デビットカードを作る際の手続きは、やり取りにもあるように口座開設手続きができれば、それほど難しくありません。
そこで、今回の記事では
- デビットカードの作り方の基本
- 店舗型銀行でのデビットカードの作り方
- ネット銀行でのデビットカードの作り方
というポイントから、「実際にデビットカードを作れるようになる」ように、解説します。
デビットカードの作り方の基本
最初に、デビットカードの作り方について、いくつか事前に知っておきたい基本的事項を解説しましょう。
その銀行に預金口座があることが大前提
大前提として、デビットカードを作るには、発行している銀行に普通預金口座を持っていなくてはいけません。
例えば、「みずほJCBデビット」を作りたい場合は、みずほ銀行の普通預金口座が必須です。同様に、「JNB Visaデビットカード」を作りたい場合も、PayPay銀行の普通預金口座を用意しなくてはいけません。
口座開設と同時に作ることもできる
と思うかもしれませんが、そこは心配する必要はありません。ほとんどの銀行で、口座開設手続きと同時にデビットカードの申し込み手続きができます。
オンラインで手続きを行う場合は、申し込み情報の入力画面に、デビットカード発行に関する希望を入力する項目があるので、指示に従って入力しましょう。また、銀行店舗で手続きを行う場合は、行員から説明があるはずです。
一体型か分離型を確認する
デビットカードを、銀行口座の開設と同時に作る場合、1つ確認しておくべきことがあります。
日本の銀行が発行するデビットカードは、一体型と分離型に分かれます。簡単にまとめると以下の通りです。
一体型 | キャッシュカードにデビットカードの機能が付帯している。 |
---|---|
分離型 | キャッシュカードにはデビットカードの機能が付帯していないため、別に1枚カードを持つ必要がある。 |
一体型を採用している銀行の代表例が、りそな銀行です。りそな銀行が発行する「りそなデビットカード」は「Visaデビット機能付ICキャッシュカード」と称されている通り、キャッシュカードとデビットカードが一体になっています。
出典:りそな銀行
一方、分離型を採用している銀行の代表例が、みずほ銀行です。みずほ銀行が発行する「みずほJCBデビット」は、キャッシュカードとは別に発行されます。
出典:1分でわかるデビットカード(みずほJCBデビット) | みずほ銀行
口座開設の後に作ることもできる
デビットカードは、銀行口座を開設した後でも、追加で申し込むことが可能です。その際
- すでに持っているキャッシュカードをデビットカード機能が付帯したものに切り替える
- デビットカードを追加で発行してもらう
のどちらで対応してもらうことになるのかは、銀行によって扱いが異なるので、確認しましょう。
届くまで時間がかかる場合もある
また、デビットカードもしくはデビットカード機能が付帯したキャッシュカードの受け取りまでにどれぐらい時間がかかるかは、銀行によってもまちまちです。例えば、店舗型銀行の三井住友銀行で発行されている「SMBCデビット」の場合、カードの受け取りにまでかかる時間は、1週間~10日程度とのことです。
Q.SMBCデビットカードはどのくらいで届くのでしょうか?
A.お申込から約1週間~10日程度で簡易書留(※)にてお届けいたします。
出典:SMBCデビットカードはどのくらいで届くのでしょうか? | よくあるご質問 : 三井住友銀行
また、ネット銀行のPayPay銀行で発行されている「JNB Visaデビットカード」の場合、カードの受け取りまでにかかる時間は最短5日と説明されています。
出典:お申し込みから最短5日でキャッシュカードが届く|PayPay銀行
もし「できるだけ早くデビットカードを受取りたい」という場合は、店舗でデビットカード機能が付帯したキャッシュカードを発行してくれる銀行にいきましょう。例えば、りそな銀行(埼玉りそな銀行、関西みらい銀行)の場合、最短30分で当日発行が受けられるとのことです。
店舗型銀行でのデビットカードの作り方
実際に、都市銀行・地方銀行などの店舗型銀行=街中に支店を構えている銀行でデビットカードを作る場合の基本的な流れを解説しましょう。
1.普通預金口座を開設する
最初に、デビットカードを作りたい銀行の普通預金口座を開設しましょう。
口座開設に必要なもの
手続きをオンライン、店舗のいずれで行う場合でも、本人確認書類の提出を求められます。何が本人確認書類として認められるかは、銀行によっても多少の差があるので、事前に確認しましょう。例えば、りそな銀行の場合、以下に掲げるものが本人確認書類として認められます。
また、店舗型銀行の多くでは、銀行印の登録も求められます。インク式の印鑑やゴム印でなければ、基本的には何でも使えますが、偽造されるリスクを考えると、安くてもいいので印鑑を作るのがおすすめです。
ここからは、多くの銀行で扱っている方法として
- パソコン
- アプリ
- 店舗
で手続きをする際の基本的な流れを解説しましょう。
パソコンからの手続きの例
みずほ銀行の場合
- パソコンで情報を入力して申込書を作り、最後に印刷して郵送する
- あらかじめ申込書を印刷し、必要事項を記入して返送する
の方法で、手続きを受け付けています。ここでは、前者の場合を想定して解説しましょう。
大まかな流れは、以下の通りです。
1.フォームを入力する
こちらのリンク先に飛び、画面内の「申込書をお客さまご自身で印刷」をクリックしましょう。
内容をよく読み、理解できたら「同意する」をクリックしてください。
出典:みずほ銀行:[みずほ総合口座・みずほマイレージクラブ・みずほダイレクト・みずほJCBデビット・カードローン] :お申し込みにあたってのお願い・ご注意事項
次のように、必要事項を入力する画面が出てきます。入力を進めていきましょう。
必要事項をすべて入力したら、最後に「送信」をクリックしてください。入力した情報が反映された申込書を印刷できます。
2.捺印し、郵送する
申込書および宛名用紙が印刷できたら、捺印し、郵送しましょう。このときの印鑑は、銀行印として使うものを押してください。また、本人確認書類もこの時に同封します。本人確認書類として使えるものおよび条件は、こちらのページで詳しく解説されています。
出典:インターネット・郵送で口座開設する際の本人確認書類 | みずほ銀行
出典:インターネット・郵送で口座開設する際の本人確認書類 | みずほ銀行
- 捺印済の申込書
- 本人確認書類
を封筒に入れ、宛名用紙を表面に張ってポストに入れれば、手続きは完了です。
アプリからの手続きの例
アプリからの手続きの流れは、以下の通りです。
1.アプリをダウンロードする
手続きを開始する前に、アプリをダウンロードしましょう。
2.必要事項の入力
出典:「口座開設&マイナンバーお届けアプリ」で口座開設 | みずほ銀行
アプリをダウンロードしたら、案内に沿って運転免許証を撮影し、必要事項を入力して、送信します。
3.本登録
出典:「口座開設&マイナンバーお届けアプリ」で口座開設 | みずほ銀行
必要事項の入力を済ませると、仮登録メールが送られれてきます。メールの本文内にあるURLにアクセスすると、本登録に必要な情報を入力する画面になるので、入力し、送信しましょう。内容に不備がなければ、本人限定受取郵便で通帳・キャッシュカードが届きます。
店舗での手続きの例
店舗での手続きにあたっては
- 印鑑
- 本人確認書類
が必要になります。これらを持ち、銀行窓口の営業時間内に店舗を訪れましょう。普通預金口座を開設したい旨を伝えれば、手続きを進めてくれます。
一点注意したいのは、「みずほ銀行の場合、その場で受け取れるのは通帳だけ」ということです。公式ホームページによれば、店舗で申し込みをした際の各種書類・カードの郵送の流れは、以下のようになっています。
つまり、申し込みをしてから実際にデビットカードを受取れるまで、かなりのタイムラグが生じるため、注意しましょう。
ネット銀行でのデビットカードの作り方
ネット銀行の場合、普通預金口座の開設とともにデビットカード機能が付帯したキャッシュカードが交付されるパターンが主流です。そこで今回は、PayPay銀行の場合を例にして、解説します。
普通預金口座を開設する
以下のページにアクセスしましょう。
このような入力フォームが表示されるので、必要事項を入力してください。
[入力が終わったら、本人確認書類の送信方法を選びましょう。
- アプリを使う
- 郵送で申込書を取り寄せる
のいずれかで行います。
アプリを使って本人確認書類を送信する方法を選んだ場合、必要事項を全部入力し、送信すると以下のような画面に切り替わります。画面のガイダンスを読み、本人確認書類を送信しましょう。
既に口座を開設していた場合は?
ネット銀行でも、従来はデビットカードの扱いがなかったものの、あとになってデビットカードの発行を開始したケースがあります。この場合、デビットカードを手に入れる際は
- 分離型のデビットカードを別に発行してもらう
- デビットカード機能付きのキャッシュカードに切り替えてもらう
のいずれかで銀行に対応してもらうことになるでしょう。
デビットカードの作り方、こんな時はどうする?
最後に、デビットカードを作る際に、特別な対応が必要になるケースとして
- 海外赴任する予定がある
- 近くにデビットカードを扱っている銀行がない
の2つを解説します。
1.海外赴任する予定がある
実は、海外に住んでいる日本人が、日本に住んでいた時に作った日本の銀行口座を使い続けたい場合は、注意が必要です。
なお、非居住者によるサービスの利用に制限を設ける場合の「非居住者」として具体的にどんな人が含まれるのかは、銀行によって扱いに多少差があります。例えば、三菱UFJ銀行の場合、非居住者の範囲に含まれるのは、以下に当てはまる人です。
非居住者のお客さまとは
以下の条件に当てはまる方は非居住者となります。当該お客さまにかかる、国内振込のお取扱いを一部変更させていただきます。・日本人で、外国にある事務所で働いている方(*1)、海外に2年以上滞在している方
および海外に2年以上滞在する目的で出国し海外に滞在している方
・外国人で、外国に住んでいる方、日本へ入国後6ヶ月未満の方(*2)
・外国人で、外国において任命された外交官又は領事官関係者、在日米軍関係者
・外国にある外国法人、日本法人の海外支店・出張所
・日本にある外国政府の公館および国際機関
(*1)日本の在外公館に勤務する方は居住者となります。(*2)外国人で、日本にある事務所で働いている方、入国後6ヶ月以上経過している方は居住者となります。
出典:非居住者の国内振込に係るお取扱いの変更について | 三菱UFJ銀行
ネット銀行は避けたほうが無難
- 非居住者に含まれる人の範囲
- 非居住者に対してのサービスの提供
の扱いについては、実際のところ、各銀行によって扱いがまちまちです。
例えば、楽天銀行の場合は「非居住者は普通預金口座および関連するサービスを利用できない」と規定しています。
5.(非居住者による利用)
非居住者は楽天銀行口座を利用できません。また、すでに楽天銀行口座の利用を開始しているお客さまが非居住者になる場合は、事前に当行所定の方法により、当行へ通知のうえ、楽天銀行口座を解約しなければならないものとします。
また、PayPay銀行の場合も、「海外で納税義務が生じる場合は、普通預金口座および関連するサービスを利用できない」という規定を設けているのです。
第1条 預金口座取引
1.当社と預金口座取引が行えるお客さまは、日本国内に居住し、税法上の居住地国が日本のみである満15歳以上の個人、もしくは日本国内の事業者であり納税義務のある国が日本である法人事業者(個人事業者および日本国内において登記された法人事業者で、日本国外に本店または主たる事業所を有する事業者を除く)のうち当社が認めた先に限らせていただきます。
ここで挙げた例以外にも、ネット銀行は非居住者による口座の利用ができない場合が多いのが実情です。
非居住者向けサービスを展開している銀行のまとめ
海外で日本の銀行が発行したデビットカードを使いたい場合、同時に非居住者向けサービスの契約も行いましょう。非居住者向けサービスを展開している銀行をまとめました。
- 三菱UFJ銀行「グローバルダイレクト」
- 三井住友銀行「SMBCダイレクト・グローバルサービス」
- みずほ銀行「海外勤務者向け日本国内送金サービス」
2.近くにデビットカードを扱っている銀行がない
都市銀行、地方銀行を問わず、店舗型銀行でもデビットカードを扱っているところは増えてきました。しかし、すべての銀行でデビットカードを扱っているわけではありません。
仮に、自分が住んでいる・通勤している地域の近くに、デビットカードを扱っている銀行がない場合、どうすればいいのかを考えてみましょう。
ネット銀行の口座を開設する
1つの解決策として考えられるのは、ネット銀行の口座を開設し、デビットカードを発行してもらうことです。ネット銀行は特定の店舗を構えず、顧客とのやり取りはすべてオンラインで行います。
特定の店舗を構えないため、日本国内で使う前提であれば、どこに住んでいても利用可能です。「店舗があること」にこだわらなければ、ネット銀行でも十分に用は足りるでしょう。
自分に合ったネット銀行のデビットカードが欲しければ、こちらの記事も参考にしましょう。
ゆうちょ銀行の口座を開設する
それでも「やっぱり店舗がある銀行のほうがいい」と思うなら、ゆうちょ銀行の口座を開設し、デビットカードを発行してもらいましょう。
2019年12月現在、日本の全都道府県で実店舗を構えて営業しているのは、ゆうちょ銀行とみずほ銀行だけです。しかし、みずほ銀行の場合、地方においては郊外に出てしまうと直営ATMが見つけられないことも十分に考えられます。ゆうちょ銀行であれば、基本的に郵便局がある場所でならどこでも使えるので、直営ATMが全く見つからない可能性は低いです。
ゆうちょ銀行のデビットカード「ゆうちょVisaデビットカード(プリペイド機能付き)/mijica(ミヂカ)」については、この記事でも詳しく解説しています。
まとめ
デビットカードは、普通預金口座を開設さえできれば、審査を受けずに申し込むことができます。
しかし
- カードの受け取りまでにかかる時間
- 海外での利用の可否
は、銀行によってまちまちです。
- 何のためにデビットカードを作りたいか
- いつまでにあればいいか
を考えて進めましょう。