要があります。水道料金・下水道使用料については、前述のとおりeLお支払サイトの対象に入っています。

カードで払うと領収証書が手元に残らない点は、公共料金でも同じです。確定申告で家事按分して経費にする場合は、利用明細や検針票の扱いを先に決めておいてください。

税金・公共料金のカード払いについてよくある質問

国税をカードで払うと手数料はいくらですか

納付税額1円〜10,000円で99円、10,001円〜20,000円で198円です(いずれも税込)。以降も10,000円を超えるごとに加算されます。30万円なら2,970円です。

いくらまで払えますか

1度の手続につき1,000万円未満、かつ利用するクレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料を含む)です。

どのカードが使えますか

Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubの5ブランドです。受付は24時間ですが、メンテナンス等で利用できない時間が生じる場合があります。

住民税や自動車税もカードで払えますか

地方税共同機構の「eLお支払サイト」から支払えます。公式ページは「全国の地方公共団体でクレジットカードを利用したお支払いが可能です」と案内しています。固定資産税・都市計画税、自動車税・軽自動車税、国民健康保険料、水道料金・下水道使用料などが対象として挙げられています。

領収証書はもらえますか

国税のカード納付では発行されません。国税庁は、領収証書が必要な場合は最寄りの金融機関または所轄の税務署の窓口で納付するよう案内しています。

間違えて納付したら取り消せますか

取り消せません。国税庁は「『国税クレジットカードお支払サイト』での納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできません」と明記しています。

この記事が参照した一次情報


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