パートだからといって、クレジットカードの審査に通らないとは限りません。しかし、フルタイムの正社員に比べると、どうしても年収は低くなってしまうので、審査を有利に進めるためのコツを心得た上で申込を進める必要があります。今回の記事では、パートの主婦の人がクレジットカードの審査に通るために必要な5つのコツについて解説しましょう。
【前提】パートの主婦はクレジットカードの審査に通るのか
具体的なコツの話に入る前に「そもそもパートの主婦はクレジットカードの審査に通るのか」について考えてみましょう。
年収0円よりは通る確率が高い
あくまで一般的な傾向ですが、クレジットカードの審査に関しては
年収が低いよりは高い方が審査に通る確率はやはり高い
という傾向が指摘できます。もちろん、これは主婦であっても同じです。
配偶者に左右される部分も大きい
しかし、パートの主婦の場合、配偶者の収入も、クレジットカードの審査においては重視される項目の1つです。外で働いているとは言っても、パートである以上、年収が100万円を上回ることは少ないでしょう。
そうなると、万が一クレジットカードの支払いが滞った時には、配偶者に払ってもらうのが現実的な対応になります。このような対応であることも考えると、クレジットカード会社としては配偶者の支払能力も踏まえ、審査を行う必要が出てくるのです。配偶者にあたる人が
- 大きい会社(上場企業もしくはそれに準ずる規模の会社)の正社員である
- 国家公務員、地方公務員である
- 医師、弁護士、税理士など、専門的知識が必要な仕事についている
など「継続して安定した収入が見込める」人であれば、審査に通りやすいはずです。逆に
- 脱サラして起業したばかりである
- フリーランスである
- いわゆる「水商売」である
など「継続して安定した収入が見込めない」人であれば、審査に通るのは厳しくなるでしょう。
社会人しつつ傍らなら例外だけど、確か芸能人だって最初クレカ作れないとかあるもんね。職業とはちょっと違うだろうしねぇ
— sui@midori (@sui_midoriiii) September 23, 2019
パートの主婦がクレジットカードの審査に通るための5つのコツ
ここまでの内容を踏まえて、パートの主婦がクレジットカードの審査に通るための5つのコツを考えてみました。
- 審査に通りやすいクレジットカードを選ぼう
- 申込書には正確な数字を書こう
- キャッシング枠は0円にしよう
- 電話はかかってきたら必ず出られるようにしよう
- 1度申し込んだら半年はあけよう
コツ1.審査に通りやすいクレジットカードを選ぼう
主婦に限ったことではありませんが、クレジットカードの審査に通るためには「どんなクレジットカードなら審査に通りやすいか」を考えた上で動きましょう。考える上で重要なポイントをまとめました。
ステータスは「一般」が基本
クレジットカードにはそれぞれステータスがあります。ステータスとは、簡単に言うと「会員ランク」のことです。
上の図のように、上から
- ブラック
- プラチナ
- ゴールド
- 一般
と分かれています。
ステータスが上に行けば行くほど、付帯サービスは充実しますが、年会費も高くなるうえに、審査にも通りにくくなります。「継続安定した収入がある」ことに加え、求められる年収額も高くなるのです。パートをしている主婦が申し込む場合は、ステータスは「一般」を選んでおいた方が無難でしょう。
年会費は無料で十分
一般カードであっても
- 年会費が永年無料のもの
- 年会費は有料だが「年に1度でも利用すれは無料」など、条件を満たせば無料になるもの
- 年会費が基本的に有料のもの
と、年会費に関する扱いは千差万別です。
年会費はクレジットカード会社の経営判断により扱いが異なるので、決して「安かろう悪かろう」ではありません。年会費が永年無料であっても、ポイント還元率が高かったり、様々なサービスが受けられるカードもちゃんとあります。「
無難なのは「商業施設が発行する提携カード」
クレジットカードを「どんな会社が発行しているのか」で二分すると、以下の2つに分かれます。
- プロパーカード:国際ブランド(決済システムを提供する会社)が自前で発行しているもの
- 提携カード:国際ブランドと外部の企業が提携し、外部の企業の名前を冠して発行しているもの
プロパーカードと提携カードを「審査の難易度」で比べた場合、提携カードの方が審査には通りやすくなっています。提携カードは、本来は「その会社の商品、サービスを利用する人の囲い込み」を意図して作られるものです。
- 提携カードの利用時の割引
- 会員限定セール
- 提携施設などの割引利用
など、様々な優待を設けて、その会社の商品、サービスをより積極的に利用してもらうためのものと考えるとわかりやすいでしょう。
また、スーパー、コンビニエンスストア、デパートなどの商業施設が発行するクレジットカードの中には、ターゲットを女性にしたものが多く存在します。実際のところは、家庭によっても多少の差はあるはずですが、普段の買い物は主婦が担う場合がまだまだ多いでしょう。そこで、主婦をターゲットにしたカードを発行することで、よりその商業施設を利用してもらうのを狙いにしています。
コツ2.申込書には正確な数字を書こう
パートで仕事をしているなら「仕事上の書類は正確に書く」のがいかに大事かを知っているはずです。クレジットカードの申込においても、これは当てはまります。具体的に気を付けるべきポイントをまとめました。
年収は正直に書こう
「年収が高い方がクレジットカードの審査に通りやすい」のは確かです。だからといって、実態とかけ離れた数字を年収として書いてはいけません。嘘をついた=虚偽の申告をしたとして、審査に落ちる原因になってしまいます。もちろん、手違いで審査に通ったとしても、何らかの原因でクレジットカード会社にばれてしまうこともあるはずです。そうなると、強制解約も含めた厳しい処分が下される恐れがあります。
パート先から源泉徴収票を渡されていれば、その情報をもとに年収を書きましょう。また、渡されていなければ、毎月のパート代を12倍したものを、おおよその年収として書いても構いません。
配偶者の年収、居住年数は丁寧に調べよう
主婦の人がクレジットカードを申し込む場合、配偶者の年収についても記入する必要があります。お金が絡むことなので聞きづらいかもしれませんが、正直に「クレジットカードの申込をしたいから、年収いくらぐらいか教えて」と聞いてみましょう。
また、案外正確な数字がわからなくなりがちなのが、居住年数=今の家に住んで何年になるか、ということです。1カ月程度の誤差があったところで、それだけで審査に落ちる原因になるとは考えにくいですが、できるだけ正確であるに越したことはありません。住民票の記録などをもとに、できる限り正確な年数を調べるようにしましょう。
誤字脱字には十分に注意しよう
これは特に紙の書類を返送して申し込む場合に注意してほしいことですが、誤字脱字には気を付けましょう。状況次第では、クレジットカード会社の審査担当者に「この人はそそっかしいのでは」と印象を与えてしまうためです。また、字はきれいで丁寧である方が印象がいいのは言うまでもありません。
コツ3.キャッシング枠は0円にしよう
クレジットカードの利用限度額を利用目的で分けると
- 店舗での買い物や公共料金の支払いなどに使う「ショッピング枠」
- 銀行などのATMを使って現金を借り入れる「キャッシング枠」
の2つに分かれます。そして、必要がなければキャッシング枠は0円にしておいた方が、審査には通りやすいです。
キャッシング枠を0円にすべき理由
キャッシング枠を0円にしたほうがいい理由は「キャッシングを希望すると、審査に時間がかかる上に、収入が低いと不利になるから」です。日本の法律(貸金業法)においては「年収の3分の1を超える貸付をしてはいけない(総量規制)」という決まりがあります。
クレジットカードのキャッシング枠は「すぐに借りられる状態にする」ことであるため、潜在的な借金とみなされ、この決まりの適用を受けるのです。必要になる理由がなければ、キャッシング枠は0円にしておいた方が、審査もスムーズに進む上に、通過しやすくなるでしょう。
海外に行く際はその都度連絡すれば十分
人によっては
という人もいるかもしれません。しかし、日本に比べると海外ではキャッシュレス化がより進んでいるため、現地で多額の現金が必要になるとは考えにくいです。そのため、海外に行くときにその都度、キャッシング枠を10万円程度付けてもらうようクレジットカード会社に依頼すれば十分でしょう。
コツ4.電話はかかってきたら必ず出られるようにしよう
クレジットカード会社によっては、クレジットカードの申込をした後、電話による本人確認やパート先への在籍確認が行われる場合もあります。このような電話は、どのように扱えばいいのでしょうか。
出られなければ折り返す、が基本
本人確認の電話について、大前提として覚えておいてほしいのが「出られなければ折り返す」ということです。クレジットカード会社の立場からすると「本当に本人が申込をしたのかどうか」を確認するために電話をかけているので、本人が出ないと電話の目的が達成できません。あまりに本人確認が進まないと、審査も終わらないため、審査落ちの原因になることもあるのです。
もし、携帯電話に着信があったら、折り返してみましょう。申込をしたクレジットカードを発行しているクレジットカード会社からだった場合は「申込をしたので、その件でお電話がかかってきていたみたいでしたが」と言えば、適切な部署に電話をつないでくれます。
パート先には「電話がかかってくるかもしれません」と言えば大丈夫
パート先に実際に勤めているかどうかを確認するための電話(在籍確認)が行われることもあります。このような電話は、クレジットカード会社の担当者の名前でかかってくるのがほとんどです。
不審に思われない場合が大半ですが、どうしても不安なら、パート先に「クレジットカードの申込をしたので、その件で電話がかかってくるかもしれません」と伝えておくと、やり取りがスムーズにいくでしょう。
前の会社で、芸名?しかしらない人が入社するってなった時に、早速その人がクレカ申請したらしくて、在籍確認の電話があった。本名知らなかったし入社するなんて知らんかったから「居ません」て即答した…。でもなんとなく察して「ば、バイトなのでわかんないす!」って言っといた。審査通ったと思う…
— ナ マ コ (@na_ma_co) January 30, 2013
コツ5.1度申し込んだら半年はあけよう
クレジットカードが必要になる予定があらかじめわかっているなら、余裕を持って準備したほうがいいのはいうまでもありません。
しかし、立て続けにクレジットカードを申し込むのはやめましょう。審査に通りにくくなる原因になるためです。
「申込ブラック」とは
新しくクレジットカードに申し込むと、その事実は個人信用情報に記載されます。
クレジットカード会社や銀行など、サービスを提供する金融機関の審査担当者は、この個人信用情報を見て、サービスの利用の可否を判断します。新しくクレジットカードを申し込んだ場合、一度その事実が記録されると、半年間記録が残る仕組みです。
そして、前の記録が残っているうちに、別のクレジットカードに申し込んでしまうと「半年もたっていないのに申し込むということは、この人はお金に困っているのでは?」という疑念を抱かせてしまうのです。このことを「申込ブラック」と言います。
あくまで一般論ですが、半年の間に申し込んだクレジットカードの枚数と、審査の通過状況には以下のような関係が指摘できます。
- 半年の間に2枚:ほかに問題がなければ通る場合もある
- 半年の間に3枚:通る可能性は一気に低下する
- 半年の間に4枚以上:まず通らないと考えてよい
早めにサブカードを用意したいなら家族カードもあり
実際のところは、海外旅行に行くなどの理由で、早急にサブカードを用意したいことだってあるでしょう。そういう時に検討してほしいのが、家族カードです。
つまり、配偶者が使っているクレジットカードの追加カードとして家族カードを発行してもらい、サブカードとして使いましょう。配偶者の普段のクレジットカードの利用状況に問題がなければ、まず問題なく発行してもらえます。