公共料金を払う方法の1つに「郵送されてくる払込取扱票をコンビニに持っていき、レジで支払いをする」があります。この場合、支払方法として使えるのは現金のみであるコンビニ(例:ローソン、ミニストップ)がある一方で、自社が運営する決済アプリや電子マネーを利用することで、間接的にクレジットカード払いができるとしているコンビニ(例:ファミリーマート、セブン-イレブン)もあります。
非常に便利なのは確かですが、やり方や注意点を知っておかないと、結果として損することにもなりかねません。そこで今回の記事では「公共料金をコンビニでクレジットカード払いするやり方と注意点」について、詳しく解説しましょう。
公共料金をクレジットカード払いできるコンビニとそのやり方は?
2020年5月現在、公共料金を払込取扱票およびクレジットカードを利用して、支払うことができるコンビニはファミリーマートとセブン-イレブンの2チェーンです。具体的な方法について、解説しましょう。
ファミリーマート
ファミリーマートの場合は、同社の公式決済用アプリ「ファミペイ」と公式クレジットカードである「ファミマTカード」を使います。
ファミマTカード
カード分類 一般カード
国際ブランド JCB
申込方法 -
発行スピード 通常2週間
年会費(税込) 0円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) -
ポイント還元率(下限) 0.50%
ポイント還元率(上限) 1.50%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=0.5マイル、500ポイント以上500ポイント単位)
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ iD利用、楽天Edy
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
ショッピング保険/国内利用(最大) -
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
セブン-イレブン
セブン-イレブンの場合は、セブンアンドアイホールディングスの電子マネー「nanaco」と公式クレジットカードである「セブンカード・プラス」を使います。
セブンカード・プラス
カード分類 一般カード
国際ブランド JCB
申込方法 -
発行スピード 通常2~3週間
年会費(税込) 0円
年会費備考 ※2019/7/1以降に新規入会された方が対象
※2019/7/1より前に会員になられた方は2020年1月10日(金)お支払い分より無料
ショッピング総利用枠(上限) -
ポイント還元率(下限) 0.50%
ポイント還元率(上限) 1.00%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=0.5マイル)
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ -
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
ショッピング保険/国内利用(最大) 100万円
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
92%(11/12) 37万円 20万円 10.2日 3.7
公共料金をコンビニでクレジットカード払いする際の注意点
ここで、公共料金をコンビニでクレジットカード払いする際の注意点について解説しましょう。以下の5点について解説します。
- 公共料金での支払い分に関してはポイントが付かないことがある
- 事業者、自治体によっては支払いを受け付けていないことがある
- ポイント還元率が高くないクレジットカードしか使えない
- 実際にコンビニに行かないといけない
- サービス自体を終了することもあり得る
1.公共料金の支払い分に関してはポイントが付かないことがある
ファミリーマートで利用できるファミペイも、セブン-イレブンで利用できるnanacoも、本来は利用すれば利用額に応じたポイントが付与されるサービスです。しかし、公共料金の支払い分に関しては、この限りではありません。
ファミリーマートの場合
ファミリーマートの場合、公共料金の支払いについては、以下の4パターンが考えられます。
- ファミペイで支払いができ、Fami Payボーナス還元(Fami Payの残高に充当できるポイント)が付与される
- ファミペイで支払いはできるが、Fami Payボーナス還元が受けられない
- ファミリーマートでの現金払いはできるが、ファミペイが使えない
- ファミリーマートでの支払い自体ができない
自分が支払おうとしている公共料金の払込取扱票が「ファミリーマートでの現金払いはできるが、ファミペイが使えない」「ファミリーマートでの支払い自体ができない」ものだった場合は、ポイントを受け取るどころか、クレジットカードでの支払い自体ができません。
nanacoの場合
本来、nanacoにクレジットカードでチャージした場合は
- チャージをした時点
- チャージ済のnanacoで支払った時点
の2段階に分けてポイント(nanacoポイント)が貯まります。
しかし、公共料金の支払いに関しては「チャージ済のnanacoで支払った時点」で付与されるはずのポイントがありません。利用規約において「ポイントが付与されない」と定められているためです。
セブン‐イレブンでのポイント対象外商品/サービス
セブンネットショッピング以外のインターネットショッピング・公共料金の代理受領、切手、はがき、印紙、年賀状、クオカード、テレホンカード、ビール券・酒クーポン券、アイチューンズカード、プリペイド携帯カード、タバコ、映画券・前売り券、地域指定ゴミ袋、ゴミ処理券、スキーリフト券など
出典:ポイント対象商品/対象外商品|電子マネー nanaco 【公式サイト】
2.事業者、自治体によっては支払いを受け付けていないことがある
一口に公共料金といっても、支払い先になる事業者や自治体によって、どのような手段での支払いを受け付けているかはさまざまです。今回紹介した方法は、ファミリーマートやセブン-イレブンで扱いがある収納代行業者を利用している事業者や自治体であれば利用できる可能性が高いでしょう。しかし、扱いがない収納代行業者を利用していた場合、この方法自体が利用できません。
コンビニに行く前に確認しよう
実際にコンビニに行き、レジで払込取扱票を出した時点で「ここのコンビニでは支払いができない」ということに気づくのは、時間の無駄です。そのためにも、実際にコンビニに行く前に、扱いがあるかどうかを確認しましょう。最も簡単な方法は、それぞれのカスタマーセンターに連絡して調べてもらうことです。
セブン-イレブン(nanaco)の場合
0570-071-555(ナビダイヤル)
0422-71-2266(固定電話)
※ 24時間年中無休
ファミリーマート(ファミペイ)の場合
0570-099-899(ナビダイヤル)
092-235-4544(固定電話)
※ 内容によって受付時間が違うので注意
ファミペイ(アプリ)・ポイントに関する問い合わせ:9:00~21:00(年中無休)
FamiPay(電子マネー)に関する問い合わせ:24時間(年中無休)
3.ポイント還元率が高くないクレジットカードしか使えない
一般的に、クレジットカードのポイント還元率は0.5%~1.0%程度と言われています。つまり、1.0%を超えるようなら、だいぶ高いということです。しかし、今回紹介した方法を用いて、コンビニで公共料金をクレジットカード払いする方法は、ポイント還元率の面から見てあまりお得ではありません。
ファミマTカードの場合
最初に、ファミマTカードの場合について説明しましょう。ファミマTカードの場合、利用額200円(税込)につき1ポイント(Tポイント)貯まります。1ポイント=1円として考えると、ポイント還元率は0.5%ということです。クレジットカードとしてのポイント還元率は、高いとは言えないでしょう。もちろん、このポイント還元率はファミマTカードをファミペイの支払元にしていた場合でも変わりません。
なお、ファミペイで払込取扱票の支払を行う場合、発行元によってはFami Payボーナス(Fami Payの残高に充当できるポイント)が付与されます。しかし、常に付与されるわけでもないので注意しましょう。
セブンカード・プラスの場合
次に、セブンカード・プラスの場合について解説しましょう。ファミマTカードの場合、利用額200円(税込)につき1ポイント(nanacoポイント)貯まります。1ポイント=1円として考えると、ポイント還元率は0.5%ということです。クレジットカードとしてのポイント還元率は、高いとは言えないでしょう。
さらに注意すべきなのが「チャージ済みのnanacoで公共料金を払ったとしても、nanacoでの支払いによるポイントが付かないケースもある」ことです。
図にもあるように、本来は、セブンカード・プラスでnanacoにチャージし、チャージ済のnanacoで支払った場合
- クレジットチャージによるポイント:利用額の0.5%
- チャージ済みのnanacoでの支払いによるポイント:利用額の0.5%
が付与されます。しかし、公共料金や税金については、後者の「チャージ済みのnanacoでの支払いによるポイント」が付与されないのです。
ポイント還元率を重視するならクレジットカード払いをしよう
結局のところ、ポイント還元率を重視するなら、コンビニに払込取扱票を持っていくのではなく、最初からクレジットカード払いにしてしまう方が楽でしょう。年会費が無料であっても、ポイント還元率が1.0%を超えるクレジットカードはちゃんとあります。例えば、Delight JACCS CARDは業界でも最高水準の1.25%ものポイント還元率を誇ることで有名です。
REX CARD(レックスカード)
カード分類 一般カード
国際ブランド VISA、Mastercard®
申込方法 -
発行スピード 通常3週間
年会費(税込) 0円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) 200万円
ポイント還元率(下限) 1.25%
ポイント還元率(上限) 1.50%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=0.2マイル、1,500ポイント単位、交換上限なし、交換手数料無料)
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ 楽天Edy、nanaco
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 2,000万円(自動付帯:2,000万円)
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 1,000万円
ショッピング保険/国内利用(最大) -
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
100%(3/3) 37万円 33万円 14.0日 4.3
電子マネーや決済用アプリと組み合わせるのではなく、クレジットカードのみで支払いを行いたいという人なら、1枚持っておくと便利でしょう。
4.実際にコンビニに行かないといけない
家に届いた払込取扱票を使って公共料金を払うためには、実際にコンビニに行かないといけません。一見、何でもないようなことですが、思わぬ落とし穴が隠れていることに注意しましょう。
うっかりしていると忘れるリスクもあるので要注意
その人の性格や普段の行動パターンにも左右される部分がありますが、払込取扱票を持ってコンビニに行くのは、支払期限内であればいつでも構いません。逆に「まだ支払期限が来ていないから大丈夫だろう」と先延ばしにしてしまうことは十分にあり得ます。
しかし、問題になるのは支払期限が過ぎてしまってからのことです。原則として、払込取扱票は所定の支払期限を過ぎてしまうと、利用できなくなってしまいます。そのため、払込取扱票を発行している事業者や自治体に連絡して、指示を仰がないといけないのです。本来は期限通りに払うのが当然である以上、期限に遅れた場合は、なんらかのペナルティがあると考えましょう。
ペナルティとして一般的なのは「遅延損害金」や「延滞利息」です。具体的にいくら支払いをすることになるのかは、事業者や自治体によって異なるので、確認しましょう。また、延滞を頻繁に繰り返す場合、サービスの停止も含めた厳しい措置が下ることもあり得ます。
5.サービス自体を終了することもあり得る
今回紹介した方法はいずれも「コンビニの運営会社(もしくは関連会社)が運営する電子マネー、決済アプリを利用して、公共料金の支払いを行う」方法です。確かに便利な方法ではありますが、運営会社の経営判断により、サービス自体を終了することがあり得る点に注意しましょう。
WAONとイオンカードの組み合わせ技は既に利用できない
かつては、大手スーパー・イオンの傘下にあるコンビニ・ミニストップでも、イオングループの電子マネー「WAON」とクレジットカード「イオンカード」を組み合わせて、公共料金の支払いを行うということができました。つまり
- WAONにイオンカードを使ってチャージする
- チャージ済のWAONを使って公共料金の支払いをする
ということです。利用額200円(税込)につき2ポイントが付与されるので、ポイントを効率的に稼げる方法であるということで人気でした。
しかし、イオンは、2019年11月17日をもって、ミニストップでのWAONによる払込取扱票の支払いの受付を終了しています。
出典:ミニストップにおける「電子マネーWAON」での収納代行サービスのお取り扱い終了について | 電子マネー WAON [ワオン] 公式サイト
SNSのTwitterでも、WAONによる収納代行サービスの利用ができなくなったことに関しては、反響が相次いでいました。
収納代行とポイントの関係とは
イオンはミニストップでのWAONによる収納代行サービスの利用停止について、公式には理由を発表していません。しかし、理由の1つとして考えられるのが「収納代行での利用について、ポイントを付与することの是非」でしょう。
収納代行の本来の意味は「他の事業者に対する支払いを代わりに受け付ける」ことです。そのため、収納代行をコンビニが引き受けることで、コンビニは収納代行業者から手数料を手に入れることができます。これは、コンビニ(を運営する会社)にとって、重要な収益の1つです。
しかし、収納代行業者を利用した支払いについてもポイントを付与してしまうと。実質的な値引きをしていることになってしまいます。その他の経費も考え、赤字になってしまう恐れが高いと判断した場合は
- ポイントの付与をやめる
- サービスの取扱い自体を終了する
など、赤字が膨らまないための経営判断を行うのもやむを得ません。
利用者にとって不利になる変更はnanacoでも行われていた
WAONのように、公共料金の払込取扱票への支払への利用自体は取りやめにはなっていないものの、セキュリティ対策や経営判断で、結果として利用者にとって不利になる変更を繰り返しているのがnanacoです。
まず、2019年9月19日からは、クレジットカードからnanacoへのチャージができる回数に制限が加わりました。
- 1日3回→1日1回
- 1か月15回→1か月10回
- 1日のチャージ上限額は30,000円(変更なし)
- 1か月のチャージ上限額は200,000円(変更なし)
そして、チャージに利用できるクレジットカードについても、制限が加わりました。従来は、結婚式場情報誌「ゼクシィ」やレストラン予約サイト「ホットペッパー」を運営するリクルートが発行している「リクルートカード」が使えたのです。
リクルートカード
カード分類 一般カード
国際ブランド VISA、Mastercard®、JCB
申込方法 Web申込み
発行スピード -
年会費(税込) 0円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) -
ポイント還元率(下限) 1.20%
ポイント還元率(上限) 3.20%
交換可能マイル -
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ 楽天Edy、Suica
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 2,000万円
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 2,000万円
ショッピング保険/国内利用(最大) 200万円
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
80%(4/5) 46万円 4万円 8.2日 3.8
利用額の1.2%のポイントが付与されることから「ポイントが貯めやすいクレジットカード」として注目されていましたが、2020年3月12日からは、nanacoでリクルートカードへのチャージはできなくなりました。
クレジットカードでの電子マネーや決済アプリへのチャージや、公共料金の支払の扱いについては、クレジットカード会社やコンビニを運営する会社の経営判断によっていくらでも扱いが変わることはあり得ます。特に、ポイント付与は実質的な値引きとしての性質も有しているため、会社の経営状態が悪化した場合、ポイント還元率自体を引き裂けたり、ポイント還元の条件を厳しくしたりすることは十分考えられるでしょう。