審査なしで作れるクレジットカードはあるの?
最初に、審査なしで作れるクレジットカードがあるのかについて考えてみましょう。
「立て替え」が発生しなければ、「審査」をする必要はない
クレジットカード払いの流れを大まかにまとめると、以下のようになります。
- 加盟店でクレジットカード会員が買い物をする
- クレジットカード会社は加盟店からの連絡を受け、会員の利用分を一度立て替える
- クレジットカード会社は会員の一定期間の利用分を集計し、請求を行う
- 所定の引き落とし日に、クレジットカード会員の銀行口座から引き落としが行われる
つまり、「立て替える」というプロセスがあるため、「本当に立て替えたお金を返してもらえるのか」という観点から、審査が行われます。
厳密に言うと、100%審査なしということではない
実際のところ、これから紹介するクレジットカード等の支払手段を利用するにあたっては、100%審査がないとはいいきれません。
状況によっては、
- 過去の返済状況のチェック
- 反社チェック
など、支払能力とは別の観点で審査が行われることもあります。
反社チェックとは?
2007年に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(以後、企業暴排指針)」が制定され、その後の2011年には、すべての都道府県で暴力団排除条例が施行されました。
この流れを受けて、クレジットカード会社をはじめとする企業は、反社会的勢力等の排除に力を入れています。
当然、反社会勢力の排除が徹底していないと見なされると、
- 行政処分
- 上場廃止
- 融資停止
などの厳しい処分が下る可能性があるのです。
審査なしで作れるクレジットカード3選
1.デビットカード
デビットカードとは、
- Visa、Mastercard、JCB等の国際ブランドが付帯している
- 加盟店での利用と同時に請求額が銀行口座から引き落とされる
カードのことです。
おすすめのデビットカードは、こちらの記事で説明していますよ!
2.プリペイドカード
プリペイドカードとは、
- Visa、Mastercard、JCB等の国際ブランドが付帯している
- あらかじめ現金、銀行口座からの振り込み等により残高を充当して支払いに充てる
カードのことです。
詳しくは後述しますが、
- コンビニエンスストア等で購入する
- アプリをインストールし、設定を行う
だけで使えるようになります。
3.デポジット型クレジットカード
デポジット型クレジットカードとは、
- あらかじめクレジットカード会社に保証金=デポジットを預ける
- 預けたデポジットの範囲内で利用ができる
クレジットカードを指します。
デビットカードのメリット・デメリット
デビットカードのメリットとデメリットについて、考えてみましょう。
デビットカードのメリット
最初に、デビットカードのメリットについて、説明しましょう。
- お金を管理しながら使える
- 使いすぎない
- ポイント、キャッシュバックが受けられる
- 審査なしで作れる
- 海外でも使える
- 現金を持ち歩く必要がない
- 高額の買い物も安全にできる
1.お金を管理しながら使える
デビットカードの特徴として、「使った分だけ、すぐに銀行口座から引き落とされる」があげられます。このため、いくら使ったかがわかりやすく、無駄遣い防止にもなるのです。
2.使いすぎない
また、デビットカードは、一部の例外を除いて、銀行口座の残高の範囲内でしか、使うことができません。クレジットカードのように、銀行口座の残高の範囲を超えて使ってしまうことはあり得ないので、安心です。
3.ポイント、キャッシュバックが受けられる
発行している金融機関にもよりますが、デビットカードの利用額に応じたポイントの付与やキャッシュバックが行われていることもあります。
例えば、都市銀行の1つ・みずほ銀行が発行している、みずほJCBデビットの場合は、利用額の0.2%がキャッシュバックされる仕組みです。
4.審査なしで作れる
ほとんどのデビットカードについては、審査なしで作ることができます。
しかし、一部例外もあるので、注意してください。
預金口座不足時の対応をチェック
一部のデビットカードの場合、
- 銀行システム停止時
- 預金口座残高不足時
は、一時的に一定額まで利用金額を立て替えるシステムが導入されていることがあります。
参照:イオンデビットカード |イオンカード 暮らしのマネーサイト
5.海外でも使える
既に触れた通り、一般的なデビットカードには、国際ブランドが付帯しています。
6.現金を持ち歩く必要がない
少々「クレジットカードを作れない人」という前提からずれてしまいますが、デビットカードには「現金を持ち歩かずに、現金の支払いができる」というメリットがあります。
7.高額の買い物も安全にできる
紛失、盗難を防止するという観点からは、高額の現金は持ち歩かず、クレジットカードを使うほうが安全です。ただし、クレジットカードが作れない状態の場合は、この手段は使えません。
しかし、デビットカードと相応の銀行口座残高があれば、現金を持ち歩かずに、高額の買い物をすることは十分に可能になります。
デビットカードのデメリット
一方、デビットカードにはデメリットもあります。
1.使えない加盟店もある
デビットカードは、原則として、付帯している国際ブランドの加盟店であれば、使えます。
しかし、
- 請求額をあとで集計して引き落とす仕組みになっている
- 加盟店が一定額以上の銀行口座残高があることを利用の条件にしている
などの理由で、デビットカードが使えない加盟店もあるので、事前にチェックしましょう。
2.すべての銀行で発行しているわけではない
デビットカードは徐々に普及してきていますが、すべての銀行で発行されているわけではありません。
普段使っている銀行が、
- デビットカード自体を扱っていない
- デビットカードの発行はしているが、希望する国際ブランドでない
という状況であることも、十分に考えられるのです。
なお、2019年9月時点で、Visa、JCB、Mastercardが付帯したデビットカードを発行している金融機関を、表でまとめました。
Visaデビットカードを発行している金融機関
三井住友銀行 | ソニー銀行 | ゆうちょ銀行 | 楽天銀行 | PayPay銀行 | 琉球銀行 | 北陸銀行 |
北海道銀行 | 北國銀行 | 西日本シティ銀行 | りそな銀行 | 常陽銀行 | あおぞら銀行 | |
滋賀銀行 | 三菱UFJ銀行 | スルガ銀行 | 住信SBIネット銀行 | 福井銀行 | 関西みらい銀行 | |
埼玉りそな銀行 | 広島銀行 | イオン銀行 | 池田泉州銀行 | GMOあおぞらネット銀行 | 愛知銀行 |
JCBデビットを発行している金融機関
鹿児島銀行 | もみじ銀行 | 秋田銀行 | 八十二銀行 | 三菱UFJ銀行 | 七十七銀行 | 京都銀行 | 広島銀行 |
みずほ銀行 | セブン銀行 | 熊本銀行 | 北陸銀行 | 中国銀行 | ちばぎん | 紀陽銀行 | 東邦銀行 |
じぶん銀行 | 北九州銀行 | 名古屋銀行 | 楽天銀行 | 池田泉州銀行 | 親和銀行 | 沖縄銀行 | 北洋銀行 |
イオン銀行 | 福岡銀行 | 十六銀行 | 山口銀行 | 大垣共立銀行 | 西日本シティ銀行 | 愛媛銀行 |
Mastercard デビットカードを発行している金融機関
3.銀行口座が開設できるとは限らない
デビットカードを作る以前の問題として、銀行口座が開設できるとは限らない点が挙げられます。
口座開設断られたよ〜みずほも行こうと思ったけどこのままだと断られそうだから行くのやめよ
— 美依 (@m33i11) September 24, 2019
例えば、次のケースに当てはまる場合は、銀行側から口座開設を断られる可能性があるので、注意しましょう。
- 本人確認ができない
- 過去に犯罪に利用された可能性がある
- 過去、現在を通じて反社会勢力とのつながりがある(あった)
- その銀行の営業エリアと生活圏が離れている
もし、自分の生活圏にデビットカードの発行に対応している金融機関がない場合は、ネット銀行の口座を開設し、デビットカードを作るといいでしょう。
銀行で子供の口座開設しようとしたら断られた。会社の近くの支店で作ろうとしたら住所の近くで作れって。そんなことある?
— mimi (@misamisa98411) June 4, 2019
4.ETCカードは作れない
詳しくは後述しますが、ごく一部の例外を除いて、デビットカードに紐づけたETCカードを作ることはできません。
高速道路料金の支払いの仕組みは、
- ETCカードを挿入した装置を搭載した車がゲートを通過する
- ゲートの通過時間・回数から支払うべき通行料を算出し、クレジットカード会社に通知をする
- クレジットカード会社は通知を受け、会員に請求を行う
という、後払いが前提になっているシステムのためです。
なお、2019年9月現在では、石川県を中心に展開する地方銀行の1つ・北國銀行が発行するデビットカードなら、ETCカードを発行することができます。
また、クレジットカードが利用できない状態で、ETCカードを利用したい場合は、東・中・西日本高速道路株式会社(NEXCO東日本・中日本・西日本)が発行するETCパーソナルカードを使うのも1つの手段でしょう。
このカードは、あらかじめ申告した平均利用月額の4倍の保証金=デポジットを預けることで、通常のETCカードと同様にゲートを通過できるようになるカードをです。
5.支払いは一括払いのみ
デビットカードではクレジットカードのように、分割払い・リボ払いはできません。
6.キャッシングはできない
もちろん、通常のクレジットカードとは違い、キャッシングもできません。
7.クレヒスには反映されない
クレジットカード、ローンを含めた信用取引(お金の貸し借りが伴う取引)の利用実績のことを、クレジットヒストリー=クレヒスと言います。新たにクレジットカードを申し込む際は、クレヒスの内容が非常に重視されるのです。
8.利用時に即時引き落とされるため、預金残高がないと使えない
本当にお金がない=銀行口座の預金残高がない場合は、デビットカードは使えません。お金がない場合でも支払いができるという意味では、クレジットカードの方がたしかに優れているでしょう。
9.クレジットカードと比較するとポイント還元率、キャッシュバック率が低い
クレジットカードによっても多少の差はありますが、クレジットカードのポイント還元率・キャッシュバック率は0.5~1%と言われています。
一方、デビットカードのポイント還元率、キャッシュバック率は、0.2~0.25%程度が一般的です。高いポイント還元率、キャッシュバック率を望むなら、あまりデビットカードはお勧めできません。
プリペイドカードのメリット・デメリット
次に、プリペイドカードのメリット・デメリットについて考えてみましょう。
プリペイドカードのメリット
プリペイドカードのメリットとしては、
- お金を管理しながら使える
- ポイントが貯められる
- 紛失した場合の損害が少ない
- 海外でも使える
- 簡単に手に入る
の5つがあげられます。それぞれについて、詳しく説明しましょう。
1.お金を管理しながら使える
プリペイドカードの前提として、「あらかじめ、チャージをした分しか使えない」があげられます。
2.ポイントが貯められる
先ほど触れたデビットカードと同様、プリペイドカードでも、利用額に応じてポイントが付与されることがあります。
例えば、携帯電話大手のKDDIが発行するau WALLETの場合、利用額200円(税込)ごとに1ポイントが付与される仕組みです。
参照:au WALLET ポイントを貯める・使う | au WALLET
3.紛失した場合の損害が少ない
プリペイドカードは、チャージ残高がなくなった時点で使えなくなります。再び使うためには、その都度チャージしなくてはいけません。
4.海外でも使える
プリペイドカードにも、国際ブランドが付帯したものが多く出回っています。例えば、Kyash Visaカードの場合、リアルカード(プラスチック製のカード)を発行してもらうことで、国内外のVisa加盟店で使えるのです。
Kyash Visaカード
発行会社 | 株式会社 Kyash |
国際ブランド | VISA |
カード種類 | プリペイドカード |
登録可能カード | クレジットカード(VISA、Mastercard)、デビットカード(VISA、Mastercard) |
リアルカード | ○ |
バーチャルカード | ○ |
モバイル決済 | ○QUICKPay |
年会費(税別) | 0円 |
審査 | なし |
発行期間 | リアルカード:数日 バーチャルカード:即時発行 |
登録可能カード枚数 | 5枚 |
ポイント還元率下限 | 0.50% |
ポイント還元率上限 | 1.00% |
ポイント有効期限 | 180日 |
リアルタイム送金 | ○ |
1日最大利用限度額 | リアルカード:5万円 バーチャルカード:3万円 |
1カ月最大利用限度額 | リアルカード:12万円 バーチャルカード:12万円 |
5.簡単に手に入る
プリペイドカードの場合、
- クレジットカードのように、申込手続きをし、審査を受ける
- デビットカードのように、銀行口座を開設し、書類を出す
必要はありません。
- コンビニエンスストア等で購入し、手続きをする
- アプリをインストールし、設定をすます
だけで、簡単に使い始められます。
前者のパターンを採用しているのが、コンビニエンスストア等で売られているVプリカです。これは、インターネット上のVisa加盟店でなら、世界中どこでもクレジットカードと同じように使えます。
一方、後者のパターンを採用しているのが、バンドルカードです。所定のアプリをインストールし、設定を済ませると、バーチャルカードが発行され、アプリに情報が反映されます。その情報を使って、インターネット上のVisa加盟店で買い物ができる仕組みです。
プリペイドカードのデメリット
一方、プリペイドカードのデメリットとしては、
- チャージしないと使えない
- 後払いはできない
の2点があげられます。
1.チャージしないと使えない
プリペイドの本来の意味は、「前払い」という意味です。そのため、利用する予定の金額を、あらかじめチャージしないといけません。
2.後払いはできない
また、仮に支払いに進んだ際に、残高が足りなかった場合でも、不足分を後払いにすることはできません。
不足分については、
- 追加して現金で払う
- チャージし、改めて決済をやり直す
などの対応が必要になります。
デポジット型クレジットカードのメリット・デメリット
最後に、デポジット型クレジットカードのメリット・デメリットについて考えてみましょう。なお、デポジット型クレジットカードとして有名なのが、ライフカードです。
ライフカード(デポジット型)
カード分類 | 一般カード |
国際ブランド | MasterCard |
申込方法 | Web申込み |
発行スピード | 最短3営業日 |
年会費(税込) | 5,500円 |
年会費備考 | - |
ショッピング総利用枠(上限) | 10万円 |
ポイント還元率(下限) | 0.50% |
ポイント還元率(上限) | 1.00% |
交換可能マイル | ANAマイル(1ポイント=2.5マイル、300ポイント以上100ポイント単位) |
ETCカード年会費(税込) | 0円 |
電子マネーチャージ | iD利用、楽天Edy、nanaco |
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) | - |
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) | - |
ショッピング保険/国内利用(最大) | - |
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率 審査通過/申込者数 | ショッピング 限度額平均 | キャッシング 限度額平均 | カード発行 までの日数平均 | 対応 満足度 |
デポジット型クレジットカードのメリット
最初に、デポジット型クレジットカードのメリットについて説明しましょう。
1.通常のクレジットカードと同じように使える
あらかじめデポジット=保証金を預けること以外は、通常のクレジットカードと同じように利用できるのが、デポジット型クレジットカードの特徴です。
例えば、ライフカードの場合、一般カードでは次のサービスを受けられますが、これは、デポジット型であっても変わりません。
- 国内・海外旅行傷害保険
- シートベルト傷害保険
- ショッピングガード保険
- 弁護士無料相談サービス
- カード会員保証制度
- LIFE DESK(日本語サービス)
- 会員限定の各種優待割引サービス
2.ETCカードも発行できる
もちろん、通常のクレジットカードと同様、ETCカードの発行にも対応しています。
3.クレヒスを積み上げられる
また、デポジット型クレジットカードであっても、
- コンスタントにショッピング利用をする
- 期日通りに返済していく
ことで、着実にクレヒスは積み上げていけます。
デポジット型クレジットカードのデメリット
一方、デポジット型クレジットカードにもデメリットがあります。
1.支払いは一括払いのみ
デポジット型クレジットカードは、通常のクレジットカードが発行できない人に向けた救済措置として設けられているものです。そのため、支払いは一括払いのみとなり、
- 分割払い
- リボ払い
- ボーナス払い
- キャッシング
等、返済が長期にわたる可能性がある支払方法は使えません。
2.まとまった現金を用意しないといけない
デポジット型クレジットカードを作る際は、限度額と同額のデポジットを用意する必要があります。例えば、限度額を10万円にしたいなら、10万円のデポジットを預けないといけません。
3.有効期限が短い
実際のところは、クレジットカード会員本人の状況により前後しますが、一般的なクレジットカードの有効期限は5年程度です。
4.年会費が割高
通常のライフカード(一般カード)の場合、年会費は無料です。しかし、デポジット型クレジットカードの場合は、年会費は5,500円(税込)となっています。
まとめ
クレジットカードの審査は、「立て替えた分の金額を、ちゃんと返してもらえるか」を判断するために行われます。クレジットカードを作れないということは、「立て替えた分を返してもらえそうにない」と判断されたのでしょう。