複数枚、ゴールドカードも含めたクレジットカードを持っていると、よく使うカードとそうでないカードの差はどうしても生じてくるものです。年会費が気にならず、自分で管理できそうなら別に持っていても構いません。
しかし、年会費を節約したかったり、何か他の理由でクレジットカードの枚数自体を減らしたりしたければ、思い切って解約するのも1つの手段でしょう。特に、ゴールドカードは年会費が高い場合が多いので、1枚解約するだけでも、年会費の節約には役立ちます。そこで今回の記事では、ゴールドカードの解約を検討すべきタイミングと解約する際の7つの注意点について解説します。
ゴールドカードの解約を検討すべきタイミングとは
そもそも、ゴールドカードの解約を検討すべきタイミングとは、具体的にはいつを指すのでしょうか。1つの基準になるのが「旅行・出張に行く機会がなくなったとき」です。
飛行機で旅行・出張に行く機会がなくなったとき
多くのゴールドカードに特典として付帯しているのが
- 国内空港ラウンジの利用券
- 荷物の宅配など、海外旅行・出張の出発・帰国時のサービス
- 海外旅行傷害保険
など、旅行や出張で飛行機を利用する機会に関連した特典です。裏を返せば、なんらかの事情で飛行機に乗る機会がほとんどなくなってしまったら、これらの特典は利用できません。利用できない特典に毎年安くはない年会費を払うのは、確かに無駄でしょう。
ポイントアップなどの特典があれば無理に解約する必要もない
もちろん、ゴールドカードに付帯しているのは「飛行機に乗ること」が前提の特典ばかりではありません。一般カードに比べてポイント還元率が高いなどの特典があれば、普段の買い物でも効率よくポイントが貯められるというメリットがあります。例えば、JALカードの場合、一般カードのマイル付与率は利用額200円につき1マイルです。
しかし、ゴールドカードに相当する「CLUB-A ゴールドカード」であれば、マイル付与率が利用額100円につき1マイルになります。
JALカード CLUB-Aゴールドカード
カード分類 | ゴールドカード |
国際ブランド | VISA、Mastercard®、JCB |
申込方法 | - |
発行スピード | 通常4週間 |
年会費(税込) | 17,600円 |
年会費備考 | - |
ショッピング総利用枠(上限) | 200万円 |
ポイント還元率(下限) | 1.00% |
ポイント還元率(上限) | 2.00% |
交換可能マイル | JALマイル |
ETCカード年会費(税込) | 0円 |
電子マネーチャージ | 楽天Edy、WAON(オートチャージ可) |
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) | 5,000万円(自動付帯:5,000万円) |
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) | 5,000万円(自動付帯:5,000万円) |
ショッピング保険/国内利用(最大) | 300万円 |
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率 審査通過/申込者数 | ショッピング 限度額平均 | キャッシング 限度額平均 | カード発行 までの日数平均 | 対応 満足度 |
---|---|---|---|---|
100%(2/2) | 55万円 | 12.0日 | 3.5 |
3.年会費が負担なら節約できる方法を考えよう
ゴールドカードの解約を検討した理由が「年会費を節約したい」であった場合は、年会費が格安・無料のゴールドカードに切り替えるのも1つの選択肢になるでしょう。
数こそ少ないですが、年会費無料や格安(2,000円台くらいまで)のゴールドカードは確かに存在します。年会費が安い分、国内空港ラウンジの利用に制限があったり、海外旅行傷害保険の保障内容が手薄だったりという欠点はありますが「ゴールドカードのサービスはたまに使えればいい」という人なら、問題はないはずです。
また、ちょっと特殊な年会費無料のゴールドカードとして、イオンゴールドカードがあります。これは、大手スーパー・イオンのハウスカードであるイオンカードの年間利用額が100万円以上に到達した会員に対し、招待状が送られてくる形で発行されるものです。一般カードに相当するイオンカードは年会費無料のクレジットカードとして知られていますが、ゴールドカードに相当するイオンゴールドカードに切り替わったとしても、年会費は無料のままです。
イオンカード(WAON一体型)
カード分類 一般カード
国際ブランド VISA、Mastercard®、JCB
申込方法 -
発行スピード 即日発行
即時(最短5分)発行受付時間:~21:30まで
年会費(税込) 0円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) 50万円
ポイント還元率(下限) 0.50%
ポイント還元率(上限) 1.33%
交換可能マイル JALマイル(1ポイント=0.5マイル、1,000ポイント以上500ポイント単位)
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ iD利用、WAON(オートチャージ可)
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
ショッピング保険/国内利用(最大) 50万円
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
ゴールドカードを解約する際の7つの注意点
次に、ゴールドカードを解約する際の注意点について考えてみましょう。ここでは、以下の7点について解説します。
- ポイント還元率アップによるメリットがなかったか
- 貯まっているポイントは使いきれそうか
- 毎月の公共料金の支払いに使っていなかったか
- 追加カードの利用をしていなったか
- 残債はあるか
- 年会費の引き落としはいつだったか
- ゴールドカードに加入して半年以上経っているか
1.ポイント還元率アップによるメリットがなかったか
ゴールドカードのメリットは、何も飛行機を利用した旅行に限りません。地上で利用できる特典により受けられるメリットもたくさんあるのです。例えば、同じ会社から発行されている同じ種類のクレジットカードであっても、一般カードに相当するものとゴールドカードに相当するものでは、ポイント還元率がまったく違うというのは往々にしてあります。
実際に比べてみよう
例えば、国内大手のクレジットカード会社、クレディセゾンがアメリカン・エキスプレスと提携して発行している次の2つのカードについて、ポイント還元率を比較してみましょう。
- セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カード
- セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カード
カード分類 一般カード
国際ブランド AMEX(アメックス)
申込方法 -
発行スピード 最短3営業日
年会費(税込) 3,300円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) 150万円
ポイント還元率(下限) 0.50%
ポイント還元率(上限) 1.00%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=3マイル、交換上限なし、交換手数料無料)
JALマイル(1ポイント=2.5マイル、交換上限なし、交換手数料無料)
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ iD利用、QUICPay利用、楽天Edy
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 3,000万円
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 3,000万円
ショッピング保険/国内利用(最大) 100万円
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
100%(1/1) 100万円 30万円 3.0日 3.0
セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード
カード分類 ゴールドカード
国際ブランド AMEX(アメックス)
申込方法 -
発行スピード 最短3営業日
年会費(税込) 11,000円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) 300万円
ポイント還元率(下限) 0.75%
ポイント還元率(上限) 1.00%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=3マイル、交換上限なし、交換手数料無料)
JALマイル(1ポイント=2.5マイル、交換上限なし、交換手数料無料)
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ iD利用、QUICPay利用、楽天Edy
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 5,000万円
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 5,000万円
ショッピング保険/国内利用(最大) 200万円
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
100%(2/2) 75万円 20万円 12.0日 4.5
カードの種類/利用場所 | 国内 | 海外 |
---|---|---|
セゾンブルー・アメリカン・エキスプレス・カード | 利用額1,000円に対して1ポイント(永久不滅ポイント) | 利用額1,000円に対して2ポイント(永久不滅ポイント) |
セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード | 利用額1,000円に対して1.5ポイント(永久不滅ポイント) | 利用額1,000円に対して2ポイント(永久不滅ポイント) |
上の表からもわかるように、ゴールドカードであるだけで、ポイント還元率がまったく違うというのは往々にしてあるのです。同じように買い物をしたとしても、ポイントが貯まっていく速度が全く違うので、この点だけでもゴールドカードを使い続けるメリットはあるでしょう。
2.貯まっているポイントは使いきれそうか
ゴールドカードも含め、クレジットカードを解約する際に気を付けるべきなのが「貯まっているポイントの扱い」です。一般的に、クレジットカード会社のポイントは、会員資格を喪失した=解約した場合は、失効してしまいます。使い切ってしまっていたなら気にする必要はありませんが、残高があった場合は
- 共通ポイントやマイルに交換する
- 具体的な商品に交換する
- キャッシュバックを受ける
- 提携している慈善団体に寄附をする
など、なんらかの形で使い切りましょう。
手元に届いてから解約しよう
また、ポイントを具体的な商品に交換したり、別の共通ポイントやマイルに交換したりする場合に気を付けてほしいのが「解約するタイミング」です。万が一の行き違いを防ぐためにも、解約するタイミングは、自分が商品や共通ポイント、マイルを受け取ったのを確認した後にしましょう。
3.毎月の公共料金の支払いに使っていなかったか
ゴールドカードに限らず、使っていたクレジットカードを解約する際に気を付けてほしいのが、毎月の公共料金の支払いに使っていた場合の扱いです。支払元として利用していたゴールドカードを解約してしまうと、公共料金の支払いも止まってしまいます。
請求が切り替わるタイミングを確認しよう
また、公共料金の支払元を切り替える際に注意したいのが「いつの支払い分から、支払元が切り替わるのか」というタイミングです。解約したゴールドカードに対して請求が行われていたにも関わらず、その支払元になっている銀行口座にお金がなかった場合、支払いが滞ってしまいます。請求が切り替わるタイミングを確認するとともに、銀行口座に現金が不足することがないようにしてください。
4.追加カードの利用をしていなったか
解約しようとしているゴールドカードそのもの以外にも、ETCカードや家族カードを利用していた場合、解約した後も考えて慎重な対応をすることが求められます。
ETCカードを使っていた場合
高速道路などの有料道路を利用する場合、ETCカードは必須です。解約しようとしているゴールドカードを親カードにしたETCカードを使っていた場合、ゴールドカードを実際に解約した時点でそのETCカードも使えなくなってしまいます。既に他のクレジットカードを親カードとするETCカードが手元にあるなら、それを代わりに使えば実害はありません。しかし、他のクレジットカードを親カードとするETCカードがないなら
- 既に使っている他のクレジットカードを発行しているクレジットカード会社に連絡して追加発行してもらう
- 新しくクレジットカードを作り、ETCカードも追加発行してもらう
などの行動を起こすのが必要になります。なお、解約しようとするゴールドカードを支払元にした家族の分もETCカードも発行してもらっていたなら、それも全部使えなくなるので、解約のタイミングには注意してください。
家族カードを使っていた場合
ETCカードと同じくらい注意が必要なのが、解約しようとするゴールドカードに家族カードを追加していた場合です。親カードとなるゴールドカードを解約してしまうと、その時点で家族カードも利用できなくなります。家族の了解が得られるかどうかはもちろんのこと、解約した後、別のクレジットカードで家族カードを使うのかについても、下調べをしておきましょう。特に、家族の中に専業主婦や学生など、継続安定した収入がないために、クレジットカードの審査に単独では通りにくい人がいた場合は、注意してください。
5.残債はあるか
ゴールドカードも含めて、クレジットカードを解約する際に気を付けてほしいのが、残債の有無と扱いです。残債とは、支払いが終わっていない金額を指します。一括払いはもちろん、分割払い、リボ払い、ボーナス併用払いなどの残高も含まれるので、抜け漏れがないようチェックしましょう。
そして、残債の扱いについてですが「ゴールドカードを解約する際は、すべての利用分を一括返済する」という決まりを設けているクレジットカード会社が多いです。しかし、残債の金額によっては、一括返済が難しいケースも考えられます。
6.年会費の引き落としはいつだったか
ゴールドカードも含めて、クレジットカードの年会費は1度支払うと、返してもらうことはできません。このことを考えると、年会費を払ってからそれほど時間が経っていない場合は、次の年会費の引き落としのタイミングまで待って解約してもいいでしょう。
年会費の引き落としのタイミングを調べるには
- クレジットカード会社の公式ホームページを見る
- クレジットカード会社の会員専用ページから調べる
- クレジットカード会社のコールセンターに連絡して調べてもらう
などが自分でできる方法として考えられます。
カード有効期限月 | カード年会費お支払い月 カード有効期限月の3か月後の10日(※1) |
カード年会費適用期間 カード有効期限月の翌月~1年間 |
---|---|---|
xxxx年1月 | 4月10日 | 2月1日~翌年1月31日 |
xxxx年2月 | 5月10日 | 3月1日~翌年2月28日(※2) |
xxxx年3月 | 6月10日 | 4月1日~翌年3月31日 |
xxxx年4月 | 7月10日 | 5月1日~翌年4月30日 |
xxxx年5月 | 8月10日 | 6月1日~翌年5月31日 |
xxxx年6月 | 9月10日 | 7月1日~翌年6月30日 |
xxxx年7月 | 10月10日 | 8月1日~翌年7月31日 |
xxxx年8月 | 11月10日 | 9月1日~翌年8月31日 |
xxxx年9月 | 12月10日 | 10月1日~翌年9月30日 |
xxxx年10月 | 翌年1月10日 | 11月1日~翌年10月31日 |
xxxx年11月 | 翌年2月10日 | 12月1日~翌年11月30日 |
xxxx年12月 | 翌年3月10日 | 翌年1月1日~12月31日 |
※1:10日が休業日の場合は翌営業日
※2:うるう年の場合は29日まで
出典:カード年会費支払月・適用期間早見表 | クレジットカードのお申し込みなら、JCBカード
7.ゴールドカードに加入して半年以上経っているか
加入していたゴールドカードそのものや、クレジットカード会社の担当者などに大きな不満があったなど、相応の事情がない限りは、新規加入していから半年以内に解約するのは、できれば止めておきましょう。
クレジットカード会社にとっての「招かれざる客」とは
なぜ、止めておいたほうがいいのかは、クレジットカード会社の立場になって物事を考えたほうが理由がわかりやすいです。クレジットカード会社の収益源を大きく3つに分けると
- 加盟店から徴収する加盟店手数料
- 会員の利用に伴って発生する決済手数料
- キャッシング、リボ払いなどを会員が利用することによって生じる利息手数料
の3つです。このうち、加盟店手数料以外の2つは、会員がクレジットカードを利用すればするほど、右肩上がりに増えていきます。つまり、クレジットカード会社にとっては「自社のクレジットカードを持っていて、しかも長く使い続けてくれる人」が最も歓迎すべき客になるのです。
このような事情があるため、クレジットカード会社は入会してすぐに解約していた会員を「入会特典のみを目的としている」とみなし、それ以降の審査を厳しめにするのが現状です。