クレジットカードの名義変更の手順まとめ。名義変更をしないと起こる6つのトラブルも解説!

man
先生、実は来月入籍します!
teacher
わー、おめでとうございます!
man
それで相談なんですけど、彼女が「クレジットカードの名義変更って、いつやればいいんだっけ?」と頭抱えてまして……。
teacher
できる限り早めにやる方がいいですね。

クレジットカードの名義変更をしないといけない唯一の理由

クレジットカードの名義変更をしないといけない唯一の理由

実は、結婚などで名前が変わった場合に、クレジットカードの名義変更をしないといけない理由は、たった1つです。

届出情報に変更が生じるから

クレジットカードの申込にあたっては、

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 職業
  • 年収

など、クレジットカード会社が定める情報を届け出なければいけません。生年月日は変わりようがないですが、それ以外の情報は、変わる可能性があります。そして、変更が生じた時点で、遅滞なく届け出なくてはいけないのです。

【保存版】入籍後の名義変更を含めた手続きの手順

【保存版】入籍後の名義変更を含めた手続きの手順

結婚をする場合、苗字だけでなく、住所や職業が変わる人はたくさんいます。そこで、必要な手続きを過不足なく行うために、手続きの手順をあらかじめ押さえておきましょう。

まずは変更事項を確認しよう

最初にやるべきなのは、変更事項を確認し、整理することです。

  • 入籍に伴う苗字の変更
  • 引っ越しに伴う住所の変更
  • 転職、退職する場合は、職業・年収の変更

など、変更前と変更後の情報を整理しましょう。

なお、情報を整理しておけば、クレジットカードだけでなく、

  • 銀行、保険など金融機関への届け出
  • 電気、ガス、水道などの公共料金の支払い情報の変更

など、様々な場面で使いまわせます。

teacher
一度やってしまえばあとで楽なので、必ず済ませておきましょう!

スムーズに進めるための手順

参考までに、スムーズに進めるための手順の一例を紹介します。

大まかに分けると、

  1. 警察署、社会保険事務所、市区町村役所などの官公庁での手続き
  2. 銀行、クレジットカード会社などの金融機関での手続き
  3. 公共料金、携帯電話会社などの手続き
  4. パスポートの変更手続き

の4段階に分かれます。それぞれについて、さらに細かく説明しましょう。

1.住民票を発行してもらう

結婚をきっかけに別の市区町村に引っ越す場合、転入届を出す必要があります。手続きが完了した時点で、新しい住民票の発行が受けられる仕組みです。

転入をした日から14日以内に届け出を行う決まりになっています。

なお、転入手続きをする場合は、市区町村ごとに所定の書類を用意する必要があります。例えば、埼玉県さいたま市の場合、必要な書類は以下の通りです。

  • 届出に必要なもの
  • 本人確認書類
  • 印鑑
  • 転出証明書(前住所地の市区町村役場で発行)
  • 国民健康保険証 (すでに加入している世帯で、その世帯に一部転入した場合)
  • 国民年金手帳 (加入者のみ)
  • 在留カード又は特別永住者証明書(外国人の方)
  • 住民基本台帳カード(交付を受けている方)
  • 通知カード又は個人番号カード

出典:さいたま市/転出、転入、転居(引っ越し)

必要なものは、予め、転入先になる市区町村役場に確認しておきましょう。

2.マイナンバーカードの名義変更

転入手続きを行う際に、マイナンバーカードの名義変更もしてもらうことができます。通知カードもしくはマイナンバーカードを提出し、指示を仰ぎましょう。

なお、通知カードはあくまで「個人番号を知らせるため」だけのカードのため、身分証明書としては使えません。

これまでマイナンバーカードの交付を受けてこなかった人は、同じタイミングでマイナンバーカードの発行手続きも済ませるのをおすすめします。

3、国民保険の手続き

仮に、結婚をきっかけに退職する場合、

  • 家族の社会保険に、扶養家族として加入する
  • 国民健康保険・国民年金に加入する

のいずれかを選ぶことになります。国民健康保険・国民年金に加入する場合は、そのまま市区町村役場で手続きを行いましょう。一方、家族の社会保険に、扶養家族として加入する場合は、家族に頼んで手続きをしてもらいましょう。

teacher
退職しない場合でも、勤務先の総務担当者に、苗字・住所の変更は必ず伝えましょう!

4.運転免許証の記載事項変更

住民票の交付を受けたら、次は運転免許証の記載事項を変更します。

  • 新しく交付された住民票
  • 運転免許証

を持って、

  • 各都道府県の運転免許センター
  • 自宅の近くの警察署

のいずれかに行きましょう。

5.銀行口座の名義変更

運転免許証の記載事項の変更が終わったら、次は銀行口座の名義を変更します。

  • 運転免許証
  • 銀行の届出印

を持ち、店舗の窓口に行きましょう。

なお、銀行の届出印は、

  • 旧姓のもの
  • 新姓のもの

の両方が必要です。

また、ネット銀行など、届出印がいらない銀行の場合でも、名義変更は必要になります。カスタマーセンターに電話をし、届出事項の変更を申し出ましょう。必要な手続きを案内してくれます。

6.クレジットカードの届出情報変更

銀行口座の名義変更が終わったら、クレジットカード会社にも連絡しましょう。Web上での手続きで完結する場合もあれば、郵送による書類のやり取りが必要な場合もあります。

teacher
クレジットカード会社によって扱いが違うので、事前に確認してくださいね。

7.公共料金等の支払情報変更

  • 電気
  • ガス
  • 水道
  • 携帯電話の月額通話料

など、定期的な支払いを行っているものについて、支払い情報を変更しましょう。

8.パスポートの名義変更

パスポートを持っている場合は、名義変更を忘れずに行いましょう。厳密にいうと、パスポートの名義を変更するには、

  • 記載事項変更旅券を申請する
  • 切替申請をする

の2つの方法があります。それぞれの方法について、説明しておきましょう。

記載事項変更旅券を申請する
既に持っているパスポートの有効期限はそのまま引き継いで、氏名や本籍だけを変更する方法です。

手数料は6,000円です。新しいパスポートを作り直す(切替申請)よりは安く済むので、パスポートの有効期限の残りが数年ある場合は、こちらを選びましょう。

なお、この方法であっても、既存のパスポートを返納する必要があります。そのため、パスポート番号も変わってしまいますので、注意してください。
切替申請をする
平たく言うと、新しくパスポートを作り直すことです。

手数料は、10年用の旅券が16,000円、5年用の旅券が11,000円です。パスポートの有効期限が残り2年を切っている場合は、こちらを選択しましょう。

teacher
ここまで終わったら、主要な手続きはほぼ終わりです。新生活のためにクレジットカードを作るなら、このタイミングで取り組むといいでしょう。主婦の人に評判がいいクレジットカードをまとめました。

名義変更をしないでクレジットカードを使い続けると起こる6つのトラブル

名義変更をしないでクレジットカードを使い続けると起こる6つのトラブル

仮に、結婚などで苗字が変わったとしても、名義変更をしないでクレジットカードを使い続けると、どうなるのでしょうか?

起こり得る次の6つのトラブルについて、解説します。

  1. クレジットカードの更新ができない
  2. 成りすましの被害にあう
  3. 海外旅行でトラブルが起こる
  4. 公共料金等の引落ができない
  5. ブラックリストに載る
  6. 万が一の時は自己責任

問題1.クレジットカードの更新ができない

クレジットカードには有効期限があります。有効期限が近くなると途上与信が行われ、問題がなければ新しいクレジットカードが交付される仕組みです。

この際、新しいクレジットカードは、あらかじめクレジットカード会社に届け出た住所と名義人に、「本人限定受取郵便」で届けられることが多くなっています。

本人限定受取郵便は、「その場所に住んでいる名義人本人」しか受け取れません。

つまり、どちらか一方でも違っていると、転送はされずにクレジットカード会社に戻ってきてしまうのです。このことが原因で、クレジットカードの更新ができず、強制解約に至る可能性もあるので気を付けましょう。

問題2.成りすましの被害にあう

既に触れた通り、新しいクレジットカードを届ける際は、本人限定受取郵便が使われることが多いです。しかし、中には普通書留など、本人でなくても受け取れる可能性がある配達方法を使う場合もあります。

変更前の住所に住んでいる人が、クレジットカードを受け取ってしまう可能性も0ではありません。

もし、そのようなことが起こった場合、勝手にネットショッピングなどで使われてしまう「成りすまし」の被害が生じるのも避けられないでしょう。

成りすましも含めた不正利用については、この記事で詳しく解説しています!

問題3.海外旅行でトラブルが起こる

新婚旅行に行く際に、新姓のパスポートに切り替えてから出かける人もいるはずです。この場合、クレジットカードの名義も新姓に切り替えておきましょう。

外国のホテルに滞在する際は、保証金(デポジット)としてクレジットカード情報を預かる場合が非常に多いです。その際、本人確認の手段としてパスポートも使うので、名義が一致していないと揉める原因になります。

また、お土産を購入し、免税手続きをする際も、クレジットカードとパスポートの名義を照らし合わせるので、やはりトラブルになるのです。

「パスポートの名義は新姓と旧絵のどちらを使うか」を考えた上で、必要な手続きは忘れずにしておきましょう。

問題4.公共料金等の引落ができない

  • 電気
  • ガス
  • 水道
  • 携帯電話の利用料

など、毎月定期的に発生する料金をクレジットカードで支払っていた場合、支払情報の変更をしておかないと、どこかのタイミングで支払いができなくなります。

支払情報の変更をする際は、新しいクレジットカードの情報が必要になるため、名義変更も必須です。

問題5.ブラックリストに載る

仮に、クレジットカードを旧姓のまま使っていたことで、支払いが止まってしまったとします。この場合、延滞・滞納として扱われるので、気を付けましょう。1カ月以上の延滞・滞納になってしまった場合、個人信用情報に異動情報(金融情報)として登録されてしまいます。

つまり、ブラックリストに載ってしまうため、

  • 住宅、車のローンが組めない
  • 新しくクレジットカードを作れない
  • 携帯電話端末の分割購入ができない
  • これまでのクレジットカード利用残高の一括返済を求められる

など、日常生活の様々な場面で弊害が生じます。

問題6.万が一の時は自己責任

クレジットカード会社では、氏名・住所など、登録情報に変更があった場合は、必ず届け出ることを利用規約で定めています。万が一、ほったらかしにしていたことで、不正利用の被害にあったとしても、何の補償も受けられません。

例えば、三井住友カードでは、補償対象とならないケースについて、以下のように定めています。

以下のような取引については、補償対象とはなりません。

1.会員の故意または重大な過失に起因する損害
2.損害の発生が保障期間外の場合
3.会員の家族・同居人・弊社から送付したカードまたはチケットなどの受領の代理人による不正利用に起因する場合
4.会員が本条第4項(届出事項の変更)の義務を怠った場合
5.紛失・盗難または被害状況の届けが虚偽であった場合
6.カードショッピング、キャッシングリボおよび海外キャッシュサービス取引などのうち暗証番号の入力を伴う取引についての損害(ただし、弊社に登録されている暗証番号の管理について、会員に故意または過失がないと弊社が認めた場合はこの限りではございません。)
7.紛失・盗難の通知を弊社が受領した日の61日以前に生じた損害
8.戦争・地震などによる著しい秩序の混乱中に生じた紛失・盗難に起因する損害
9.その他本規約に違反する使用に起因する損害
また、状況調査の結果、会員ご本人や家族、同居人などによるご利用が判明した場合、当該請求については、ご本人にご請求させていただくものとなります。

出典:カード不正利用(不正使用)発生時の補償について|クレジットカードの三井住友カード

結婚などで苗字が変わったにも関わらず、届け出をしないのは、この中の、「4.会員が本条第4項(届出事項の変更)の義務を怠った場合」に該当するのです。

teacher
万が一の時は自己責任、ということになってしまうため、忘れずに連絡しておきましょう!

名義変更をした場合、個人信用情報はどうなる?

名義変更をした場合、個人信用情報はどうなる?
man
実は独身時代に、ちょっと浪費気味だったんです……個人信用情報って、彼女に見られちゃうんですかね?
teacher
基本的には見られることはないですよ。奥様が苗字変わるとのことなので、苗字が変わった場合の個人信用情報の扱いもお話ししておきましょうか。

基本的に引き継がれる

クレジットカード、各種ローンの支払い状況を含む個人信用情報は、結婚などで苗字が変わった場合も、引き継がれます。例えば、旧姓でクレジットカードを使っていたときに異動情報(金融事故)が登録され、その後苗字が変わった場合も、一定期間が経過するまでは、登録されたままです。

teacher
「苗字が変わったからリセット」というわけではないのでご注意を!

結婚相手に個人信用情報を知られる可能性は?

なお、

  • 法定代理人
  • 任意代理人
  • 死亡した場合の遺族

を除いて、本人以外の第三者が個人信用情報を照会することは、プライバシー保護の観点から、できないことになってます。

つまり、

  • 年齢が若すぎる、病気などで判断ができない人の代わり
  • 誰かから正式に頼まれたから代わる
  • 亡くなった家族の代わり

など、ごく一部の例外を除き、誰であっても、他人の個人信用情報を見ることはできないのです。

このような決まりがあるため、自分から言い出さない限りは、家族に個人信用情報が知られることはありません。

個人信用情報については、この記事でも詳しく説明しています!

家族カードの利用も検討しよう

家族カードの利用も検討しよう

結婚して一緒に暮らしだすタイミングで、家族カードを作るのもおすすめです。

  • どちらかが結婚退職をする場合
  • 結婚後も共働きする場合

のどちらでも、メリットがあります。

結婚退職をする予定なら必須

仮に、夫婦のいずれかが、結婚退職をする場合、退職後にクレジットカードを新規で作るのは、やや難しくなります。収入がなくなる以上、審査に通らない可能性も上がるためです。

働き続ける方の人の名義のクレジットカードに、家族カードを追加する形の方が、審査に通る確率は上がります。あくまで、クレジットカード会社は働き続ける人の信用情報に基づき、クレジットカード交付の可否を判断するからです。

共働きでもメリットがある

一方、結婚後も夫婦ともども働き続ける場合も、家族カードを作ることにはメリットがあります。どちらかの名義で家計用の銀行口座を作り、その銀行口座に紐づけたクレジットカードを発行することで、支出を一元管理できるからです。

  • 2人の共通の支出は家計用のクレジットカードから出す
  • 個人の支出は自分のクレジットカードから出す

ように、クレジットカードの使い方に一定のルールを設けておきましょう。

また、最近では、クレジットカードの利用明細をデータとして取り込める家計簿サービスも増えてきました。

簡単な設定を済ませるだけで、データを自動的に取り込んでくれるので、面倒くさくありません。

家族カードについては、この記事でも詳しく説明しています!

まとめ

結婚等で苗字が変わった場合、クレジットカードの名義変更はなるべく早く行いましょう。支払いができない、不正利用の原因になるなど、名義変更が遅れることによるデメリットが多すぎるためです。

しかし、結婚式前後は、やることがとにかく多くて慌ててしまう人もきっといるでしょう。クレジットカードの名義変更も含め、やることをリストアップした上で、1つ1つ着実に進めていきましょう。


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