基本的に、20歳以上の人であれば、クレジットカード審査の際にチェックされるのはあくまで本人に関する情報のみです。しかし、主婦(専業主婦もしくは配偶者の扶養に入っている人)の場合、事情はやや異なります。本人に関する情報に加えて、配偶者に関する情報もチェックされるのです。これは、配偶者の収入で生計を立てているからと考えましょう。
そこで今回の記事では、主婦のクレジットカード審査の基準になるポイントについて、解説します。
なお、今回の記事では便宜上
- 外で働いていたり、在宅ワークをしたりしていない、本来の意味での専業主婦(夫)
- 外で働いていたり、在宅ワークをしたりしているが、配偶者の扶養に入っている主婦(夫)
を含む言葉として「主婦」を使っています。
【前提】主婦のクレジットカード審査では何を見られているか
主婦のクレジットカード審査では、具体的にどんなことをチェックされるのかを解説しましょう。
主婦本人に関すること
主婦本人の
- 職業
- 年収
- クレジットヒストリー
- 個人信用情報
がチェックされていると考えましょう。
配偶者に関すること
主婦本人と同様に
- 職業
- 年収
- クレジットヒストリー
- 個人信用情報
がチェックされているのに加え、勤続年数や持ち家の有無、居住年数も併せてチェックされていると考えましょう。
【参考】クレジットカード審査における「3C」とは
これらの情報をチェックするのは、主婦と配偶者を含めた支払能力を見極めるためです。より踏み込んで話すと、クレジットカード審査における「3C」をチェックするためと考えましょう。
Capacity(資力) | 継続して返済を続けるために一定の収入が定期的にあるかという返済能力をみるもの。クレジットカードの審査において最も重要視されている。 |
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Character(性格) | お金に関しての性格、つまり決められた日にきちんと返済できるかどうか等のまじめさと信頼性をみるもの。 |
Capital(資産) | 負債の担保として不動産や車・有価証券・貯蓄があるかをみるもの。 |
クレジットカードの審査においては、これらの3Cに関連する情報を集め、総合的に審査した結果で発行の可否を判断するのです。
審査基準その1.主婦および配偶者の職業
「その人がどんな仕事をしているのか」は、クレジットカード会社にとって
- 収入があるかどうか
- その収入が毎月安定して入ってくるのか
を判断する上で重要な情報になります。当然、クレジットカードの申込をする際は、用紙やフォームに職業を記入する欄が設けられているのです。
【主婦】パートでも仕事をしているなら書くこと
主婦の場合、一切仕事をしていないなら「専業主婦」と書くしかありません。しかし
- 配偶者の扶養範囲内でパート、アルバイトをしている
- クラウドソーシング、在宅ワークである程度収入はある
など「正社員、契約社員、派遣社員ではないが、お小遣い程度は稼いでいる」なら、その事実を書くといいでしょう。
【配偶者】「継続安定」であればあるほど有利
一方、配偶者の職業については
という傾向がみられます。クレジットカード会社にとって、経営上のリスクの1つになるのが「クレジットカード会員から請求額を回収できないこと」です。つまり
- たくさん使ってくれるけどいきなり支払えなくなる人
- それほどたくさん使っているわけではないけど毎月期限通りに支払ってくれる人
とでは、後者の方が好まれます。そのため、職業も「継続して安定した収入がある」職業である方が、審査においては有利になるのです。
継続安定した収入がある職業の例
継続して安定した収入があると判断してもらえる職業の例を挙げてみました。
- 大きな会社(上場企業、もしくはそれに準ずる規模の企業)およびその子会社の正社員
- 国家公務員、地方公務員
- 大学教授・助教授、小中高教諭などの学校の先生(常勤職員)
- 医師、弁護士、税理士、会計士など高度な知識を必要とする専門職
- 存続年数が長い中小企業の経営者
審査基準その2.主婦および配偶者の年収
「どんな職業についているか」も重要ですが「実際にどのぐらい収入があるのか」も、クレジットカード会社にとっては、その人の支払能力を見極める上で大事な情報になります。
【主婦】少しでもあるなら書く方がベター
今回の原稿でも触れましたが、クレジットカードの審査においては「収入が少しでもあるなら書いておいたほうがいい」のは事実です。1年間にどのぐらい収入があるのかを正確に把握できればそれが一番ですが、把握できないならおおよその金額がいくらくらいかを計算しておきましょう。
「無職でもクレジットカードが作れる」
で、お馴染みの楽天カードを作る。
Yahoo!カードは職業欄に「無職」と入力したら即お断りのメールが来たが、楽天カードは「専業主婦(主夫)」「家事手伝い」「無職」と、選び放題で、すぐに手続き完了のメールがきた。
— 早川鹿之助 (@Shikanosuke_H) December 15, 2019
【配偶者】高い方が有利ではある
配偶者の年収については「高い方が有利ではある」ことが指摘できます。年収が高いということは、それだけ日々の生活に回せるお金も多いということです。
もちろん、審査に通りたいがために、実際の年収とかけ離れた金額をフォームや書類に記入するのは絶対にやってはいけません。調査をすれば発覚することがほとんどである上に、クレジットカードが発行された後に発覚した場合は「虚偽の申告」として強制解約も含めた厳しい処分が下ります。
年収が高くても審査に通らないケースとは
一方で、年収が高くても審査に通らないケースがあることにも注意しましょう。より具体的に言うと「継続して安定した収入が入るとは限らない」場合を指します。
- 起業したばかりの自営業者である
- 芸能人、スポーツ選手である
- いわゆる「水商売」である
- 株、FXの取引で生計を立てている(専業トレーダー)
審査基準その3.勤続年数
これは、特に配偶者に関連する情報として扱われますが「今の勤務先に何年勤めているのか」もクレジットカード審査においては重要になります。
転職直後はやはり不利
結論から言うと、転職直後にクレジットカードを申し込んだ場合、審査に落ちるのは十分に考えられるのです。日本の場合、正社員で採用されたとしても、入社日から3か月~6か月間は試用期間として扱われます。試用期間の間に、会社側は「この人に働き続けてもらって大丈夫か」を、社員側は「ここで働き続けて大丈夫か」を判断する期間なのです。試用期間が終了し、会社と社員がお互い合意すれば、正式採用となります。
つまり、試用期間が終了するまでの間は「いつ会社を辞めるかがわからない」状態である以上、継続して安定した収入も得られないと考えられるのです。
審査基準その4.居住形態、年数
「どんな家に、何年住んでいるか」も、その人の生活やお金の使い方を推し量る上で重要な情報になります。詳しく解説しましょう。
最強なのは「持ち家に長年住んでいる」
クレジットカードの申込につかうフォーム、用紙には必ず居住形態、年数を記入する欄が設けられています。ここにどういうことが書けるなら、審査において最も有利になるのでしょうか。結論から言うと
が最も有利になります。理由は次の2つです。
- 住宅ローンが組める、もしくは家を購入できるだけの資金力があるという証明になる
- 長年住んでいる以上、所在をつかみやすい
まとめると「家を購入できるだけの経済力があって、しかも連絡がつきやすい」という意味になります。
賃貸だから通らないわけではない
持ち家に長年住んでいるのが理想ではあるものの、実際は
- いわゆる転勤族であるため、持ち家を購入することが現実的に難しい
- 投資用不動産や株式など資産は持っているが、状況に合った家に住みたいのであえて賃貸に住んでいる
という人もたくさんいます。そして、このような場合でも、クレジットカードの審査に通るのは珍しくありません。
審査基準その5.主婦および配偶者のクレジットヒストリー
クレジットカード会社は、審査においてその人のお金の使い方から、将来にわたってトラブルを起こさないかどうかも判断しようとします。そこで用いられるのがクレジットヒストリーです。
「良いクレヒス」と判断されるためには?
略してクレヒスと呼ばれることもあります。クレジットカード会社に良いクレヒスと判断してもらうためには
- 毎月コンスタントにクレジットカードを使っている
- 使った分は期限通りに支払っている
の2つを満たすのが最も重要です。逆に
- 延滞、滞納が多い
- クレジットカードをほとんど使っていない
場合は、悪いクレヒスと判断されてしまうので、審査において不利になります。
スーパーホワイトには注意
また、2人とも30歳以上の夫婦である場合に注意してほしいのがスーパーホワイトです。
そして、スーパーホワイトの状態だと、クレジットカードの審査において非常に不利になるのです。なぜ不利になるのかを考えるために、スーパーホワイトになる理由から考えてみましょう。理由としては、次の2つが考えられます。
- ただ単に自分でクレジットカードを作り、使う機会がなかっただけである
- 若い時にクレジットカードに関連したトラブルを起こし、一定期間利用を止められていた
前者ならともかく、後者である場合は、クレジットカード会社にとっては「クレジットカードを使ってほしくない人」であるのは間違いありません。しかし、クレヒスを見ただけでは、スーパーホワイトになった理由が、前者と後者のどちらであるのかはわからないのです。
このような事情があるため、スーパーホワイトの状態では、クレジットカードの審査に通りにくくなっています。主婦自身がスーパーホワイトである場合はもちろん、配偶者のみがスーパーホワイトであった場合も、審査には不利になるので十分に注意してください。
実はクレカ持ってないんだよねー旦那に反対されてて( ˊᵕˋ ;)💦歳も歳だし1つくらい持ってないと恥ずかしいような😅
— ねこまた™D☆M (@nekomata0804) December 13, 2019
審査基準その6.主婦および配偶者の個人信用情報
クレジットカードやローンなど「お金の貸し借りを伴う金融サービスの利用」の際に重視されるのが、個人信用情報です。クレジットやローンの契約や申し込みに関する客観的な取引事実を登録されたものと考えましょう。
クレジットカードやローンを申し込んだ場合、申込先の会社の審査担当者が、専用のデータベースにアクセスして情報を入手する仕組みです。
どちらかの個人信用情報に異動情報が登録されていたらアウト
本来、クレジットカードやローンなどを申し込んだ場合は、あくまで審査をする上で重視されるのは「申し込んだ本人の個人信用情報」です。しかし、主婦がクレジットカードを申し込む場合、配偶者の個人信用情報も併せてチェックされます。
つまり、主婦本人の個人信用情報に問題があったり、配偶者の個人信用情報に問題があった場合は、クレジットカードの審査にはまず通りません。個人信用情報に問題があるとは、具体的には「その人の支払能力に重要な疑義を及ぼす事象に関する情報=異動情報」が登録されていると考えましょう。
異動情報が登録されてしまう理由は?
具体的に、どういうことがあれば異動情報が登録されてしまうのか、例を挙げてみましょう。
- 長期間(目安は61日以上)にわたるクレジットカードの支払いの延滞・滞納をしていた
- 利用規約違反などの理由でクレジットカードを強制解約された
- 任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理をした
- 携帯電話端末の分割購入、奨学金の借入などの毎月の返済分を延滞・滞納していた
一度自分自身で確認するのがベスト
個人信用情報に何が書いてあるか自体は、個人信用情報機関への照会を行うことで、簡単に調べられます。
しかし
というように、相手の個人信用情報を確かめたいと思っても、ごく一部の例外を除き、相手の同意を得ずに調べることはできません。一度機会を設けて、自分の個人信用情報を確かめてみるといいでしょう。
3年ほど前だろうか。新婚の友人が住宅展示場で試しにローン組んだら、旦那がブラックリストでしかもそれが旦那親の使い込みで、旦那詰めたらキチな旦那親に責めらて泣きながら電話かかってきて、即新地までタクシー乗らせて自宅で保護して実家までキチ旦那と、その親から友人を引き離したの。
— タケモトタケコ (@takemoto_takeko) November 15, 2017