- クレジットカードの支払が滞った
- 利用上のトラブルなどを理由に、クレジットカードを強制解約された
- 個人再生、自己破産などの債務整理をした
などクレジットカードやローンの返済に重要な影響を及ぼすトラブルがあると、その後一定期間内は新しくクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりするのは極めて難しくなります。
そこで今回の記事では「旦那がブラックリストに載っている主婦がクレジットカードを作る」ことを想定し
- クレジットカードを作る上での注意点
- クレジットカードが作れなかった場合の代替策
について解説しましょう。
「ブラックリストに載る」とは
そもそも「ブラックリストに載る」とはどういう状態を指すのかについて、まずは開設しましょう。
個人信用情報に異動情報が登録されている
「ブラックリストに載る」を正式な言い方に直すと「個人信用情報に異動情報が登録されている状態である」になります。
個人信用情報機関と呼ばれる企業や団体が取りまとめてデータベース化し、クレジットカードやローンの審査の際に、審査担当者がそのデータベースにアクセスしてデータを用いるのです。
2020年4月現在、日本国内では以下の3つの企業・団体が個人信用情報機関として活動しています。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
クレジットカードやローンの審査の際に個人信用情報を用いることで、その人の支払能力を判断することができます。何らトラブルを起こさず利用しているなら特に問題はありません。しかし、支払能力に重要な疑義を及ぼすトラブルがあった場合、そのトラブルは「異動情報」として個人信用情報に登録されてしまうのです。
異動情報が登録される原因
異動情報が登録される原因としては
- 長期(目安は61日以上)の延滞・滞納
- クレジットカードやローンの強制解約
- 自己破産
- 任意整理
- 個人再生
などが挙げられます。厳密にいうと、個人信用情報機関によって、異動情報として扱う範囲および登録されている期間は異なるので、注意が必要です。
個人信用情報機関 | CIC | JICC | KSC |
---|---|---|---|
61日以上の滞納 | 5年 | 1年 | 5年 |
強制解約 | 記載なし | 5年 | 5年 |
自己破産 | 5年 | 5年 | 10年 |
任意整理 | 記載なし | 5年 | 5年 |
個人再生 | 記載なし | 5年 | 10年 |
主婦のクレジットカード審査において旦那の情報が影響する理由
本来、個人信用情報は個人のプライバシーに深くかかわる情報であるため、一部の例外を除いて本人以外の第三者が、個人信用情報機関に照会(問い合わせ)を行うことはできません。
このような背景を見ると、一見、旦那さんの個人信用情報はあくまで本人がクレジットカードやローンを利用するときにだけ影響するものと考えてしまうかもしれません。しかし、実際は、主婦がクレジットカードを申し込む時にも重要な影響を及ぼしています。その理由について考えてみましょう。
専業主婦であれば配偶者の収入、個人信用情報が重視されるから
専業主婦(パートやアルバイト、在宅ワークをしていない主婦の人)であれば、年収は0円です。それにも関わらず、クレジットカードが作れる場合を考えてみましょう。クレジットカード会社としては「専業主婦であれば、配偶者=旦那さんの収入で生活している以上、旦那さんに支払能力があれば利用額を回収できる」と考えているはずです。
そのため、専業主婦の人がクレジットカードを作る場合は、配偶者=旦那さんの職業、収入、個人信用情報も審査において重要視されます。
クレジットカード会社にとって、経営上最も避けるべきリスクの1つが「クレジットカード会員が利用した分を回収できない」ことです。そのリスクを回避するためにも、特に専業主婦の人がクレジットカードを申し込む際は、配偶者=旦那さんの支払能力を慎重に見極める必要が出てきます。
兼業主婦であればハードルはやや下がる
一方、主婦は主婦でも、兼業主婦であればクレジットカードを作るためのハードルがやや下がるのも事実です。正社員である場合は言うに及ばず、契約社員、派遣社員、パートやアルバイト、在宅ワークの場合でも「何らかの仕事をして、収入を得ている」という事実は、クレジットカードの審査においてプラスになります。
旦那がブラックリストに載っている主婦がクレジットカードを作る上での2つの注意点
実際のところ、旦那さん本人から言い出さない限りは、本当に旦那さんがブラックリストに載っている=個人信用情報に異動情報が登録されているかどうかは、確認できません。しかし、ブラックリストに載ってしまうということは、遅かれ早かれ生活に支障が出るので、何となく気づける人も多いでしょう。そのような状態になってしまうと、主婦(特に専業主婦)の人の場合、クレジットカードの審査に通るのはかなり厳しくなります。
しかし「絶対に通らない」というわけでもないので、以下の2つの工夫をしてみましょう。
- パート、アルバイトでも仕事をしているなら職業欄は「専業主婦」以外にする
- 配偶者の情報を重視しないクレジットカードを申し込む
1.パート、アルバイトでも仕事をしているなら職業欄は「専業主婦」以外にする
専業主婦が年収0円であるにも関わらず、クレジットカードを作れるのは「配偶者=旦那さんの支払能力に問題がないから」という前提が成立しているためです。裏を返すと、この前提が崩れてしまうようなら、クレジットカードはまず作れません。
最も有効な対策として考えられるのは「どうにかして職業欄を“専業主婦”以外にすること」でしょう。
内定を得た時点で書いていい
もちろん、実際には外で働いていたり、在宅ワークをしていたりするのでない状態なら、職業は「専業主婦」と書かざるを得ません。しかし、旦那さんがブラックリストに載っている状態なら、どこかのタイミングで「家計を助けるために働いてほしい」と言われる可能性が高いです。その言葉を受けて、外で働くための再就職活動をし、すでに内定をもらったなら、その事実に基づいて職業欄を書きましょう。
2.配偶者の情報を重視しないクレジットカードを申し込む
クレジットカード会社によっても、申込書の情報をどこまで細かく記載させるかについては、扱いに差があります。配偶者の年収、勤務先についても、必須事項として扱うか、任意事項として扱うかは、実際はクレジットカード会社により対応にばらつきがあるのです。
本来は、クレジットカードを申し込む際は、申込書に設けられている記載事項は、できるだけ細かく記載したほうが、審査には通りやすくなります。しかし、旦那さん=配偶者がブラックだった場合は、逆に仇になりかねません。
流通系のクレジットカードは要注意
あくまで大まかな傾向ではありますが、流通系の会社=スーパー、デパートなどが発行するクレジットカードを専業主婦の人が申し込む場合は、特に注意が必要です。これらの会社は、専業主婦でもクレジットカードを申し込めるよう、配偶者の収入、支払能力を重視する前提で商品設計がなされています。
旦那がブラックリストに載っているためクレジットカードを作れない場合の解決策
本人が専業主婦で、配偶者=旦那さんの個人信用情報に問題がある場合、クレジットカードの審査に通らない確率は一気に上がります。本人も配偶者も、十分な支払能力がないと判断されてしまうためです。そうなると、クレジットカードの代わりに使えるキャッシュレスの決済手段を確保する必要が出てきます。
ここでは、そのような決済手段として
- デポジット型のクレジットカード
- 家族カード
- デビットカード
- プリペイドカード
の4つについて紹介しましょう。
1.デポジット型のクレジットカードを作る
デポジット型のクレジットカードとは、希望する利用限度額に応じたデポジット=保証金をあらかじめクレジットカード会社に預け、その範囲内で通常のクレジットカードと同じように利用できるカードのことを指します。日本国内で発行されているデポジット型のクレジットカードとして有名なのは、ライフカードが発行するものです。
ライフカード(デポジット型)
カード分類 一般カード
国際ブランド MasterCard
申込方法 Web申込み
発行スピード 最短3営業日
年会費(税込) 5,500円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) 10万円
ポイント還元率(下限) 0.50%
ポイント還元率(上限) 1.00%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=2.5マイル、300ポイント以上100ポイント単位)
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ iD利用、楽天Edy、nanaco
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
ショッピング保険/国内利用(最大) -
「審査」「発行期間」口コミ平均DATA
審査通過率
審査通過/申込者数ショッピング
限度額平均キャッシング
限度額平均カード発行
までの日数平均対応
満足度
ここで、デポジット型クレジットカードのメリットとデメリットについて考えてみましょう。
メリット
メリットは
- 見た目は通常のクレジットカードと変わらない
- ETCカードも発行できる
の2点です。
まず「見た目は通常のクレジットカードと変わらない」についてですが、このカードの券面は、通常のクレジットカードとほぼ同じものが用いられています。そのため、はた目からはそれがデポジット型のクレジットカードであることはまずわかりません。
また「ETCカードも作れる」ですが、デポジット型であってもクレジットカードであることには変わらないので、ETCカードを追加カードとして発行してもらえます。有料道路の料金の支払いもスムーズになる上に、様々な割引も受けられるのが大きなメリットです。
デメリット
一方、デメリットとしては「ある程度まとまった金額を用意しないといけない」ことが挙げられます。例えば、利用限度額を30万円にしたかったら、デポジットも30万円預けなくてはいけないのです。
2.旦那以外の家族に家族カードを作ってもらうよう頼む
クレジットカードは、本来は申込をした人の支払能力を審査し、所定の水準に達していると判断された場合にのみ、クレジットカード会社から貸与されるものです。そのため、クレジットカードの券面に記載された名前の本人以外は、いかなる理由があっても使うことができません。
このような背景があるため、一定の範囲内の家族が使えるようにするために、家族カードの追加発行を受け付けています。そこで、旦那さん以外の家族に家族カードを追加発行してもらうよう頼む方法について、メリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
メリットとしては「クレジットカード会員本人の利用状況に特に問題がなければ、スムーズに家族カードが発行される」ことです。
デメリット
一方、デメリットとしては次の3点が挙げられます。
- 請求および引き落としはクレジットカード本会員に対して行われる
- クレジットカード会社によって「家族」として扱われる範囲が違う
- 家族との関係次第で成否が分かれる方法である
まず「請求および引き落としはクレジットカード本会員に対して行われる」についてですが、言い換えると「いつどこでいくら使ったかが、全部家族に筒抜けになる」ということです。
また「クレジットカード会社によって「家族」として扱われる範囲が違う」についてですが、クレジットカード会社ごとに、家族カードの発行となる家族の範囲は異なります。例えば
- 生計を一にしている
- 同姓=同じ苗字である
などの条件が設けられているので、家族が使っているクレジットカードを発行している会社に問い合わせてみましょう。
最後に「家族との関係次第で成否が分かれる」ですが、家族カードを発行してもらうよう話を進めるときに、どうやって理由を説明するかが問題になります。
3.デビットカードを作る
デビットカードとは、加盟店=利用できるお店で買い物をし、支払いに使うとその場で銀行口座から引き落としが行われる決済用カードの一種です。
デビットカードのメリットとデメリットについて考えてみましょう。
メリット
メリットとして挙げられるのは、次の2つです。
- 銀行口座さえ作れればほぼ確実に作れる
- 銀行口座の残高分しか利用できないので浪費しにくい
まず「銀行口座さえ作れればほぼ確実に作れる」についてですが、デビットカードの発行に対応している銀行の普通預金口座があれば、ほぼ問題なくデビットカードを発行してもらうことはできます。
また「銀行口座の残高分しか利用できないので浪費しにくい」ですが、デビットカードは銀行口座の残高を超えて利用しようとすると、決済が通らないシステムになっています。
デメリット
一方、デメリットとしては「利用できない商品、サービスがある」ことが挙げられます。デビットカードは利用したその場で、支払元として指定した銀行口座からの引き落としが実行されるため「商品、サービスの値段が後で確定する取引」との相性が悪いという特徴があります。例えば
- レンタカー、ホテルのデポジット
- 飛行機の機内販売
- ガソリンスタンドでの給油
- 携帯電話料金の支払い
- ETCゲートの通過による高速道路料金の支払い
などには使えないとしているデビットカードも多いのです。