クレジットカードの不正利用は年510億円|92.5%が番号盗用、今日からできる5つの対策

クレジットカードの不正利用と5つの対策のアイキャッチ。2025年の被害額510.5億円、番号盗用92.5%

クレジットカードの不正利用は、いまも高い水準で発生しています。日本クレジット協会によれば、2024年の不正利用被害額は過去最多の555.0億円で、2020年の2倍の水準に達しました。2025年は510.5億円となり、前年に比べて被害額・不正発生率ともに減少傾向が見られますが、依然として高い水準が続いています。

重要なのは被害の中身です。2024年の被害額の内訳を見ると、そのほとんど(92.5%)がインターネット取引における「番号盗用」でした。カードを落としたり盗まれたりしなくても、番号だけが盗まれて使われるのが今の主流です。

先に確認する3点

①カードは手元にあるのに使われる「番号盗用」が被害の大半、②本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)の登録を済ませているか、③利用明細を月1回ではなく、アプリの利用通知で都度確認できているか。

不正利用の被害状況の全体像。2025年510.5億円、2024年は過去最多555.0億円、92.5%が番号盗用
不正利用の被害はどこで起きているか|全体像

被害の数字が示していること

項目 協会の公表内容
2024年の被害額 過去最多の555.0億円
2024年の内訳 そのほとんど(92.5%)がインターネット取引における「番号盗用」
2025年の被害額 510.5億円。前年に比べ被害額・不正発生率ともに減少傾向
水準の比較 2020年の2倍
減少の背景 各クレジットカード会社や関係事業者による不正利用被害防止の取組み、セキュリティ対策の強化

この数字から読み取れるのは、対策の重心が「カードを物理的に守ること」から「番号と認証を守ること」へ移っているという事実です。財布から抜かれていないから安全、とは言えません。ネットショッピングの入力画面、フィッシングメール、会員サイトへのログインといった場面が、実際の入口になっています。

2025年に減少傾向が見られたのは、カード会社側の対策強化の成果と説明されています。裏を返せば、利用者側でできる対策をまだ取っていない人ほど、相対的に狙われやすくなるということでもあります。

協会が挙げる5つの対策

今日からできる5つの対策の比較軸。個人情報を守る、不正ログイン防止、本人認証、明細の確認、カードと暗証番号の管理
今日からできる5つの対策|比較軸

日本クレジット協会は、利用者自身が今日から取れる代表的な対策として次の5つを挙げています。

対策 協会が挙げる内容 すぐにやること
1. 個人情報を守る フィッシング詐欺の手口と対策、フィッシング詐欺以外の手口と対策 メールやSMSのリンクから開かず、公式アプリやブックマークから入る
2. 第三者による不正ログインを防ぐ 不正ログインの手口と対策、安全なパスワードの設定方法 カード会員サイトのパスワードを他サイトと使い回さない
3. 本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)を登録・利用する 本人認証サービスを登録しよう カード会社の会員サイトから登録を済ませる
4. カード利用明細を確認する 利用明細確認のポイント、利用明細確認に加えてできること アプリの利用通知をオンにして都度確認する
5. カードと暗証番号の管理を強化する 暗証番号の設定と管理のポイント、クレジットカード管理のポイント 生年月日などを避け、カードと一緒にメモを持ち歩かない
日本クレジット協会のクレジットカード不正利用5つの対策のページ
各対策の詳しい手口と対処法は協会のページで確認できます。出典:一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用5つの対策」

協会は、このページの作成にあたって経済産業省、警察庁、警視庁、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、フィッシング対策協議会、一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)のサイトを参考にしたと明記しています。関連情報を深く調べたい場合は、これらの公的機関のサイトが出発点になります。

3番目の対策が効く理由

5つのうち、番号盗用に直接効くのが本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)です。カード番号・有効期限・セキュリティコードだけでは決済が完了せず、追加の本人確認が入る仕組みなので、番号だけを盗んだ第三者は決済を通しにくくなります。

登録はカード会社の会員サイトから行います。すでに自動で有効になっているカードもありますが、自分のカードが対応済みかどうかを確認していない人が多いのが実情です。手持ちのカードすべてについて、会員サイトで登録状況を一度確認してください。所要時間は1枚あたり数分です。

あわせて、利用通知の設定も見直す価値があります。月1回の明細確認では、不正利用に気づくまで最大1か月かかります。都度通知が届く設定にしておけば、その日のうちに気づけます。通知が届かない場合の原因はクレジットカード利用通知が来ない理由で整理しています。

暗証番号は「推測されない」まで含めて設定する

5つの対策のうち、カードと暗証番号の管理を強化するという項目は、番号を他人に教えないことだけを指していません。日本クレジット協会は、この項目を「知られない」「推測されない」「忘れない」「困ったときは」の4点に分けて案内しています。

「知られない」では、家族や友人であっても暗証番号を教えないこと、覚えられないからといってカードに直接書き込んだり暗証番号を書いたメモをカードと一緒に保管したりしないこと、カード端末やATMへ入力する際は周囲に注意することが挙げられています。

見落とされやすいのが「推測されない」のほうです。協会は、第三者に推測されやすい暗証番号として、生年月日の組み合わせ、住所(郵便番号・番地・部屋番号等)、電話番号、車などのナンバーという個人情報に基づくものに加えて、同じ数字(1111など)、連続する数字(1234など)、スマホやPCのテンキーの並び数字を具体的に挙げ、設定済みの場合は変更するよう案内しています。この7類型のどれかに当てはまるなら、番号盗用の対策を進める前に暗証番号そのものを変えるほうが先です。

なお、暗証番号を忘れると、暗証番号が不要な一部の取引を除いてカードが利用できなくなります。分からない場合や変更したい場合は、契約しているカード会社のサポート窓口へ連絡するか、ホームページで手続き方法を確認してください。ここで挙げた7類型と4つのポイントは、日本クレジット協会が5つの対策の一部として公開しているページに掲載されているものです。

不正利用に気づいたときにすること

身に覚えのない請求を見つけたら、自己判断で様子を見ないことが重要です。順番は次のとおりです。

順番 やること ポイント
1 カード会社へ連絡する カード裏面または会員サイトの連絡先へ。利用停止と再発行の手続きを行う
2 該当の取引を特定する 日付、金額、加盟店名を控える。心当たりのある取引と分けて整理する
3 会社の案内に従って書類を提出する 調査には時間がかかる。求められた書類は早めに出す
4 必要に応じて警察へ届け出る カード会社から届出を求められる場合がある
5 他のカードとパスワードも見直す 同じパスワードを使い回していれば、そちらも変更する

補償の可否と範囲は、カード会社の会員規約によって定められています。届出の期限や、暗証番号を他人に知らせていた場合の扱いなど、補償されないケースの定めもあります。規約の該当箇所を先に読んでおくと、いざというときの判断が早くなります。署名や暗証番号の扱いについては不正利用の手口に関するアンケート調査もあわせて確認してください。

よくある質問

カードは手元にあるのに不正利用されるのはなぜですか

被害の大半が番号盗用だからです。2024年の被害額の92.5%がインターネット取引における番号盗用でした。フィッシングや情報流出でカード番号だけが渡れば、現物がなくても決済に使われます。

本人認証サービスは登録すると手続きが面倒になりませんか

対応する加盟店での決済時に追加の確認が入ります。手間は増えますが、番号だけを持つ第三者は決済を通しにくくなります。協会が挙げる5つの対策のひとつです。

暗証番号は何にすればよいですか

協会は暗証番号の設定と管理のポイントを案内しています。生年月日や電話番号のように推測されやすい数字は避け、カードと一緒に番号を書いたメモを持ち歩かないことが基本です。

被害額が減っているなら対策は不要ですか

2025年は510.5億円で減少傾向ですが、依然として高い水準です。協会は減少の背景をカード会社や関係事業者の対策強化と説明しており、利用者側の対策が不要になったわけではありません。

まとめ

日本クレジット協会によれば、クレジットカードの不正利用被害額は2024年に過去最多の555.0億円となり、その92.5%がインターネット取引における番号盗用でした。2025年は510.5億円で減少傾向が見られるものの、依然として高い水準です。

協会が挙げる5つの対策は、①個人情報を守る、②第三者による不正ログインを防ぐ、③本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)を登録・利用する、④カード利用明細を確認する、⑤カードと暗証番号の管理を強化する、です。このうち番号盗用に直接効くのは③で、登録は数分で終わります。手持ちのカードの登録状況を今日確認し、あわせて利用通知をオンにしてください。

参考にした一次情報

被害額の統計は年ごとに更新されます。最新の数値は協会のページで確認してください。補償の可否や手続きは、ご利用のカード会社の会員規約と案内に従ってください。


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30枚以上のクレジットカードを保有するFP。一般カードから、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカード、法人カード、デビットカード、ETCカードと様々なカードを持ち、お得にカードを使うためにどうすれば良いのか?楽しく検証しています。マイルやポイントを貯める方法を中心につぶやきます。