

Visaと匹敵する国際ブランドとして有名なMastercardも、実はデビットカードを発行しています。しかし、日本国内の銀行では扱っているところが極端に少ないため、あまり知られていません。
この記事では
- Mastercardデビットカードとは
- Mastercardデビットカードのメリット・デメリット
- おすすめのMastercardデビットカード
について解説します。
Mastercardデビットカードとは?
最初に、Mastercardデビットカードについて説明しましょう。
国際ブランドとしてMastercardが付帯している
国内外のMastercardの加盟店=Mastercardが使える店舗で支払いに使えます。
カードの券面に何が書かれているのか、トマト銀行で発行しているMastercardデビットカードの画像を用いて説明しましょう。
表面の記載事項
出典:トマト銀行「トマトMastercard® デビット ご利用ガイド」(2026年9月18日時点で当該ページは404。公式サイトからは参照できません)
表面の記載事項は、以下の通りです。
- コンタクトレス決済のマーク:このマークがついているので、コンタクトレス決済が使えます。
- カード番号:通常のクレジットカードと同様、カード1枚1枚に番号が振られています。
- 有効期限:実際はここに有効期限が「月/年」の形で入ります。
- カード名義人:カード会員の名前が入ります。
- ロゴ:Mastercardのロゴマークです。
裏面の記載事項
出典:トマト銀行「トマトMastercard® デビット ご利用ガイド」(2026年9月18日時点で当該ページは404。公式サイトからは参照できません)
裏面の記載事項は、以下の通りです。
- 署名欄:カードを受取ったら名前を書きましょう。
- セキュリティコード:3桁の数字が用いられています。
Mastercardデビットカードを扱っている銀行一覧
Mastercardのデビットカードを出している日本の銀行は、VisaやJCBに比べると限られます。2026年9月18日時点で、公式サイトで発行を確認できたのは次の2行です。
- ドコモSMTBネット銀行(2026年8月3日まで住信SBIネット銀行)
- 楽天銀行
ドコモSMTBネット銀行は、2026年8月3日に「住信SBIネット銀行」から商号を変更しました。公式の案内には、金融機関コードや支店番号、口座番号に変更はなく、既存のキャッシュカードやデビット機能もそのまま使えると書かれています。他行からの振込先として旧名を指定できるのは2026年10月30日までとされています。
楽天銀行のMastercardデビットは年会費が永年無料で、利用100円ごとに楽天ポイントが1ポイント貯まります。貯まったポイントはデビットの支払いに1ポイント1円として充当できます。
かつてこの記事では、Mastercardデビットの発行はドコモSMTBネット銀行(当時の住信SBIネット銀行)とトマト銀行の2行だけだと書いていました。その後、楽天銀行がMastercardを選べるようになっています。トマト銀行については、2026年9月18日に公式サイトを見た範囲では商品ページを見つけられなかったため、現在の取扱いは確認できていません。
Mastercardデビットカードの7つのメリット
Mastercardデビットカードのメリットとして
- 国内外で幅広く使える
- 海外ATM手数料が比較的安い
- Kyashとも紐づけられる
- 支払いの手間がかからない
- ApplePayと相性がいい
- 家族カードも持てる
- ステータスの高いカードもある
の7点を詳しく解説しましょう。
1.国内外で幅広く使える
Mastercardは、Visaと肩を並べる国際ブランドと言われています。こちらのグラフは、いわゆる7大国際ブランドのシェアを取引額ベースで表したものです。
出典:The Nilson Report(2019年の取引額ベースのシェア。当時参照したアーカイブページは2026年9月18日時点で404です)
Mastercardは、Visa、Unionpay(銀聯カード)についで、世界3位のシェアを誇ります。
世界的にも高いシェアを有することからもわかるように、国内外で幅広く使えるのが、Mastercardのメリットです。もちろん、Mastercardデビットカードであっても、それは変わりません。
特に、日本人があまりに訪れない地域・国に行く予定がある人なら、Mastercardが付帯したクレジットカード・デビットカードを持っていくのはほぼ必須です。
もちろん、Visaデビットカード、JCBデビットカードと同様に、海外ATMでも現地通貨で現金を引き出すことが可能です。Mastercardが付帯したクレジットカードと同様、以下のマークがついているATMを使いましょう。
参照:当社ブランド「Mastercard、Maestro、Cirrus」の詳細
2.海外ATM手数料が比較的安い
ドコモSMTBネット銀行の海外ATM利用時の手数料は、以下の通りです。
| 海外事務手数料 | 利用額の2.50%(非課税)。米ドル決済を指定した場合も、円貨決済を指定した場合も、米ドル以外の外貨の場合も同じ率です。 |
|---|---|
| 海外事務手数料優遇プログラム | 支払った海外事務手数料の相当分を、年間(4月1日〜3月31日)30回までスマプロポイントでポイントバック。31回目以降は対象外。BaaS提携支店で発行したカードと法人は対象外。 |
出典:〔デビットカード〕海外で利用した際の手数料を教えてください。 | ドコモSMTBネット銀行(2026年9月18日に掲載を確認)
仮に、以下の条件で
- JCBデビットカード
- Visaデビットカード
- Mastercardデビットカード
を比べてみましょう。
例)以下の条件で海外ATMで現金200ユーロを引き出した。
- 1ユーロ = 120円とする。
- 海外ATM設置会社による手数料は計算に含めないものとする。
結果は、以下の通りです。
JCBデビットカード(三菱UFJデビット)の場合
- 海外ATM利用手数料:1回につき110円
(※一部ATMにおいて、別途現地金融機関所定の使用料がかかる場合あり) - JCBが指定した海外事務手数料:利用額の1.6%
- 三菱UFJ銀行に支払う海外事務手数料:利用額の3.05%
の3種類の手数料がかかるため、手数料の総額は以下の通りとなります。
Visaデビットカード(三菱UFJデビット)の場合
- 海外ATM利用手数料:1回につき110円
- 三菱UFJ銀行に支払う海外事務手数料:利用額の3.05%
の2種類の手数料がかかるため、手数料の総額は以下の通りとなります。
Mastercardデビットカード(ドコモSMTBネット銀行 デビットカード(Mastercard))の場合
同行に支払う海外事務手数料として、利用額の2.50%がかかるため、手数料の総額は以下の通りとなります。
実際のところ、銀行が徴収する事務手数料は、どこの銀行を利用するかにもよって異なるので、単純に比較はできません。
3.Kyashとも紐づけられる
Mastercardデビットカードも、Visaデビットカードと同様に、Kyashに紐づけられます。

出典:Kyash (キャッシュ) – いつものカードがもっと便利に
Kyash Visaカード
| 発行会社 | 株式会社 Kyash |
| 国際ブランド | VISA |
| カード種類 | プリペイドカード |
| 登録可能カード | クレジットカード(VISA、Mastercard)、デビットカード(VISA、Mastercard) |
| リアルカード | ○ |
| バーチャルカード | ○ |
| モバイル決済 | ○QUICKPay |
| 年会費(税別) | 0円 |
| 審査 | なし |
| 発行期間 | リアルカード:数日 バーチャルカード:即時発行 |
| 登録可能カード枚数 | 5枚 |
| ポイント還元率下限 | 0.50% |
| ポイント還元率上限 | 1.00% |
| ポイント有効期限 | 180日 |
| リアルタイム送金 | ○ |
| 1日最大利用限度額 | リアルカード:5万円 バーチャルカード:3万円 |
| 1カ月最大利用限度額 | リアルカード:12万円 バーチャルカード:12万円 |
Kyashを使う際は
- コンビニエンスストアのレジ
- 銀行ATM
- クレジットカード、デビットカード
を使ってチャージしましょう。その際に使うクレジットカード、デビットカードは国際ブランドとしてVisaかMastercardが付帯していれば大丈夫です。

Kyashについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
4.支払いの手間がかからない
デビットカード、クレジットカードを含め、Mastercardでもコンタクトレス決済の導入を推し進めています。
出典:Mastercardのタッチ決済 | Mastercard
コンタクトレス決済とは、対応したデビットカード、クレジットカードを専用の端末にかざすだけで、決済が完了する仕組みのことです。
支払いに手間をかけたくない人こそ、コンタクトレス決済は使いましょう。
5.ApplePayと相性がいい
出典:Mastercardのタッチ決済 | Mastercard
また、モバイル決済の1つ、ApplePayともMastercardデビットカードは非常に相性がいいです。MastercardはApplePayに対応しているので、簡単な手続きで取りこむことができ、国内外での支払いに使えます。

6.家族カードを出せるかは銀行による
- 高校生の子どもに持たせたい
- 家計管理のために家族カードを使いたい
という使い方を考える人もいるでしょう。ただし、Mastercardブランドのデビットカードで家族カードを出せるかどうかは、発行する銀行ごとに違います。
この記事を最初に書いた時点では、トマト銀行のインターネット支店(ももたろう支店)が「トマトMastercard® デビット」の家族カードを最大10枚まで発行していました。2026年9月18日に確認したところ、トマト銀行の公式サイトのサイトマップに掲載されているデビットカードは「デビットカード(J-Debit)サービス」だけで、Mastercardブランドのデビットカードの商品ページは404を返します。
ドコモSMTBネット銀行の場合、公式のカード比較表に家族カードの記載はありません。家族それぞれに持たせたいときは、子ども名義で口座を開く案内が別に用意されています。
楽天銀行のMastercardデビットにも、公式のカード紹介ページに家族カードの案内はありません。
7.ステータスの高いカードもある

という人にも、Mastercardデビットカードはおすすめです。
ドコモSMTBネット銀行の「プラチナデビットカード(Mastercard)」は、デビットカードでありながらも、一般のプラチナカードに相当するサービスを受けられるカードです。旧名称は「ミライノ デビット PLATINUM(Mastercard)」でした。
- 海外空港のラウンジが利用できる
- 海外Wi-fiサービス「Boingo(ボインゴ)」がついてくる
- 国内・海外旅行傷害保険が自動付帯している
など、海外旅行が好きな人におすすめの特典がたくさんついているにも関わらず、審査は不要です。

Mastercardデビットカードのデメリット
一方、Mastercardデビットカードには、デメリットもあります。
- 扱っている金融機関が少ない
- GooglePayには対応していない
の2点について解説しましょう。
1.扱っている金融機関が少ない
Visaデビットカード、JCBデビットカードに比べると、Mastercardは扱っている金融機関が極端に少ないです。
そして、Mastercardデビットカードを扱っている銀行も、やや特殊です。
トマト銀行は、旧名を山陽相互銀行ということからもわかるように、ほぼ岡山県でのみ事業を展開してきた地方銀行です。
また、ドコモSMTBネット銀行は実店舗を持たないネット専業の銀行です。商号は株式会社ドコモSMTBネット銀行で、所属銀行の商号は三井住友信託銀行株式会社と公表されています。
結論としては
のが、Mastercardデビットカードかもしれません。
2.GooglePayには対応していない
Mastercardデビットカードは、ApplePayとの相性はいいですが、GooglePayとの相性は全くよくありません。2019年11月現在、MastercardデビットカードはGooglePayに対応していないためです。
Androidのスマートフォンを使っている人が、デビットカードを連携してGooglePayを使いたいなら、Mastercardデビットカード以外のものを選ぶのをおすすめします。
おすすめのMastercardデビットカード2選
ここまでの内容を踏まえて、おすすめのMastercardデビットカードを2つ紹介します。いずれもドコモSMTBネット銀行の券種で、旧名称は「ミライノ デビット」で始まっていました。
ドコモSMTBネット銀行 デビットカード(Mastercard)
住信SBIネット銀行ミライノ デビット(Mastercard)
| 発行会社 | 住信SBIネット銀行 |
| 国際ブランド | MasterCard |
| 初年度年会費(税込) | 0円 |
| 2年目~年会費(税込) | 0円 |
| 年会費特典 | - |
| 発行期間 | - |
| キャッシュバック還元率下限 | - |
| キャッシュバック還元率上限 | - |
| ポイント還元率下限 | 0.80% |
| ポイント還元率上限 | 0.80% |
| 1日最大利用限度額 | 200万円 |
| 不正利用時の補償 | ○1000万円 |
| 入会資格年齢 | 15歳以上 |
年会費
永年無料。審査もありません。リアルカードは任意発行で、口座開設のあとに申し込む形です。
ポイント還元率、キャッシュバック率
0.8%です。この券種はスマートプログラムのランク特典の対象外と明記されているため、取引状況にかかわらず還元率は動きません。ただし、支払い先によっては0.30%になります。
| 通常の還元率 | 0.8% |
|---|---|
| 一部の利用先での還元率 | 0.30%(鉄道の乗車券・特急券・定期券、電気・ガス・水道・NHK受信料などの公共料金、NTT東日本・西日本のサービス料金、各種税金・国民年金・国民健康保険料、病院・診療所、非営利団体への会費や寄付など) |
出典:ご利用方法 – デビットカードのポイント | ドコモSMTBネット銀行(2026年9月18日に掲載を確認)
おすすめする理由
この券種をすすめられる理由は
- 審査なし・年会費無料で、Mastercardのタッチ決済とスマホ決済が使える
- 米ドルの海外事務手数料に、年30回までのポイントバックがある
の2点です。
海外事務手数料の優遇プログラム
付与されるのはスマプロポイントです。スマートプログラム対象支店のデビットカードだけが対象で、BaaS提携支店で発行したカードと法人のお客さまは対象外と書かれています。
出典:〔デビットカード〕海外で利用した際の手数料を教えてください。 | ドコモSMTBネット銀行(2026年9月18日に掲載を確認)
スマートプログラムの位置づけ
この券種は還元率の上乗せ対象ではありませんが、手数料の無料回数はランクに連動します。
| スマプロランク | カードATM無料 | 他行宛振込無料 |
|---|---|---|
| プラチナVIP | 月20回 | 月20回 |
| VIP | 月15回 | 月15回 |
| ゴールド | 月10回 | 月10回 |
| シルバー | 月5回 | 月5回 |
| ベーシック | 月2回 | 月1回 |
出典:スマートプログラム | 商品・サービス | ドコモSMTBネット銀行(2026年9月18日に掲載を確認)
ランクの判定条件にデビットカードの保有や利用は入っていません。円普通預金とハイブリッド預金の残高合計、給与・賞与・年金の受取、口座振替の引落件数で決まります。新しく口座を開いた人はシルバーから始まり、開設日から4か月間はランクが下がりません。

こんな人におすすめ
- 審査なしで持てるMastercardのカードが欲しい
- 年会費は1円も払いたくない
- 海外で現地通貨を引き出す機会が年に何度かある
- 給与の受取口座を移してもかまわない
ドコモSMTBネット銀行 プラチナデビットカード(Mastercard)
住信SBIネット銀行ミライノ デビット PLATINUM(Mastercard)
| 発行会社 | 住信SBIネット銀行 |
| 国際ブランド | MasterCard |
| 初年度年会費(税込) | 11,000円 |
| 2年目~年会費(税込) | 11,000円 |
| 年会費特典 | - |
| 発行期間 | - |
| キャッシュバック還元率下限 | - |
| キャッシュバック還元率上限 | - |
| ポイント還元率下限 | 1.00% |
| ポイント還元率上限 | 1.00% |
| 1日最大利用限度額 | 200万円 |
| 不正利用時の補償 | ○1000万円 |
| 入会資格年齢 | 15歳以上 |
年会費
年間11,000円(税込)。申込または切替が完了した時点で、代表口座から引き落とされます。
ポイント還元率、キャッシュバック率
基本還元率は1.25%で、2025年7月1日に1.00%から引き上げられました。この券種はスマプロランクの上乗せ対象なので、ランクが上がると最大2.50%になります。
| スマプロランク | プラチナデビットカード | デビットカード Point+ |
|---|---|---|
| プラチナVIP | 2.50% | 2.00% |
| VIP | 2.00% | 1.75% |
| ゴールド | 1.75% | 1.50% |
| シルバー | 1.50% | 1.25% |
| ベーシック | 1.25% | 1.25% |
おすすめする理由
付帯サービスと付帯保険が付くのは、4枚のラインアップのなかでこの1枚だけです。

| 空港ラウンジ | 世界1,000カ所を超える空港ラウンジを利用できるサービスが付きます。 |
|---|---|
| お食事(優待) | Taste of Premiumの名称で、レストランの優待が案内されています。 |
| Wi-Fiサービス | Global Data Roaming by FLEXIROAMが付帯します。 |
| モバイル端末の保険 | 自動付帯。損害の状況に応じて最大100,000円を年1回支払います。同居の家族名義の端末も補償の対象です。 |
| 旅行保険 | 自動付帯。国内・海外の旅行中の事故や飛行機の遅延などを補償し、本人だけでなく家族も対象です。 |
| ショッピングガード保険 | 購入日および購入日の翌日から90日間、偶然の事故による破損や盗難などの損害を補償します。 |
出典:プラチナデビットカード(Mastercard) | 商品・サービス | ドコモSMTBネット銀行(2026年9月18日に掲載を確認)
これだけの内容が付きながら、審査はありません。公式ページにも「審査不要・年会費11,000円(税込)」と書かれています。クレジットカードのプラチナと違い、信用情報の照会を経ずに持てるのがデビットカードならではの点です。
こんな人におすすめ
- プラチナ相当の付帯サービスが欲しいが、クレジットカードの審査は避けたい
- 海外旅行は年1〜2回程度で、空港ラウンジを使いたい
- スマートフォンやゲーム機の破損に備えたい
- 年会費1万円台を還元率で取り返せるだけの決済額がある
まとめ
Mastercardのデビットカードは、VisaやJCBに比べると発行している銀行が限られます。そのなかで、ドコモSMTBネット銀行のプラチナデビットカード(Mastercard)のように、支払い以外の機能まで備えた券種も存在します。旧名称の「ミライノ デビット」で検索して情報を集めると、年会費も還元率もランク制度も当時のままの記述に当たるので、公式の現行ページで数字を確かめてから決めてください。

他のデビットカードについても調べるならこちらからどうぞ!










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