Mastercardの国内標準インターチェンジ料率は0.25%〜3.20%|「中小企業」の行だけカードのランクに関係なく一律1.50%

Mastercard 国内標準料率と書かれたアイキャッチ。いちばん低い行は0.25%、いちばん高い行は3.20%という見出しの下に、0.30%・1.50%・3.20%の3本の横棒ゲージ

クレジットカードを使うと、店は売上の一部を手数料として払います。その原価にあたるのが、アクワイアラからイシュアへ渡るインターチェンジ料率です。Mastercardは日本市場の標準料率を1枚のPDFで公表しており、2026年7月24日に更新されています。読むと、カードのランクで料率が上がる区分と、ランクが関係ない区分が混ざっていることが分かります。2026年10月29日にその表を開いて数字を並べました。

この記事の要点

  1. Mastercardの日本市場の標準料率表は2026年7月24日更新で、カード種別9区分(個人6・法人3)と業種別の行で構成されています。
  2. いちばん低いのは「日常利用-特定商品」で0.30%(法人向けスパープレミアムのみ0.25%)。
  3. いちばん高いのは「その他」で2.45%〜3.20%。業種が特定の区分に当てはまらない取引はここに落ちます。
  4. 「中小企業」の行だけ、9区分すべてが一律1.50%です。カードのランクで原価が変わりません。
  5. 「ビジネス支払いアグリゲータプログラム」も全区分0.55%で一律です。
  6. 個人向けの「日常利用-マルチプロダクト」各行は、スタンダード・ゴールド・プレミアム(プラチナ)がそろって0.85%。ランクの差が出ません。
  7. 差が最大なのは「日常利用-マルチプロダクト4(金融、飲食料品小売・グローサリーストア)」で、0.85%から3.20%まで2.35ポイント開きます。
  8. 法人向けB2Bは定率+定額で、スモールチケットが1.15%+1,200円、ラージチケットが0.65%+6,000円です。

カード種別は個人6区分・法人3区分に分かれている

表の列は次の順に並んでいます。個人向けがスタンダード、ゴールド、プレミアム(プラチナ)、チタン(デジタル決済・タッチ決済。チタンとチタンIIの2列)、スパープレミアム(ワールド)、エリート(ワールドエリート)。法人向けがスタンダード、スパープレミアム(ワールド)、エグゼクティブ(富裕層向け)です。

行は業種です。航空会社、ホテル、大規模小売業、レジャー、日常利用、公共サービス、タクシー、鉄道、旅行代理店、中小企業、その他などに分かれています。

Mastercardが公表している日本市場のクレジットインターチェンジ標準料率のPDFの画面。個人向けスタンダードからエリート、法人向けスタンダードからエグゼクティブまでの列と、航空会社・ホテル・大規模小売業・日常利用・中小企業・その他などの行が交差する料率表が表示され、右下に更新日2026年7月24日と書かれている
Mastercard「日本市場のMastercardクレジットインターチェンジ標準料率」。1枚に全区分が収まっている。

ランクで上がる区分、上がらない区分

一般に「上位カードを使うと店の負担が増える」と言われますが、表を見ると全部の行でそうなっているわけではありません。

表1 カードのランクで料率が動く行と、動かない行(Mastercardの標準料率表。単位は%)
業種の行 個人スタンダード 個人ゴールド 個人プレミアム 個人エリート 開き
航空会社 1.25 1.35 1.45 1.90 0.65
ホテル 1.90 2.00 2.20 2.60 0.70
大規模小売業 1.85 1.95 2.05 2.55 0.70
その他 2.45 2.55 2.65 3.20 0.75
日常利用-マルチプロダクト1 0.85 0.85 0.85 1.30 0.45
日常利用-マルチプロダクト4 0.85 0.85 0.85 3.20 2.35
中小企業 1.50 1.50 1.50 1.50 0.00
ビジネス支払いアグリゲータプログラム 0.55 0.55 0.55 0.55 0.00
日常利用-特定商品 0.30 0.30 0.30 0.30 0.00

「中小企業」「ビジネス支払いアグリゲータプログラム」「日常利用-特定商品」の3行は、個人のスタンダードからエリートまで、法人の3区分まで、すべて同じ数字です。この3行に当たる取引では、客が持つカードのランクが店の原価を動かしません。

いちばん大きく開くのは「日常利用-マルチプロダクト4」です。この区分の適用対象は金融と、飲食料品小売・グローサリーストアです。

個人のスタンダード・ゴールド・プレミアムは0.85%でそろっているのに、チタンIIで2.90%、スパープレミアムで3.10%、エリートで3.20%まで上がります。同じスーパーマーケットでの買い物でも、出すカードで原価が3.7倍変わります。

低い側の区分には何が入るのか

0.6%を下回る行

0.30%
0.25%

日常利用-特定商品

個人・法人とも0.30%。法人向けスパープレミアム(ワールド)だけ0.25%。表の中でいちばん低い。

0.50%
0.45%

Mastercardプリペイドへのトップアップ

全区分0.50%。法人向けスパープレミアムのみ0.45%。パススルーデジタルウォレットに登録のプリペイドへのトップアップ(交通系)も同じ並び。

0.55%

ビジネス支払いアグリゲータプログラム

9区分すべて0.55%。ランクによる上乗せがない。

0.56%

公共サービス1〜5

NPO・政府、公共通信費・水道光熱費・下水道等、税額、郵便、農林漁業協同組合。個人スタンダード・ゴールド・プレミアムは0.56%でそろう。

公共サービスの行は、上位カードになると跳ねるものがあります。たとえば「公共サービス5(農林漁業協同組合)」は、個人スタンダードが0.56%なのに対してスパープレミアムで3.10%、エリートで3.20%です。同じ「公共サービス」という名前でも、中の5区分で上位カードの扱いがまったく違います。

病院の行にはN/Aがある

「病院(大)」の行だけ、料率ではなくN/Aが入っている列があります。個人スタンダード・ゴールド・プレミアム、法人スタンダード、法人スパープレミアムの5区分がN/Aで、チタンが0.70%、チタンIIが1.00%、スパープレミアムが1.20%、エリートが1.30%、法人エグゼクティブが1.00%です。

N/Aが何を意味するかは、この表自体には書かれていません。適用区分の定義はMastercardが別に公開している「インターチェンジ・カテゴリー」の資料にあります。この記事ではN/Aの解釈までは確認していません。

Mastercardのインターチェンジ料率および手数料のページの画面。インターチェンジの説明と、日本市場の標準料率およびカテゴリーの資料へのリンクが表示されている
Mastercard「インターチェンジ 料率および手数料」。料率表とカテゴリー定義が別のPDFに分かれている。

法人向けB2Bだけ計算の形が違う

表の下段に、1行だけ別枠があります。コマーシャルノントラベルB2B(JPY)で、定率に定額を足す形です。

表2 コマーシャルノントラベルB2B(JPY)の料率
区分 料率 10万円の決済での金額 100万円の決済での金額
スモールチケット 1.15% + 1,200円 2,350円(実質2.35%) 12,700円(実質1.27%)
ラージチケット 0.65% + 6,000円 6,650円(実質6.65%) 12,500円(実質1.25%)

定額部分があるため、金額が小さいほど実質の率が上がります。100万円あたりで2つの区分がほぼ並び、それより大きい決済ではラージチケットのほうが安くなる構造です。表の金額は公表された式をこの記事で計算したものです。

還元率の高いカードほど、店にとっては重い客になる

この表を客の側から読むと、カードのランクと店の原価が結び付いていることが分かります。イシュアが受け取るインターチェンジは、ポイント還元や付帯サービスの原資になります。上位カードの還元率が高いのは、その分だけ店側が負担しているからだ、という関係が数字で確かめられます。

ただし、その関係はすべての業種で成り立つわけではありません。「中小企業」の行が9区分すべて1.50%で一律だということは、小規模な店ではカードのランクを問わず同じ原価になるという意味です。上位カードを出しても、その店の負担は変わりません。

逆に「日常利用-マルチプロダクト4(金融、飲食料品小売・グローサリーストア)」のように、0.85%から3.20%まで開く行もあります。スーパーマーケットでの支払いは、個人向けのスタンダード・ゴールド・プレミアムなら0.85%で並ぶのに、スパープレミアムやエリートになると3%台に跳ねます。どの店でどのカードを出すかで、店側の原価が大きく変わる区分が確かに存在します。

読むときに気をつけること

この表の位置づけ

標準料率であって実際の手数料ではない

インターチェンジ料率はアクワイアラがイシュアへ払う分。店が払う加盟店手数料は、これにアクワイアラの取り分とブランド手数料が乗る。

イシュアとアクワイアラの間で別途定めがあれば優先する

Mastercardは、ほかの条件が定められていない場合に適用される標準料率として公表している。

更新日を必ず見る

料率表は更新される。この記事で参照したのは2026年7月24日更新のもの。

ブランドで体系が違う

Visaの国内標準料率は別の区分で公表されている。行の名前も分け方も同じではない。

Visa側の数字はインターチェンジフィーとは?Visaの国内標準料率は0.50%〜2.88%で整理しています。店が実際に払う加盟店手数料の構造はクレジットカードの加盟店手数料の仕組みとは?に、キャッシュレス全体の規模はキャッシュレス決済162.7兆円の82.7%はクレジットカードにあります。

よくある質問

インターチェンジ料率は店が払う手数料ですか

直接ではありません。アクワイアラ(加盟店契約会社)がイシュア(カード発行会社)へ払う分で、店が払う加盟店手数料の原価にあたります。

上位カードを使うと必ず店の負担が増えますか

増えない行があります。「中小企業」「ビジネス支払いアグリゲータプログラム」「日常利用-特定商品」の3行は、9区分すべて同じ料率です。

いちばん高い料率はいくらですか

公表されている表のうち最も高いのは3.20%で、「その他」「レジャー2」「日常利用-マルチプロダクト4」「公共サービス5」の各行で、個人向けエリート(ワールドエリート)に適用されます。

チタンとチタンIIは何が違いますか

表では「個人向けクレジットカード チタン(デジタル決済・タッチ決済)」の下に2列が置かれ、チタンよりチタンIIのほうが高い料率になっています。区分の定義はこの記事では確認していません。

この料率は値上げされましたか

この記事で確認したのは2026年7月24日更新の表です。過去の版との差分は比べていません。

自分のカードがどの区分かを調べられますか

表はMastercardの商品区分で書かれており、発行会社の商品名との対応は公表されていません。カード券面の表記だけでは判断できません。

出典


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30枚以上のクレジットカードを保有するFP。一般カードから、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカード、法人カード、デビットカード、ETCカードと様々なカードを持ち、お得にカードを使うためにどうすれば良いのか?楽しく検証しています。マイルやポイントを貯める方法を中心につぶやきます。