社会人になると、研修があったり、仕事に慣れたりしなければいけない関係で、しばらくは落ち着かないかもしれません。その中で、日々の生活を整えていかないといけないので「やったほうがいいこと」と「やらないほうがいいこと」をきっちりと分けましょう。
そこで問題になるのが「社会人になったらクレジットカードを作るべきか、作るならいつにすべきか」ということです。学生のうちにクレジットカードを使わなかった人なら、社会人になったのをきっかけに作ろうとも考えるかもしれません。
今回の記事では「社会人になったらクレジットカードを作るべきか、作るならいつにすべきか」という疑問を、様々な側面から解説していきましょう。
新社会人がクレジットカードを作るべきタイミングは?
最初に、新社会人がクレジットカードを作るべきタイミングは、いつなのかを考えてみましょう。
社会人としての申し込みは入社日からできる
クレジットカードを申し込む際に使う書類やフォームには、必ず職業について書く欄があります。社会人になると、ここに「会社員(公務員などの場合もある)」と書くことになりますが、こうやって書くこと自体は、入社日を迎えていれば可能です。入社日から、その会社・機関の社員・職員としての地位を獲得するからです。
ちなみに、入社日は、職場に提出した内定宣誓書(もしくはそれに準ずる書類)に書いてあります。新卒での入社であれば、毎年4月1日からがほとんどですが、会社・組織によっては扱いが異なる場合もあるので、確認しましょう。
法律上は、いつまで学生として扱われる?
大学、短期大学、専門学校の卒業式は、3月上旬から下旬にかけて、順次行われます。卒業式が終わったら、特別な用事がある場合を除いて学校に行くことは基本的にありません。しかし、卒業式から入社式まで日がある場合、その間の身分はどうなるのでしょうか?
小学校をはじめとした学校の運営に関する法律に、学校教育法および学校教育法施行規則があります。
そして、学校教育法施行規則には、このような条文があるのです。
学校教育法施行規則
第五十九条 小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
この条文は、小学校だけでなく、中学校・高校にも同様に適用されます。大学や短期大学、専門学校に関しては、この条文は適用されませんが、高校までと同じように、学年が毎年4月1日から始まって、3月31日に終わると決めている学校がほとんどです。
そのため、卒業式が終わってから、その年の3月31日を迎えるまでに、在学中であれば退学の理由になるほどのトラブル(例:重大な犯罪を犯して逮捕された)を起こした場合、卒業を取り消した上で、退学・除籍を行うなどの厳しい処分が下されることもあります。
結論は「落ち着いたころ」
社会人としてクレジットカードを申し込むことは、入社式の日を迎えたらすぐにでもできます。しかし、実際のところは「落ち着いたころ=試用期間が終わったころ」にしたほうがいい、というのが答えです。
新社会人だからというだけで不利になるわけではない
いくら社会人であっても、新社会人のころであれば、給料はかなり低いのがほとんどです。しかし、それでも新社会人はクレジットカードの審査において有利であるといわれています。
学生時代にクレジットカードやローン、奨学金の返済でトラブルを起こしたことがあるなどの事情がなければ、審査に通ることがほとんどでしょう。
試用期間後に本採用にならないケースもあるので注意
しかし、新社会人には別の意味で注意すべきことがあります。入社式を迎えて働き始めても、試用期間が終わってから本採用にならない場合もあるためです。
具体的な期間は会社や組織によっても差はありますが、入社から3~6カ月間は、試用期間として扱われています。この間に、社員と会社が互いの状況を見極め、問題がないようであれば本採用に至る仕組みです。
しかし、本採用に至らない場合ももちろんあります。新入社員の側からすれば、働いていくうちに違和感を覚えたら当然、試用期間が終わり次第、次の働き口を探すことは可能です。一方で、会社の側から本採用の見送りを言い渡すことも可能です。
いずれにしても、本採用が見送りになった場合、次の職場が見つかるまでは給料も入ってこないので、安定継続した収入がない状態になります。安定継続した収入がないことは、クレジットカードの審査においてかなり不利なのが事実です。
ベストなのは学生のうちから準備すること
詳しくは後述しますが、学生のうちでもまとまったお金を出さなくてはいけないことはたくさんあります。就職活動を始めてから入社式の間までは、買い揃えなくてはいけないものや交通費などの出費もかさみますし、人によっては卒業旅行に行くことだってあるはずです。
さらに、新社会人になってからすぐはクレジットカードを作れないことを考えると、学生のうちから、1枚でもいいのでクレジットカードを作った方がいいでしょう。特に、これまでの学生生活でクレジットカードを使ってこなかった人は、注意が必要です。
内定していれば企業名を申込書に書ける
なお、学校の卒業が近づいてからクレジットカードを申し込む場合でも、卒業式が終わった月の月末を迎えるまでは、身分はあくまで学生です。しかし、クレジットカードを申し込む際に、勤務先として内定先の企業名を書いても構いません。
学生のうちにクレジットカードを作っておくメリット・デメリット
ここで、学生のうちにクレジットカードを作っておくのに、どんなメリットとデメリットがあるのかを考えてみましょう。
メリット
まず、メリットとして挙げられるのは、次の2点です。
- 審査に通りやすい
- 就職活動、引っ越しの費用を賄える
それぞれについて、詳しく解説しましょう。
1.審査に通りやすい
近年、クレジットカード会社が力を入れているのが、学生を顧客として獲得することです。現状、日本は18歳以上にならないと、クレジットカードが作れません。つまり、高校を卒業して大学生や短大生、専門学校生になったタイミングが、クレジットカードデビューを飾るタイミングでもあるのです。
クレジットカードを含め、商品やサービスを選ぶ基準に「買い替え・交換の必要が生じた場合、前に使ったことがある会社のものを選ぶ」を掲げている人は、少なくないはずです。
また、学生の場合、クレジットカードの利用分が何らかの理由で支払えなくなったとしても、親権者(=家族)に十分な支払能力があれば、回収できる見込みは十分にあると考えるクレジットカード会社がほとんどでしょう。もちろん、個々の家庭によって事情はありますが、学費を出すなど経済的な援助をしている家庭もまだまだ多いはずだからです。
2.就職活動、引っ越しの費用を賄える
学生であっても、まとまった出費をしなくてはいけない場面は確かにあります。その最もわかりやすい例が、就職活動や引っ越しです。
最近では、地方での企業説明会やオンライン面談を取り入れる会社も増えてきました。それでも、最終面接は大都市(東京、大阪、名古屋など)にある本社で行うとしている会社がほとんどでしょう。地方に住んでいる学生にとっては、企業説明会や面接に向かうために、宿泊を伴う移動はやはり避けられません。また、就職活動をするために、スーツやカバン、女性の場合は化粧品など、買い揃えないといけないものはたくさんあります。
もちろん、無事内定をとれたとしても、自宅や学生時代に住んでいたところの近くに配属されるとは限りません、人によっては、まったく関係ない場所にある店舗や事業所で働くことになる場合もあるでしょう。そうなると、引っ越しをするためにまたお金がかかります。
デメリット
一方、デメリットとしては次の3つが挙げられます。
- 申し込めるカードの選択肢は狭い
- 限度額も低めになりがち
- 家庭環境次第では申し込めないケースもある
1.申し込めるカードの選択肢は狭い
クレジットカードには、ステータス=会員ランクがあります。一般→ゴールド→プラチナ→ブラックという分類がされていますが、上にいけばいくほど、付帯サービスが充実する代わりに、年会費と審査難易度が上がっていく仕組みです。
そして、ゴールド以上のカードであれば、ほぼすべて「安定継続した収入があること=仕事をしていて、収入が定期的にある」ことが、申し込む上での最低条件になっています。
また、ステータスが一般のカードであっても、申し込む前提として「本人に安定継続した収入があること」を設けている場合は多々あります。やはり、学生のうちは申し込めるカードの種類が少ないのも事実でしょう。
2.限度額も低めになりがち
本来、学生の本分は勉強である以上、安定継続した収入はないというのが一般的な認識です。実際は、実家が裕福だったり、アルバイトに精を出していたり、学生起業をしたりと、自分で自由に使えるお金が多い人もいますが、それでも「学生は自由にお金を使えるわけではない」という前提で社会は動いています。
もちろん、このような前提は、クレジットカードにも反映されています。同じクレジットカードであっても、学生が申し込むのと、ある程度安定継続した収入がありそうな社会人が申し込むのとでは、提示される利用限度額がまったく違うのです。
三井住友カード
カード分類 一般カード
国際ブランド Visa、Mastercard®
申込方法 -
発行スピード 最短3営業日
年会費(税込) 1,375円
年会費備考 ※インターネット入会で初年度年会費無料
※マイ・ペイすリボの登録+年1回以上のリボ払い手数料の支払いで年会費無料
※VISA・MasterCard2枚お申し込みの場合は年会費275円
※カード利用代金WEB明細書サービス利用&過去1年間に6回以上の請求があると年会費550円割引
※年間利用合計額が100万円~300万円未満で年会費半額
※初年度年会費無料(~2023年3月31日申し込み分迄)
※年300万円以上利用で翌年度無料
ショッピング総利用枠(上限) 100万円
ポイント還元率(下限) 0.50%
ポイント還元率(上限) 5.00%
交換可能マイル ANAマイル(5ポイント=3マイル、500ポイント以上500ポイント単位、※ANAカード会員の方の場合)
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・合計金額5万円(税込)以上利用で50ポイント
・合計金額10万円(税込)以上利用で100ポイント
以降5万円ごとに100ポイント付与
ETCカード年会費(税込) 550円
電子マネーチャージ iD(専用)利用、楽天Edy、WAON(オートチャージ可)
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 2,000万円(利用付帯)
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
ショッピング保険/国内利用(最大) 100万円(リボ払い・分割払い(3回以上)の場合のみ)
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
86%(36/42) 36万円 20万円 9.1日 4.1
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限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
86%(36/42) 36万円 20万円 9.1日 4.1
実際にどれだけの利用限度額が提示されるかは、その人が申し込み時に提出した情報にもよるので、一概にいくらとは言えません。しかし、総じて学生の方が、社会人に比べると低いと言い切れます。
3.家庭環境次第では申し込めないケースもある
家庭環境というと少々大げさかもしれませんが、世の中「学生のうちからクレジットカードは早い」「というより、クレジットカードそのものが苦手」と考える人がいるのも確かです。もし、自分の家族(特に親権者=父親、母親)がそのような考えの人だった場合、学生のうちにクレジットカードを申し込むのは結構ハードルが高くなるでしょう。
多くのクレジットカード会社が、20歳以上であったとしても、大学などの学校に在学しているうちは、申し込みにあたり親権者の同意を必須としているのは珍しくありません。
新社会人になってからクレジットカードを作るメリット・デメリット
一方、新社会人になってからクレジットカードを作ることにも、メリットとデメリットがあります。それぞれについて解説しましょう。
メリット
まず、メリットは以下の3点です。
- 申し込めるカードの選択肢が広がる
- 学生の時より限度額が大きくなる
- 家族の目はさほど気にする必要がない
1.申し込めるカードの選択肢が広がる
社会人になれば、安定継続した収入があるという条件を満たせるので、申し込めるクレジットカードも学生の時に比べれば、ずっと選択肢が多くなります。
2.学生の時より限度額が大きくなる
また、安定継続した収入が得られるようになるため、同じクレジットカードを申し込んだとしても、学生の時より利用限度額が高くなるのが一般的です。
3.家族の目はさほど気にする必要がない
もちろん、社会人になれば、学生の時のように、20歳を超えているにも関わらず、親権者の同意が必要になることはあり得ません。自分が内容をしっかり理解しさえすれば、誰の同意も得ないで申し込んで構わないのです。
デメリット
一方、状況次第では審査に通りにくくなるというデメリットもあるのが事実です。どういうことか説明しましょう。
1.審査に通りにくくなる場合がある
そもそも、学生のうちは親権者の同意が必要とされているのは、法律の規定もさることながら「トラブルがあった場合、最終的には親権者が責任の一部を負うことになるから」という社会通念があるためです。
一方、社会人になれば、そのような暗黙の了解は通用しません。何があっても、責任を取るのは自分です。クレジットカードの審査においても、この考え方は当てはまります。働くことになる企業・組織の規模や、具体的な所在地、職種によっては、初任給が極めて低いのは珍しくありません。当然、年収も低くなり、クレジットカードの審査においてマイナスになることもあり得ます。
結局、どういう手順で進めるべき?
新社会人の人がクレジットカードを作る場合、就職活動が始まる少し前から動き始めるのをおすすめします。大まかな流れは次の通りです。
- 学生のうちに1枚クレジットカードを作っておく
- 本採用されたら別のクレジットカードを作る
1.学生のうちに1枚クレジットカードを作っておく
まず、学生のうちに1枚、クレジットカードを作っておきましょう。選び方に決まりはありませんが、自分の性格やライフスタイルにあったものを選ぶと、社会人になっても使い続けられるはずです。
2.本採用されたら別のクレジットカードを作る
次に、入社した会社・組織で働き始め、試用期間が終わり本採用されたら、別のクレジットカードを申し込んでみましょう。選ぶ基準があるとしたら、社会的な信用が得られるかどうかを据えてみるのも1つの選択肢です。
なお、一般的に、クレジットカードを申し込む際は、前回の申し込みから半年間経過してからにしたほうが、審査に通りやすくなります。これは、個人信用情報にクレジットカードを申し込むと、その旨が半年間登録されるためです。
クレジットカード会社の審査担当者の立場からすると、前に行ったクレジットカードの申し込みに関する情報が残っているうちに、次の申し込みをすると「この人はお金に困っているのでは」という疑念を抱きがちになります。