クレジットカードの署名はまだ必要?店頭のサインは2025年3月31日で原則廃止、裏面の署名欄は今も必須

廃止された店頭でのサインと、今も必要なカード裏面の署名を左右に並べたアイキャッチ

レジでカードを渡し、伝票にサインをする。長くそれが当たり前でしたが、いまは求められません。JCBは「2025年3月31日をもって、サイン(署名)による本人確認は原則廃止されました」と公式に案内しています。いっぽうで、カード裏面の署名欄に名前を書くことは今も求められています。この2つは別の話です。この記事では、どちらが無くなり、どちらが残ったのかを、カード会社と業界団体の公表内容で切り分けます。掲載内容は2026年9月30日時点のものです。

先に結論

  • 店頭でのサインによる本人確認は、2025年3月31日をもって原則廃止されました。以後は暗証番号の入力が原則です。
  • ただしJCBは「店舗の判断により、サインによる本人確認を行う場合があります」と注記しています。完全になくなったわけではありません。
  • カード裏面の署名欄への署名は今も必要です。日本クレジット協会は「サイン欄がある場合は、必ずサインをしましょう」としています。
  • 署名欄が印刷されていないカードもあります。JCBは「カード裏面に署名欄がない場合、サインは不要です」と案内しています。
  • 署名の字体に決まりはありません。日本クレジット協会は「漢字でも仮名でもローマ字でも構いません」としています。
  • 暗証番号もサインも不要になる場合がありますが、その条件は不正防止の観点から公表されていないとJCBは書いています。

店頭のサインは2025年3月31日で原則廃止された

JCBのよくあるご質問に、この変更がそのまま書かれています。「カード利用時にサイン(署名)ではなく暗証番号が必要と言われました。なぜですか。」という質問への回答です。

ICチップ付きクレジットカードの安全性を高めるため、2025年3月31日をもって、サイン(署名)による本人確認は原則(※)廃止されました。そのため、店頭でカードを利用する際は、暗証番号の入力が必要となります。
※店舗の判断により、サインによる本人確認を行う場合があります。

根拠も明示されています。JCBは「クレジット取引セキュリティ対策協議会が定める『クレジットカード・セキュリティガイドライン』での方針変更に基づく対応です」としています。個社の判断ではなく、業界の枠組みでの変更です。

日本クレジット協会も、暗証番号の認知度を上げるためのシンボルマークとデザインを公開しており、その使用目的として「IC取引では暗証番号の入力が必要であること、及び、サイン取引を希望したカード会員や一般消費者に対して、クレジットカードの利用には暗証番号が必要である旨の周知・啓発」を掲げています。サインを希望する人がまだいることを前提にした周知活動です。

JCBのよくあるご質問でサインによる本人確認が原則廃止されたと説明しているページの画面キャプチャ
JCB よくあるご質問「カード利用時にサイン(署名)ではなく暗証番号が必要と言われました。なぜですか。」2025年3月31日をもって原則廃止と記載されている(2026年9月30日確認)

JCBは、暗証番号もサインも不要になる場合があることにも触れています。「決済方法・金額等の条件によって、暗証番号やサインによる本人確認が不要な場合もあります。具体的な条件は、不正防止の観点から公表されていません」。

いくらまでなら暗証番号なしで通るのかを調べても、公式の数字は出てきません。公表されない前提の情報なので、断定的に書いている解説を見かけたら出典を確かめてください。

裏面の署名は残っている。むしろ必須

店頭のサインが廃止されたことで「もうカードにサインしなくていい」と受け取る人がいますが、これは別の話です。日本クレジット協会は、カード券面の説明のなかで署名欄を⑤として挙げ、「サイン欄がある場合は、必ずサインをしましょう」と書いています。

同協会はさらに具体的に説明しています。

サイン(署名)欄の無いカードを発行しているクレジットカード会社があります。サイン欄があるカードが発行された場合は、サインをしてください。字体や書体に決まりはありませんので、漢字でも仮名でもローマ字(大文字・小文字・ブロック体・筆記体)でも構いません。カード名義人自身が署名してください。

図1|2つの「サイン」を分けて考える

店頭でのサイン(伝票への署名)

2025年3月31日をもって原則廃止。

以後は暗証番号の入力が原則。店舗の判断でサインを求められる場合はある。

カード裏面の署名欄への署名

今も必要。署名欄があるカードは必ず署名する。

字体の決まりはない。名義人自身が書く。署名欄がないカードは不要。

JCBは裏面の署名欄について、個人カードは「ご本人様のお名前を記入ください」、法人カードは「券面に刻印されている個人名を記入ください」と案内しています。法人カードは会社名ではなく、券面に刻印された使用者本人の名前です。そのうえで「※カード裏面に署名欄がない場合、サインは不要です」と付け加えています。

JCBのよくあるご質問でカード裏面の署名欄について説明しているページの画面キャプチャ
JCB よくあるご質問「カード裏面の署名欄について教えてください。」個人カードと法人カードで書く名前が違うことと、署名欄がない場合の扱いが記載されている(2026年9月30日確認)

券面から情報が消えていくなかで、署名欄も減っている

裏面に署名欄がないカードが増えているのは、券面から情報を減らす流れの一部です。日本クレジット協会はこう説明しています。「クレジットカードの種類によっては、カードの表面にカード番号等の情報を表示していない場合があります。シンプルなデザインもありますが、レジなどでカードを差し込む際に盗み見されないようにするためです」。

表1|日本クレジット協会が挙げるカード券面の項目
項目 内容 いまの扱い
①会員番号(カード番号) 14〜16桁の番号 券面に表示しないカードがある
②有効期限 月/年(下2桁)で表記 券面またはアプリで確認
③会員名 カード会員の氏名をローマ字で表記 本人以外は利用できない
④国際ブランドマーク 同じマークが表示された世界の加盟店で使える 券面に表示
⑤サイン欄 署名する欄 ある場合は必ずサインする
⑥セキュリティコード 磁気ストライプには記録されていない3桁のコード 表面に4桁で記載されているカードもある
⑦クレジット会社の連絡先 もしものときの連絡先 控えておく

券面に何も書かれていないカードや、そもそもプラスチックのカードを発行しないカードもあります。同協会は「クレジットカード自体を発行せずに、スマートフォン等のアプリなどをカードの代わりに使うクレジットカード機能もあります。プラスティック製のカードがなくてもクレジット取引・三者間契約に(法律上も)該当することに変わりはありません」としています。

日本クレジット協会のクレジットカードの券面についてのページの画面キャプチャ
日本クレジット協会「クレジットカードの券面について」。サイン欄がある場合は必ずサインをすることや、券面に情報を表示しないカードについて説明されている(2026年9月30日確認)

いま店頭で困らないためにやっておくこと

店頭でサインが使えなくなった以上、暗証番号を思い出せないと支払いができません。順番に確かめておきます。

図2|サイン廃止後に確認しておく4つ

  1. ①暗証番号を把握する/分からない場合はカード会社の会員サイトや所定の手続で確認する。JCBは個人カード・法人カードそれぞれの確認方法を案内している。
  2. ②裏面に署名欄があるか見る/あれば名義人本人が署名する。字体の決まりはない。欄がないカードは署名不要。
  3. ③法人カードは券面の個人名を書く/会社名ではない。JCBは「券面に刻印されている個人名を記入」と案内している。
  4. ④暗証番号の入力回数に注意する/複数回間違えるとカードが使えなくなる場合がある。取り扱いはカード会社ごとに異なる。

暗証番号を店頭で入力する機会が増えるぶん、周囲から見られないようにする配慮も必要になります。タッチ決済であれば一定の条件下で暗証番号の入力を求められないことがありますが、その条件は公表されていません。

カードが通らなかったとき、原因がカード側なのか店側なのかの切り分けは決済代行会社の破産で起きたことが参考になります。利用の記録をこまめに見る習慣については利用通知が来ない理由で扱っています。

クレジットカードの署名についてよくある質問

お店でサインを求められたのですが、廃止されたのではないですか。
原則廃止ですが、例外があります。JCBは「店舗の判断により、サインによる本人確認を行う場合があります」と注記しています。求められた場合は応じることになります。
カードの裏面にサインをしなくてもよくなりましたか。
なっていません。日本クレジット協会は「サイン欄がある場合は、必ずサインをしましょう」としています。店頭でのサインの廃止とは別の話です。ただし署名欄が印刷されていないカードもあり、その場合はJCBが「カード裏面に署名欄がない場合、サインは不要です」と案内しています。
裏面の署名は漢字とローマ字のどちらで書きますか。
どちらでも構いません。日本クレジット協会は「字体や書体に決まりはありませんので、漢字でも仮名でもローマ字(大文字・小文字・ブロック体・筆記体)でも構いません」としています。ただし「カード名義人自身が署名してください」とされています。
法人カードの裏面には会社名を書くのですか。
違います。JCBは法人カードについて「券面に刻印されている個人名を記入ください」と案内しています。カードを使う本人の名前です。
いくらまでなら暗証番号なしで支払えますか。
公表されていません。JCBは「決済方法・金額等の条件によって、暗証番号やサインによる本人確認が不要な場合もあります。具体的な条件は、不正防止の観点から公表されていません」と書いています。金額の目安を示している解説を見かけても、出典を確かめてください。
なぜサインをやめて暗証番号にしたのですか。
JCBは「ICチップ付きクレジットカードの安全性を高めるため」とし、「クレジット取引セキュリティ対策協議会が定める『クレジットカード・セキュリティガイドライン』での方針変更に基づく対応です」と説明しています。

この記事で確認した一次情報


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