高校を卒業し、大学、短大、専門学校に進学すれば、未成年のうちは、親=親権者の同意が必要なものの、クレジットカードが持てるようになります。これは、家族カードを発行してもらう場合でも、自分でクレジットカードを別に申し込む場合でも同じです。
そこで今回の記事では、家族カードを持つ場合と、自分で申し込んだクレジットカードを持つ場合に分けて、メリット・デメリットを解説しましょう。
学生が家族カードを持つメリット・デメリット
本来、クレジットカードは「クレジットカード会社が支払能力を審査した上で、適当と認めた場合にのみ貸与するもの」です。
代わりに、家族が使えるカードとして、実際に使う家族の名前が入った家族カードを発行しています。この家族カードを学生が持つメリット・デメリットについて考えてみましょう。
クレジットカード受け取ったら裏の署名欄に署名するようにとか契約した本人しか使えないとか家族で使いたかったら家族カード発行するようにとか諸々規約にちゃんと書いてあるのに読んでない奴多すぎ。それでこっちが説明したら他ではそんなこと言われたことないとか言ってキレるし意味わかんねぇ
— 水蓮 (@suiren_04) May 24, 2017
メリット
メリットは
- 簡単な手続きで持てる
- 請求は家族の口座に対して行われる
- 高校生であっても持てる可能性がある
- ステータスの高いカードも使える
の4つです。
1.簡単な手続きで持てる
家族カードを追加発行してもらうには、クレジットカード本会員から、クレジットカード会社への手続きを行います。クレジットカード会社によって扱いに差はありますが
- オンラインで手続きが完結する
- 電話やオンラインで資料請求し、必要事項を記入して返送する
のが一般的です。
そして、家族カードを発行してもらうのに、実際に使う人の支払能力は問題になりません。詳しくは後述しますが、家族カードでの利用分は、クレジットカード会員本人の銀行口座からまとめて引き落とされるためです。
@gari_rin なんというか、新規クレカ作るのには反対じゃないんだよ。私「新規で作りたい」父「家族カードにすれば」母「作れんの?」父「いや知らんけど」母「また勝手なこと言って…」父「じゃあ新規にしたら」って会話があってな… 私が最終的にイラついて「家族カードでいい」って
— 月原 (@negiasagi) October 28, 2012
2.請求は家族の口座に対して行われる
家族カードは、あくまでクレジットカード本会員の希望により追加発行されるカードです。そのため、家族カードでの利用分は、クレジットカード本会員の利用分と合算し、請求が行われます。
3.高校生であっても持てる可能性がある
- 日本の高校に在学している間に海外に交換留学生として派遣される
- 中学卒業後は海外の高校に進学する
など単独で海外に長期間滞在する場合は、高校生であってもクレジットカードを持てる可能性があります。
この場合、家族カードの発行で対応するケースがほとんどです
4.ステータスの高いカードも使える
クレジットカードには、ステータスがあります。
簡単に言うと、クレジットカードの会員ランクのことです。
一般的に、学生である間は「安定継続した収入がない」とされるため、ゴールド以上のステータスを有するクレジットカードには申し込みにくいのが事実です。
しかし、家族カードであれば、原則として「クレジットカード本会員が使っているのと同じクレジットカード」が発行されるため、学生であっても、ゴールドやプラチナなど、ステータスの高いカードが使えます。
ステータスの高いカードについている特典である
- 補償額が大きい海外旅行保険による保障
- 空港でのラウンジ利用
- レストラン、ホテルの手配
などのサービスも受けられるのは、大きなメリットでしょう。
デメリット
一方、デメリットとしては
- 家族の同意がないと持てない
- 使いすぎるともめる原因になる
- 家族にお金の使い道がばれてしまう
- ポイントは受け取れない
- クレヒスに反映されない
の5つが挙げられます。
1.家族の同意がないと持てない
大前提として、家族カードはあくまで「クレジットカード本会員からの請求により」発行されるものです。つまり、実際にクレジットカードを使っている家族に手続きをしてもらわないと、家族カードは持てません。
これは個人の価値観や考え方にもよるのですが「学生のうちはクレジットカードを使わせたくない」と考えている家族がいた場合、話の進め方次第では、家族カードを持つことに同意してもらえない恐れもあります。
2.使いすぎるともめる原因になる
家族カードを発行してもらったとしても、油断はできません。家族カードを使った場合、請求額の支払いはクレジットカード本会員の銀行口座から行われます。
家族カードを無節操に使ってしまうと、クレジットカード本会員である家族から反感を買います。
3.家族にお金の使い道がばれてしまう
家族カードを利用した場合、請求はクレジットカード本会員の利用分と合わせて「クレジットカード本会員に対して」行われます。
4.ポイントは受け取れない
ほとんどのクレジットカードでは、利用額に応じたポイント・マイルが付与されます。
しかし、これらのポイント・マイルはあくまでも「クレジットカード本会員に対して」付与されるものです。
自分が好き勝手に使うことはできないので、注意しましょう。
5.クレヒスに反映されない
クレジットカードの利用履歴のことを、クレジットヒストリー(クレヒス)と言います。クレジットカード会社は、クレヒスを定期的にチェックし
- 会員資格継続の可否
- ステータス上位のクレジットカードの紹介
の判断を行っているのです。当然、クレジットカードを使い、毎月の請求日にコンスタントに返済するのを続ければ、良いクレヒスが蓄積されていきます。
しかし、家族カードをいくら利用したとしても、クレジットカード本会員である家族のクレヒスが良くなるだけで、自分のクレヒスはよくなりません。
家族カードでトラブルに巻き込まれないための対策
家族カードを巡ってトラブルにならないためには、どうすればいいのでしょうか。基本的な対策として
- 親に出してもらう支払いに使うのが基本と考える
- 使うときは一声かける
- お金の使い道がわかるとまずい場合は使わない
の3つについて説明しましょう。
1.親に出してもらう支払いに使うのが基本と考える
学生である場合は
- 授業で使う教科書
- 実験で使う白衣、ゴーグル
- 資格試験の受験料
など、勉強に関連するものなら親が出してくれることも多いでしょう。しかし、一度立て替えて、あとで請求するのは、金額の面から見ても、手間の面からみても現実的ではありません。家族カードを持っていれば、このような問題は解決されます。
2.使うときは一声かける
家庭によって、「何をどこまで出してくれるか」は様々です。厳しい家もあれば、比較的自由な家もあるでしょう。
しかし、自分の家がどちらに当てはまるかを問わず、家族カードを使うときは、一声かけるのがマナーです。
3.お金の使い道がわかるとまずい場合は使わない
学生にもなれば、たとえ法律上は問題がなくても、家族に知られたくないお金の使い方の1つや2つはあるはずです。そのような支出は、自分のクレジットカードで行いましょう。
学生が自分のクレジットカードを持つメリット・デメリット
学生が自分でクレジットカードを申し込み、発行されたら使うことにも、メリットとデメリットがあります。
メリット
自分のクレジットカードを持つメリットは
- 自分で好きなように使える
- ポイントを受け取れる
- クレジットヒストリーを積み上げられる
の3点です。
1.自分で好きなように使える
自分でクレジットカードを申し込んだ場合、支払元になる銀行口座は、自分名義のものになります。つまり、自分のお金を自分で使っているのだから、使い道で文句を言われることもないし、詮索されることもありません。
2.ポイントを受け取れる
自分で作ったクレジットカードであれば「クレジットカード本会員」は自分自身になります。当然、利用することで付与されたポイント・マイルも、自分が自由に使って構いません。
3.クレジットヒストリーを積み上げられる
自分で作ったクレジットカードを使い、期限通りに支払いをしていけば、クレヒスを積み上げられます。早い段階でクレジットカード会社に優良顧客として認識されれば、ゴールド、プラチナなどのステータスが高いクレジットカードも、それだけ早く手に入るでしょう。
学生カードはよほど使ってないとか事故ったとかない限り一定の年齢で通常のカードに切り替わるしそこからクレヒスも積めるので学生カードはマジで有用。
— towaco (@towacofox) September 23, 2019
デメリット
一方、自分で作ったクレジットカードを持つことには
- 常に銀行口座の残高に気を配らないといけない
- トラブルがあったらすべて自己責任
- 高校生である場合はまず持てない
の3つのデメリットがあります。
1.常に銀行口座の残高に気を配らないといけない
クレジットカードを持つうえで、最も避けるべきことの1つが、延滞・滞納です。目安として61日以上の延滞・滞納があった場合、個人信用情報に異動情報として登録されてしまいます。
また、長期間の延滞・滞納ではなかったにせよ、しょっちゅう期限に遅れるようでは、クレジットカード会社内部で「要注意人物」としてマークされるでしょう。
クレジットカード会員資格の継続の可否の判断は、あくまでクレジットカード会社の責任において行われます。そのため、クレジットカード会社が「会員資格を継続させたくない」と判断したら、強制解約されてしまうおそれもあるのです。
2.トラブルがあったらすべて自己責任
- 延滞、滞納を繰り返した
- 他人にクレジットカードを貸した
- クレジットカードの現金化に手を出した
これらは、すべてクレジットカードの強制解約の原因になるものです。また、延滞、滞納を繰り返すということは、支払能力があまりにないのを意味するため、将来的には債務整理も考えなくてはいけないでしょう。
このようなトラブルが原因で、個人信用情報に異動情報が登録されたとしても、すべて自分で責任を取らなくてはいけません。自分の個人信用情報に異動情報が登録されてしまうと
- クレジットカードを新規で作ったり、継続して使うことができない
- 携帯電話の端末を分割購入できない
- 住宅ローン、車を購入する際のローンが組めない
など、その後の人生に様々な弊害がもたらされます。
3.高校生である場合はまず持てない
学生、といっても、高校生である場合はクレジットカードを自分で作ることはできません。中退、浪人、編入などの事情がない限り、満18歳で高校を卒業することになります。
自分のクレジットカードでトラブルに巻き込まれないための対策
最後に、自分のクレジットカードが原因でトラブルに巻き込まれないための対策として
- 本当に必要な支払いにのみ使う
- 適正な枚数だけを持つ
の2つを解説しましょう。
1.本当に必要な支払いにのみ使う
クレジットカードはその場に現金がなくても支払いができる代わりに、後から請求が来ます。
- 自分がいくら使っているかを把握する
- 利用明細はこまめにチェックする
なども大事ですが、最も大事なのは「本当に必要な支払いにのみ使う」ことです。行き過ぎた節約も、人間関係に亀裂をもたらすおそれがあるのですすめませんが、浪費も、自分の人生が狂ってしまう恐れがあるので、注意してください。
2.適正な枚数だけを持つ
大手クレジットカード会社のJCBが調査したところによれば、クレジットカードの平均所有枚数は3.0枚とのことでした。言い換えれば、3枚程度であれば、管理が困難にならずに持つことができるでしょう。
学生の場合は
- メインのクレジットカードを1枚
- サブのクレジットカードを1~2枚
持っておけば、日本国内はもとより、海外での支払いにも十分対応できるはずです。