近年、格安SIMが注目されています。格安SIMとは、大手携帯電話会社に比べて非常に安い価格で利用できるスマートフォン(格安スマートフォン)の中に搭載されているSIMカードのことです。大手携帯電話会社から乗換をすると、毎月の携帯電話料金を大幅に安くできるということで、節約志向の人に支持されています。
しかし、デビットカードで格安SIMを利用しようとする場合、いくつか注意が必要です。そこでこの記事では
- 【2020年版】デビットカードで契約可能な格安SIM業者4選
- デビットカードで格安SIMを契約する3つのメリット
- デビットカードで格安SIMを契約する6つのデメリット
について解説しましょう。
【2020年版】デビットカードで契約可能な格安SIM業者4選
最初に、デビットカードで契約可能な格安SIM業者として
- 楽天モバイル
- J:COMモバイル
- mineo
- UQモバイル
の4つを紹介します。
楽天モバイル
出典:楽天モバイル:安心・お得な格安スマホ(スマートフォン)/格安SIM
オンラインショッピング「楽天市場」、クレジットカード「楽天カード」など、多様なビジネスを展開する楽天グループの格安SIM業者です。月額使用料などの毎月発生する料金、契約時・解約時の事務手数料の支払いに、デビットカードが使えます。
「楽天銀行デビットカード」「スルガ銀行デビットカード」のご登録が可能です。「楽天銀行デビットカード(JCB,Visa)」でのお支払いで、ご利用料金の1%分の楽天ポイントが貯まります。
出典:楽天モバイル:クレジットカード/デビットカードでのお支払い
料金プラン
楽天モバイルの料金プランを大分すると
- スーパーホーダイ
- 組み合わせプラン
の2つに分かれます。
スーパーホーダイ
毎月利用できるデータ容量によって基本料金が決まるプランです。どのプランであっても
- データ容量を使いきっても最大1Mbpsで使い放題
- 国内通話10分かけ放題
がついているのが特徴です。
組み合わせプラン
毎月利用できるデータ容量を決めた上で
- データ通信のみに使う
- データ通信とSMSの受信に使う
- データ通信と通話に使う
ことを想定して組み立てるプランです。
J:COMモバイル
出典: J:COM MOBILE | 格安スマホ・格安SIMのJ:COM
ケーブルテレビ「J:COM」が運営する格安SIMのサービスです。料金プランの特徴として
- データ通信料ごとに料金が異なる
- 通話料・SMS通信料は別途かかる
ことが挙げられます。
デビットカードでも利用は可能ですが、発行している銀行によっては利用できないこともあるので注意しましょう。
※ デビットカード、プリペイドカードはご登録いただけない場合がございます。クレジットカードでのご登録をお願いします。
出典:J:COM MOBILE で取り扱い可能なクレジットカードについて教えてください。 | JCOMサポート
料金プラン
月額基本料金は、長期契約か標準契約かで異なります。
出典:月額基本料金・通話料・SMS通信料 | J:COM MOBILE | 格安スマホ・格安SIMのJ:COM
長期契約とは、以下の条件を満たす場合に月額料金が安くなるタイプの契約のことです。
J:COM MOBILE Aプラン スマホセット長期契約タイプご契約条件
同一名義・同一回線にて2年間の継続利用。
前記条件を満たさなくなった場合かつ、世帯内でご契約中のJ:COM MOBILE Aプランのうち、[3GB/10GB]のすべてを解約された場合は8,550円(税込)、[0.5GB]のすべてを解約された場合は5,280円(税込)の契約解除料金が必要となります。
継続期間終了後は、同ご契約条件(前記1、2)での自動更新となります。
ご契約は、1世帯あたり最大5回線まで。1回線につき、J:COM MOBILE(AプランまたはDプラン)、タブレットセットいずれか1台/1枚のみ。
出典:月額基本料金・通話料・SMS通信料 | J:COM MOBILE | 格安スマホ・格安SIMのJ:COM
また、通話料・SMS通信料は以下の通りです。
出典:月額基本料金・通話料・SMS通信料 | J:COM MOBILE | 格安スマホ・格安SIMのJ:COM
mineo
出典:料金表(基本)|格安スマホ・SIM【mineo(マイネオ)】
関西電力のグループ会社「オプテージ」が運営する格安SIMです。契約期間の長短により利用料金が変わらない上に、3大キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)で使っていた端末であれば、SIMカードを入れ替えるだけですぐに使い始められます。
デビットカードでも利用可能ですが、発行している銀行によっては利用できない場合もあるので、事前に確認しましょう。
Q.料金の支払いに、デビットカードは利用できますか?
A.はい、デビットカード・プリペイドカードがお支払いにご利用いただけます。
※ 発行会社によっては、電気、ガスなどの公共料金や携帯電話料金などへのご利用を制限されている場合がございます。発行会社にお問い合わせください。
出典:mineoユーザーサポート|よくあるご質問|サービス検討中のお客さま 基本サービスに関するよくあるご質問|料金の支払いに、デビットカードは利用できますか?
料金プラン
料金プランは大別すると
- デュアルタイプ(音声通話+データ通信)
- シングルタイプ(データ通信のみ)
の2つに分かれます。それぞれの料金プランは、以下の通りです。
デュアルタイプ
出典:料金表(基本)|格安スマホ・SIM【mineo(マイネオ)】
シングルタイプ
出典:料金表(基本)|格安スマホ・SIM【mineo(マイネオ)】
エココース
これらの料金プランにはエココースが設定されています。エココースとは簡単に言うと
- 通勤・通学時
- お昼休み
- 帰宅時
などの混雑がピークとなる時間に、通信速度の制限がかかるコースです。
出典:mineo「エココース」の提供開始について │ プレスリリース │ オプテージ
割引額は、以下の通りです。
出典:mineo「エココース」の提供開始について │ プレスリリース │ オプテージ
UQモバイル
出典:【公式】UQ mobile(モバイル)│安心・お得の格安スマホ/格安SIMで【顧客満足度No.1】
大手携帯電話会社のKDDI系列の格安SIMサービスです。「Try UQ mobile」といって、今使っているスマートフォンに差し替えるだけで利用できるSIMを使い、15日間UQ モバイルを実際に使うことができるサービスがあります。
UQモバイルも、支払いにデビットカードを使うことが可能です。
Q.月額料金の支払いにデビットカードは使えますか?
A.デビットカードの月額料金お支払いへのご利用は、発行カード会社の基準によります。詳しくは発行カード会社・金融機関へお問い合わせください。
出典:月額料金の支払いにデビットカードは使えますか? | よくあるご質問|【公式】UQ mobile|UQコミュニケーションズ
料金プラン
UQモバイルの料金プランは、データ容量と通話オプションの中から、自分が好きなものを選んで組み合わせるシステムになっています。
- 必要なデータ容量
- 電話の頻度
で、自分に最適なプランを選びましょう。
出典:スマホプラン│格安スマホ/SIMはUQ mobile(モバイル)|【公式】UQコミュニケーションズ
デビットカードで格安SIMを契約する3つのメリット
デビットカードで格安SIMを契約するメリットとして挙げられるのは
- 高校生でも使える
- クレジットカードが作れなくても使える
- 毎月の利用状況がメールで届く
の3点です。それぞれについて、詳しく解説しましょう。
1.高校生でも使える
一般的に、クレジットカードの申込ができるのは18歳以上です。18歳に達していても、高校在学中であれば受け付けてくれない場合がほとんどなので、高校生がクレジットカードを使うのはほぼ無理と考えていいでしょう。
しかし、デビットカードであれば、一部の例外を除き、15歳以上であれば申し込みができます。
高校生がデビットカードを使う際のアドバイスは、この記事にまとめました。
ゆうちょ銀行のデビットカードについては、この記事で詳しく解説しています。
このため、デビットカードで契約できる格安SIMなら、高校生であっても利用可能です。
- 高校進学を機にスマートフォンを持たせたいけど、大手キャリアは高い
- 高校生になったら自分のスマートフォン代くらいはアルバイトで払ってもらいたい
という事情があるなら、ぜひ活用してみましょう。
2.クレジットカードが作れなくても使える
原則として、デビットカードは審査=与信審査なしで作ることが可能です。このため
- クレジットカードを強制解約になった
- 任意整理、自己破産などの債務整理をした
人であっても、デビットカードを支払い元にして格安SIMを利用できます。
3.毎月の利用状況がメールで届く
ほぼすべてのデビットカードに「利用通知メール」機能が付帯しています。これは、デビットカードで支払いを行った際に、利用日時・金額等をメールで知らせてくれる機能です。格安SIMの通話料金をすぐに確認できるので
- 使いすぎていないか
- 料金プランを変更したほうがいいか
などの視点で、こまめに見直しを図れます。
格安SIMの契約でおすすめのデビットカードはこちら
デビットカードで格安SIMを契約する6つのデメリット
一方、デビットカードで格安SIMを契約することには、デメリットもあります。
- 銀行口座の残高次第では使えないこともある
- 対応している業者が少ない
- 審査に通りにくい
- 銀行側で利用を拒否していることもある
- 端末購入代金の支払いには使えないこともある
- 使える銀行が指定されていることもある
の6点について解説しましょう。
1.銀行口座の残高次第では使えないこともある
大前提として、デビットカードは銀行口座の残高を超えて利用することはできません。このような性質を有しているため、仮に銀行口座の残高を超える請求が行われた場合は、支払いができなくなってしまいます。
実際は、引き落としができなかった時点で格安SIM業者から連絡がくるはずなので、再引き落としを待ったり、納付書を用いて払ったりすれば、支払い自体はできます。しかし、こういうことが頻繁に起きるようだと、最終的には強制解約になるケースもあるので、注意しましょう。
2.対応している業者が少ない
格安SIM業者の中で、端末の割賦購入代金、月額基本料などの毎月発生する料金、契約時・解約時の事務手数料の支払いをデビットカードで行えるとしている業者は、実は少ないです。
例えば、大手格安SIM業者の1つ・IIJmioでは、公式ホームページで「デビットカードは使えない」旨を明言しています。
Q
デビットカードは使えますか?A
デビットカードはご利用いただけません。
出典:mioQA
格安SIM業者ごとに対応に差はあるので、一概には言えませんが、デビットカードでの利用を断る理由として考えられるのは
- 代金を回収できないリスクがある
- 代金の督促にかかるコストを削減したい
ことでしょう。
デビットカードは原則として、銀行口座の残高を超える金額で利用することはできません。このため、万が一、格安SIM業者が請求した金額が銀行口座の残高を超えていた場合は、代金の支払いが滞ってしまうのです。
もちろん、実際は滞った時点で利用者に通知し、再度の引き落としや納付書による支払いを求めます。これらの対応が追加で必要になることで、コストも余計にかかるのを考えると、格安SIM業者の立場からすると、なるべくなら避けたい手間であるのは言うまでもありません。
3.審査に通りにくい
格安SIMを含め、携帯電話を購入し、利用する場合は所定の審査が行われます。
- 過去の携帯電話料金の支払い状況
- 住宅ローン、車のローン、奨学金などの返済状況
など、様々な情報を分析し、携帯電話端末の割賦料金や月額利用料を払い続けていけるか判断するのです。このとき、クレジットカードではなくデビットカードを月々の支払いに利用することが、審査にマイナスに影響することもあります。
つまり「本当にその人に支払能力があるか」が判断できない以上、審査は厳しくなります。どうしてもデビットカードでなくてはいけない、という事情がない限りは、クレジットカードを利用したほうが審査には通りやすいでしょう。
4.銀行側で利用を拒否していることもある
デビットカードを発行する銀行によっては、過去にトラブルが多く発生したなどの理由で、一部の加盟店で支払いに使えないとしている場合があります。格安SIMの支払い=携帯電話料金の支払いを拒否しているデビットカードも存在するのです。
例えば、みずほ銀行が発行する「みずほJCBデビット」の場合、次のように規定されています。
みずほJCBデビットは、登録型加盟店(カード番号を登録し、継続的にご利用額をお支払いいただく加盟店)、一部のタクシー、レンタカー、ホテル、高速道路通行料、機内・車内販売、ガソリンスタンド等でご利用いただけません。くわしくは以下をご確認ください。
(中略)
カード番号を登録して継続的に利用額を支払う加盟店
(公共料金、携帯電話料金、インターネットサービスプロバイダー料金等)
一方、三菱UFJ銀行が発行する「三菱UFJデビット」の場合、公共料金や携帯電話料金の支払いに使えます。
格安SIMを含む携帯電話料金の支払いについては、銀行によって対応が全く異なるので、事前に確認するといいでしょう。
5.端末購入代金の支払いには使えないこともある
デビットカードでの支払いを受け付けている格安SIMであっても、端末購入代金の支払いにはデビットカードが使えないとしている場合も多々あります。
つまり
- 月額基本料
- オプション料金
- 通話料
- ユニバーサルサービス料
など、毎月発生する費用や、契約・解約にあたっての事務手数料の支払いにのみ、デビットカードを使えるようにしているということです。
例えば、楽天モバイルでは、端末を一括購入する場合であればデビットカードが使えますが、分割購入する場合は使えません。
理由としては
分割購入をする場合は与信審査が必要になるから
が考えられます。
つまり、分割購入をし、月々の代金を支払っている状態が続く限りは、携帯電話会社(ここでは楽天モバイル)は利用者が本来支払うべき分を立て替えている状態になるのです。この状況では、利用者が「分割購入代金の返済ができなくなること」が重大な経営上のリスクになりえます。
デビットカードは、銀行口座さえ開設できれば、ほぼすべての人が問題なく持てるものです。
このような事情もあるため、端末購入代金の支払いには、デビットカードが使えないことが多いのです。
6.使える銀行が指定されていることもある
格安SIM業者の側から、支払いに使えるデビットカードの発行銀行を指定しているケースもあります。
例えば、楽天モバイルの場合、楽天銀行・スルガ銀行から発行されたデビットカード以外は使えません。
「楽天銀行デビットカード」「スルガ銀行デビットカード」のご登録が可能です。「楽天銀行デビットカード(JCB,Visa)」でのお支払いで、ご利用料金の1%分の楽天ポイントが貯まります。
出典:楽天モバイル:クレジットカード/デビットカードでのお支払い
どうしても使いたい場合は、指定された銀行のデビットカードを作りましょう。
上手に節約するには?
公正取引委員会がまとめた格安SIMの利用に関するアンケートによれば、格安SIMを使う理由として圧倒的に多かったのは「大手キャリア(MVO)よりも格安SIM(MVMO)のほうが利用料金が安いから」でした。
安いだけあって、通信速度やサービスなど、大手キャリアに比べると遅れを取っている部分はありますが、「携帯電話は話せればいい」「最低限のやりとりができればいい」という人なら、さほど問題はないはずです。格安SIMを使うなら、デビットカードも上手に活用して、うまく節約できるようにしましょう。