クレジットカードは「利用額を一度クレジットカード会社が立て替える」という仕組みであるため、利用するためには審査を受けなければいけません。
この審査で、クレジットカード会社が申し込みをした人の支払能力を見極め、その結果に基づいてクレジットカード発行の可否が判断されるのです。
そこで今回の記事では
- 学生がクレジットカードの審査に落ちる理由
- それぞれの理由に応じた対策
について、解説しましょう。
学生がクレジットカードの審査に落ちる理由とは?
学生がクレジットカードの審査に落ちる理由は
- 本人に問題がある
- 親権者に問題がある
の2つに大きく分けられます。
本人に問題がある場合
本人に問題がある場合の具体例として
- 申込条件を満たしていなかった
- 短期間に次々と申し込んだ
- スマホの分割払い、クレジットカードの支払いを延滞・滞納した
- 申込書に嘘を書いた
- 本人確認の電話をとれなかった
- 必要な書類を提出しなかった
などが挙げられます。
親権者に問題がある場合
一方、親権者に問題がある場合の具体例として
- 親がブラックリスト入りしていた
- 親の同意が得られない
- 世帯年収が少ない
などが挙げられます。
本人に問題がある場合の理由と対策
本人に問題がある場合の理由と対策について、詳しく解説しましょう。
1.申込条件を満たしていなかった
クレジットカードの中には
- 満20歳以上
- 満30歳以上で、本人に継続安定した収入のある方
- 〇〇大学の卒業生限定
など、特定の申込条件が設けられているものがあります。当然ながら、この申込条件を満たさないのに申し込んでも、審査には通りません。
【対策】説明をしっかり読んでから申し込む
これは極めて初歩的なミスなので、対策も非常に簡単です。クレジットカード会社の公式ホームページには、発行しているクレジットカードについての商品説明が掲載されています。申込条件を中心に、説明をしっかり読んでから手続きしましょう。
2.短期間に次々と申し込んだ
「申込ブラック」という言葉があります。
クレジットカードに新しく申し込みをした場合、その履歴は半年間、個人信用情報に登録されます。クレジットカード申込の履歴が個人信用情報から消えていない状態で次々と他のクレジットカードに申し込むと、クレジットカード会社の担当者からは「この人はお金に困っているのでは?」という疑念を抱かせかねません。
【対策】時間をあけて申し込む
一般的には、半年に2枚程度までなら大丈夫でも、3枚を超えると厳しいといわれています。
自分にとって使いやすく、必要なクレジットカードを吟味した上で、時間をあけて申込しましょう。
3.スマホの分割払い、クレジットカードの支払いを延滞・滞納した
- スマホの分割払い
- クレジットカードの支払い
- 毎月の奨学金の返済
- 保証会社を使って借りたアパートの家賃
など、毎月支払わなくてはいけないものを延滞・滞納した場合は要注意です。これらはすべて、お金の貸し借りに関わる契約=金銭貸借契約に当たるため、長期(目安としては2カ月)に渡り延滞・滞納すると、個人信用情報に異動情報として登録されてしまいます。
個人信用情報に異動情報が登録されてしまうと、新規にクレジットカードを発行することもできないので、注意しましょう。
【対策1】まずは個人信用情報を確認しよう
もし、思い当たる節があるなら、自分の個人信用情報を確認してみましょう。確認する手続きは、インターネット経由で簡単に行えます。
【対策2】デビットカードやデポジット型クレジットカードも検討しよう
個人信用情報を照会した結果、異動情報が登録されていた場合は、クレジットカードは作れません。異動情報が登録されていても、一定期間経過すれば抹消されますが、その間に使える方法を考えましょう。
おすすめなのは、デビットカード・デポジット型クレジットカード・プリペイドカードなど、申込にあたって支払能力に関する審査を必要としないカードです。
デビットカードとは
クレジットカードの加盟店=使えるお店で支払いに使うと、その場で銀行口座から利用額が引き落とされる仕組みです。
デポジット型クレジットカードとは
保証金を差し入れることで、支払能力に関する審査が不要になる仕組みです。
プリペイドカードとは
プリペイドカードの中には、国際ブランドが付帯しているものもあります。そのようなカードであれば、クレジットカードが使える店舗でも、クレジットカードと同じように支払いに使えるのです。
4.申込書に嘘を書いた
クレジットカードを申し込む際は
- 紙の申込書に自分で記入する
- オンライン上のフォームに入力する
方法のいずれかで、手続きを行います。しかし
- バイトをしていないのに嘘の勤務先を書いた
- 年収がないのに数字を買い入れた
など、嘘を書いた場合、審査に通らない可能性が高まります。
【対策】細かい数字は随時確認すること
もちろん、自分では嘘をついているつもりはなくても、実際の数字とは違うことを書いてしまったのが原因で、審査に落ちることもありえます。普段はあまり意識しない
- 世帯年収
- 現在の家への居住年数
などの細かい数字は、その都度確認しましょう。
【参考】誤字・脱字にも気を付けよう
特に、紙の申込書に手書きで記入する場合に気を付けるべきこととして、誤字・脱字が挙げられます。きれいな文字で書けるならそれに越したことはありませんが、難しい場合はせめてゆっくり、丁寧に書きましょう。
5.本人確認の電話をとれなかった
クレジットカード会社によっては、申込にあたって本人確認の電話を行うこともあります。担当者から電話がかかってくるので、必ず出ましょう。
【対策】連絡がない場合は自分からかけなおす
クレジットカードを申し込んだにも関わらず、連絡がない場合は、クレジットカード会社に問い合わせてみましょう。問い合わせの結果、電話の行き違いがあったとわかった場合は、その場で本人確認をするなどの対応をしてくれます。
6.必要な書類を提出しなかった
クレジットカードを申し込む際は、本人確認書類を提出する必要があります。提出がなかったという理由で審査に落ちることももちろんあるのです。
【対策】どんな書類なら認められるか確認すること
書類の不備で審査に落ちるのを防ぐためには、どんな書類なら認められるかを確認し、確実に用意するようにしましょう。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート
- 健康保険証
- 住民票または印鑑登録証明書
などは、多くのクレジットカード会社で本人確認書類として採用されています。
親に問題がある場合の理由と対策
一方、本人に何ら問題がなくても、親に問題がある場合も、クレジットカードの審査には通りません。ここでは、考えられる理由を3つ紹介しましょう。
1.親がブラックリスト入りしていた
クレジットカードを申し込んだ人が未成年で学生だった場合、クレジットカード会社は親権者=親の支払能力についてもチェックします。実態はどうであれ、学生は「継続安定した収入がない」ものとして扱われるためです。
このような事情があるため、親がブラックリスト入りしていた=親の個人信用情報に異動情報が登録されていた場合、クレジットカードの審査に通るのも難しいと考えましょう。
【対策1】社会人になってから申し込む
最も効果的なのは、成人し、社会人になってから改めてクレジットカードに申し込むことです。成人している=20歳以上であれば、親=親権者の同意もいらないし、社会人であれば継続安定した収入も得られます。
【対策2】親に個人信用情報の照会をしてもらう
たとえ、親がブラックリスト入りをしていたとしても、子どもはその事実を確かめることはできません。個人信用情報は、クレジットカードの利用履歴など個人のプライバシーに深くかかわる情報が盛り込まれています。そのような事情に鑑み、家族であっても、特殊な事情がない限りは本人以外からの個人信用情報の照会は受け付けていません。
言い出しにくいことかもしれませんが、親本人に個人信用情報の照会をしてもらいましょう。
2.親の同意が得られない
親の個人信用情報に何ら問題がなくても、同意が得られないためにクレジットカードの審査に落ちるケースもあります。
未成年の場合、クレジットカードの申込にあたっては、親権者の同意が必要です。しかし、同意が得られなければ、手続きを進めることはできないので、審査にも通りません。
【対策1】建設的に交渉に臨む
この状況を打破するためには、まずは建設的に交渉に臨みましょう。
- なぜ、クレジットカードを作りたいのか
- 利用した金額はどうやって支払うのか
- そのほか、何に注意するか
などを整理してから伝えてください。同時に、親に「なぜクレジットカードに反対するのか」聞いてみましょう。
【対策2】20歳になるまで待つ
親の回答次第では
- 家族カードを作る
- 学校で紹介しているクレジットカードを申し込む
などの解決策が見つかるかもしれません。しかし、残念ながら見つからなかった場合は、20歳になるまで待ちましょう。
また、学生のうちにクレジットカードを作れそうにない場合は、社会人になった時点ですぐに作りましょう。
ある程度の年齢(目安は30歳前後)になってもクレジットカードの利用履歴=クレジットヒストリー(クレヒス)がない場合、その後からクレジットカードを作るのが非常に難しくなるためです。
クレジットヒストリーがないと、個人信用情報には何も記載されません。この状態=スーパーホワイトは、一見すると「個人信用情報に過去に異動情報が登録されていた=ブラックリストに載っていた」のと見分けがつかないため、審査も厳しくなります。
なんかちらほら、22歳にもなってクレカ持ってない友人とかが散見されるけど、ご家庭の意向とかかな?? うちの親も超クレカ反対派やったけど普通に作ったし、作っておくべき
— ななかっけい。 (@w7he) December 30, 2018
3.世帯年収が少ない
親がブラックリスト入りしていなかったとしても、世帯年収が少ないことが原因で、クレジットカードの審査に落ちることがあります。
親のクレジットカードが給料が安いせいで使えなくなるらしい。そうなっちゃったらもう通販できなくなるんじゃ・・・い、嫌だ!
— 奴 (@fellowsifon) August 22, 2010
【対策】クレジットカードの選び方を考える
個人信用情報に問題がないなら、クレジットカードの選び方次第で審査に通ることは十分にあります。審査に通りやすいクレジットカードを見極めるポイントをいくつか紹介しましょう。
1.年会費は無料のものを選ぶ
年会費の金額は、付帯するサービスの質・量とほぼ比例します。
2.提携カードを選ぶ
クレジットカードを「誰が発行しているか」で大きくわけると、以下の2つに分かれます。
- プロパーカード:国際ブランドを運営する会社が自ら発行するカード
- 提携カード:国際ブランドを運営する会社と外部の企業が提携して発行するカード
提携カードは「その企業のサービスを利用する人の囲い込み」という意味もあるので、プロパーカードに比べると、審査に通りやすいといわれています。
3.主婦、学生、年金受給者の扱いを確認する
世帯年収が低くても申し込めるかを判断する尺度として、主婦、学生、年金受給者からの申込を受け付けているかどうかを確認するといいでしょう。
- 主婦や学生:継続して安定した収入がない
- 年金受給者:継続して安定した収入ではあるが、金額は高いとは言えない
ためです。