「ポイントの貯まりやすいクレジットカード」の1つとして、根強い人気を誇る楽天カード。楽天市場や楽天トラベル、楽天モバイルなど同一グループで提供するサービスと組み合合わせると、さらにポイント還元率が上がるのも、人気の理由の1つです。
しかし「その日のうちに受け取りたい」という人にとっては、楽天カードはおすすめできません。公式ホームページには「お届けには1週間~10日かかります」と記載されているように、即日発行をしてもらうことができないクレジットカードだからです。
そこで今回の記事では
- 楽天カードが即日発行できない理由
- 楽天カードを最短で受け取るための工夫
の2つに分けて、ポイントを解説します。
楽天カードが即日発行できない理由
最初に、楽天カードが即日発行できない理由について考えてみましょう。
対面で受け取れるカウンターを有していない
結論から言うと
です。クレジットカードを申し込んでから、実際に手元に届くまでの流れは、大まかに言うと次のようになります。
↓
フォームや書類の内容をもとに審査を行う
↓
発行が決定する
↓
クレジットカード本体の加工をする
↓
加工されたクレジットカードと添付書類をまとめ、郵送できるようにする
↓
郵便局や運送業者に引き渡す
↓
実際に配送される
一見、文字に表すとなんでもないような流れに思えるかもしれません。しかも、現在のクレジットカード業界においては、スコアリングによる審査を行うのが主流になっています。これは、クレジットカードを申し込んだ人から提出された情報を点数化し、一定の基準を満たして入れば合格とする手法の1つです。そのため、特殊な事情がない限りは審査に時間はかからないのです。
しかし、実際は様々な部署や業者をまたいで手続きをこなさないといけないため、1日や2日で終わるようなことでもないのがわかるでしょう。即日発行が可能なクレジットカードは、商業施設の中に専用カウンターを設けたり、自動契約機で手続きができるようにしたりして、郵便局や宅配業者に依頼し、届けてもらうプロセスを省いています。だから、申し込んだその日のうちに受け取る=即日発行をしてもらうことが可能になるのです。
2020年4月現在、楽天カードの即日発行を受けられる専用カウンターは存在しません。今後、扱いがどうなるかは楽天の経営判断にもよるので断言できませんが、専用カウンターを設置すると人件費や賃貸料がかかるので、コストの面からも設置する可能性は低いでしょう。
届くには7~10日かかる
公式ホームページによれば、楽天カードが届くまでには、1週間から10日かかります。受け取りまでの流れは、以下の通りです。
また、上の図にもあるように、クレジットカードが届く予定日は、事前にメールで通知があります。カードの発送状態も確認できるので、メールが届き次第確認してみましょう。
トラブルがあるともっと遅れることも
ただし、1週間から10日という数字は、あくまで「何もトラブルがなかった場合」の数字です。
- 本人確認や在籍確認の電話に出なかった
- 書類やフォームの記載事項に不備があった
- キャッシング枠を付けていたので審査に時間がかかった
など、一見何でもないような理由で遅れてしまうことはいくらでもありえます。自分に原因がない理由で遅れてしまうのは仕方がありませんが、自分でできることはやっておいた方が、スムーズに受け取れるのは言うまでもありません。
楽天カードを最短で受け取るための工夫とは?
では、楽天カードをスムーズに受け取るために、どんな工夫をすればいいのでしょうか。自分でできる工夫として、次の6つを解説しましょう。
- 必要な予定がわかり次第すぐに手続きする
- 希望する利用限度額は少な目にしておく
- キャッシング枠は0円にする
- 申し込みフォームの記入に注意する
- 本人確認、在籍確認の電話には必ず対応する
- 郵便物はすぐに受け取れるようにしておく
1.必要な予定がわかり次第すぐに手続きする
楽天カードを早く手に入れたいなら、必要な予定がわかり次第すぐに手続きを始めるのをお勧めします。
申し込み自体は24時間オンラインで可能
楽天カードの申し込み受け付けは、現状オンラインでのみ承っています。こちらから、まずは申し込み画面にアクセスしましょう。
楽天カード
カード分類 一般カード
国際ブランド VISA、Mastercard®、JCB、AMEX(アメックス)
申込方法 -
発行スピード 通常1週間
年会費(税込) 0円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) 100万円
ポイント還元率(下限) 1.00%
ポイント還元率(上限) 3.00%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=0.5マイル、50ポイント以上2ポイント単位)
JALマイル(1ポイント=0.5マイル、50ポイント以上2ポイント単位、月間交換上限20,000ポイント)
ETCカード年会費(税込) 550円
電子マネーチャージ 楽天Edy(オートチャージ可)
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 2,000万円
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
ショッピング保険/国内利用(最大) -
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
94%(483/512) 66万円 20万円 9.5日 4.2
申し込みフォームに移るので、画面の指示に従い、必要事項を入力していってください。
ここで重要になるのが「フォームに入力できる時間」と「審査に対応してくれる時間」です。フォームへの入力=申し込み手続き自体は、24時間できます。しかし、審査が行われるのは毎日9時~21時であるため、21時以降に入力した場合、審査を受けられるのは最短でも翌日の9時以降になる計算です。
決して、深夜や早朝に入力したからといって、すぐに審査が受けられるわけではありません。それでも、入力しておけばその分早く審査に回してもらえるのも事実なので、必要になる予定がわかり次第、すぐに手続きを始めましょう。
2.希望する利用限度額は少な目にしておく
楽天カードを含め、クレジットカードの審査に関しては、希望する利用限度額を少な目にしておいた方が、審査に通りやすい傾向があります。なぜ、このような傾向があるのか、理由を説明しましょう。
理由がなければ30万円以下がおすすめ
クレジットカード会社は様々な法律に基づき、クレジットカードの発行をはじめとするサービスの提供を行っています。そのうちの1つが、割賦販売法です。
割賦販売法では、クレジットカードを利用する人=消費者が過重な支払に陥ることがないように、その人の状況にあった支払可能見込額に基づき、利用可能限度額を設定するよう義務付けられています(過剰与信防止義務)。
しかし、利便性を図るという意味で、消費者の利益を害する可能性が低い一定の場合においては、簡単な手続きでクレジットカードを発行することも認められています。そのうちの1つに、利用限度額30万円以下のクレジットカードも含まれるのです。
海外旅行や引っ越し、結婚式の場合は発行後に連絡しよう
また、割賦販売法では、一定期間だけ、特定の目的(海外旅行、引越費用、冠婚葬祭など)のため、消費者の求めに応じて限度額を増額する場合は、目的・使用場所を確認することで、与信審査なしに限度額を増額することも認められています。そのため
- 海外旅行に行くときのサブカードにしたい
- 引っ越しの予定があるので家具や家電をまとめ買いしたい
- 結婚式の費用の支払いに充てるつもりだ
など、まとまった出費のために楽天カードを使いたい場合は、発行してもらった後に、コールセンターに連絡してみましょう。
3.キャッシング枠は0円にする
審査にかかる時間を節約するという意味では、キャッシング枠を0円にしておくのも効果的です。
キャッシング枠を希望すると審査に時間がかかる理由
割賦販売法以外にも、クレジットカード会社が商品やサービスを提供するにあたって守るべき法律はたくさんあります。そのうちの1つが貸金業法です。
楽天カードに限らず、クレジットカードでのキャッシング枠を希望した場合は、割賦販売法に基づく審査だけでなく、貸金業法に基づく審査も必要になります。つまり、審査項目が増えてしまうため、審査にも時間がかかることから、発行までの時間も後ろ倒しになってしまうのです。
貸金業法では、多重債務を防止するために、クレジットカードのキャッシング枠や消費者金融のカードローンなどを利用する際には、返済能力の調査を義務付けています。また、希望するキャッシングの利用限度額が50万円を超える場合には源泉徴収票など、収入を証明する書類を提出しなくてはいけません。
4.申し込みフォームの記入に注意する
何も楽天カードに限ったことではありませんが、クレジットカードを申し込む時は、フォームや書類の記入には、十分気を付けましょう。
正確に、間違いがないように書く
申し込みフォームを記入する際は、焦らず、落ち着いて書きましょう。結果として、正確に、間違いがなく書けるはずです。また
- 年収
- 今の家の居住年数
など、細かい数字が必要になる項目は、必ず確認してから書きましょう。
埋められる項目は全部埋める
申し込みフォームには「必須=必ず書かなくてはいけない項目」と「任意=書いても書かなくてもいい項目」が設けられています。しかし、実際は任意の項目であっても、埋められる限りは全部埋めておく方がいいでしょう。
クレジットカード会社が手に入れられる、申し込みをしてきた人の情報は
- フォームや書類などに記載された情報
- (あれば)源泉徴収票や確定申告書の写しなどの収入に関する書類
- 個人信用情報
- (あれば)自社およびグループ会社との取引の状況
のみです。その中で「この人にクレジットカードを発行して大丈夫か」を判断することになります。クレジットカード会社の立場からすると「申し込みをしてきた人に関する情報」が多い方が、審査もやりやすくなるはずです。
無職、フリーターの場合は書き方に気を付ける
審査に通る上で気を付けるべき点として「職業をどうやって書くか」が挙げられます。会社勤めをしている人なら、雇用形態に応じて「正社員」「契約社員」「派遣社員」と書いておけば大丈夫です。また、専業主婦や学生であれば、その事実を書いた上で、配偶者や親権者に関する情報をしっかり書いておけばいいでしょう。
逆に、問題になるのが無職、フリーターの人の場合です。もし、近々アルバイトを始める予定であれば、内定をもらった時点で書いてしまって構いません。また、実は在宅ワークをしているということであれば「自営業」と書いていいでしょう。
5.本人確認、在籍確認の電話には必ず対応する
楽天カードを申し込んだ際、審査の状況によっては本人確認や職場への在籍確認の電話がかかってくる場合もあります。この電話には、必ず対応しましょう。
万が一出られなければ折り返す
もちろん、電話がかかってきた時に仕事をしていた、他に手が離せない用事があったなどの理由で、電話に出られない場合もあるはずです。そのような場合でも、状況が落ち着き次第すぐに折り返しかけなおしたほうがいいのは言うまでもありません。
職場の人にも一言話しておく
楽天カードの場合、職場への在籍確認の電話は、個人名で行われることが公式ホームページ上で明らかにされています。つまり、担当者の名前が「山田(さん)」だった場合は、「山田(さん)」と名乗って電話がかかってくるということです。在籍確認の電話は「本人が実際にそこで働いていること」を確認するためのものなので、必ずしも本人がでる必要はありません。
それでも、知らない人から電話がかかってくるという事実に戸惑いを覚える人もいるはずなので、周囲の人には「クレジットカードを申し込んだから、在籍確認の電話がかかってくるかもしれません」と一言話しておくといいでしょう。
6.郵便物はすぐに受け取れるようにしておく
楽天カードは郵送(日本郵便)もしくは宅急便(佐川急便)で届きます。すぐに受け取れるようにしておくために、重要になるのが本人確認書類です。
本人確認書類も必ず用意しておく
2020年4月1日から、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」が施行されたため、クレジットカードを受け取る際は「顔写真がついた本人確認書類」の提示が必要になりました。
楽天カードの場合、配送業者に応じて以下のものが本人確認書類として利用できるようになっています。
配送方法 | 受取先 | 本人確認資料について |
---|---|---|
日本郵便株式会社 本人限定郵便 (特定事項伝達型) |
郵便局より到着通知書が届き次第、以下のいずれかで受け取る。 ・自宅への配送 ・郵便窓口での手続き |
以下のものが利用可能。 いずれか1点(※) ・旅券(パスポート) ・在留カード ・特別永住者証明書 ・外国人登録証明書(在留の資格が特別永住者のものに限る。) ・運転免許証 ・個人番号カード(個人番号カードとみなされる写真付き住民基本台帳カードを含む。) ・官公庁がその職員に対して発行した身分証明書で写真付きのもの ・運転経歴証明書(交付年月日が平成24年4月1日以降のものに限る。) ・小型船舶操縦免許証 ・身体障害者手帳(写真付きのものに限る。) ・精神障害者保健福祉手帳(写真付きのものに限る。) ・療育手帳(写真付きのものに限る。) ・離島住民割引運賃カード(沖縄県内の市町村が発行するもので写真付きのものに限る。) |
佐川急便株式会社 受取人確認サポート |
自宅へ配送される。 | ・運転免許証 ・パスポート(日本政府発行) ・マイナンバーカード ・在留カード ・特別永住者証明書 |
審査に通らなかった場合の対策も考えよう
楽天カードは比較的審査に通りやすいカードと言われてはいますが、100%審査に通るわけではありません。仮に、審査に通らなかった場合、それまでの労力が無駄になってしまう上に、しはらく新しいクレジットカードにも申し込めないので、注意しましょう。ここでは
- 審査に通らない可能性が高いケース
- 早めにクレジットカードを手に入れたい場合にやるべきこと
を解説しましょう。
審査に通らない可能性が高いケースとは
大前提として、個人信用情報に異動情報が登録されているし=ブラックリストに載っている状態では、楽天カードに限らずどんなクレジットカードであっても審査には通りません。
一方、個人信用情報に異動情報が登録されていないにも関わらず、審査に通らない可能性があるケースとしては、以下のことが考えられます。
- 以前、楽天市場や楽天トラベルなど、楽天グループが提供する別のサービスでトラブルを起こした
- 個人信用情報に登録されるほどではないが、延滞・滞納をしょっちゅうしている
楽天カードに限らず、クレジットカード会社は審査基準や審査の過程を公表しているわけではありません。そのため、実際に審査がどのように行われ、どんなアクシデントがあると通らないのかは、未知数の部分が多々あります。
また、早めにクレジットカードを手に入れたいのであれば、楽天カードにこだわらず、即日発行できて、しかも審査の基準が楽天カードより緩いカードに申し込むのもの1つの手段です。