ETCカードを人に貸せない理由は「借り物だから」|貸与契約の仕組みと、家族・レンタカーで使う3つの方法

家族の車に乗るとき、友人の車で高速に乗るとき、自分のETCカードを渡して使ってもらう——これがなぜ駄目なのかは、カード会社の規約を読む前に、ETCカードの仕組みを見たほうが早く分かります。ETCカードは、持ち主が所有しているものではなく、発行会社から貸与されているものだからです。この記事では、ETC総合情報ポータルサイトの公表内容をもとに、仕組みと、家族やレンタカーで正しく使う3つの方法を整理します。掲載内容は2026年10月7日に同サイトで表示されていたものです。

先に結論

  • ETCクレジットカードの発行希望者は、カード会社と貸与契約を結び、カードの発行と貸与を受けます。借りているものなので、さらに人へ貸すことはできません。
  • ETCカードは通行料金の支払い以外に使えません。3種類あるカードのすべてに同じ制限がかかっています。
  • クレジットカードを作らずにETCを使いたいなら、高速道路六会社が共同発行するETCパーソナルカードがあります。年会費は1枚1,257円(税込)です。
  • パーソナルカードはデポジット(保証金)を預託する仕組みで、最低3,000円、想定される平均利用月額の4か月分が目安です。
  • 有料道路事業者と直接契約してETCクレジットカードを発行している会社は、公表されている一覧で11社です。

そもそもETCカードは「借りているもの」

ETC総合情報ポータルサイトのETCカードのページは、1種類目のETCクレジットカードについてこう書いています。「本カードは、原則的にクレジットカード(親カード)に付帯して発行されるもので、ETCによる通行料金支払い以外の使用はできません。本カードの発行希望者は、クレジットカード会社と貸与契約を締結し、ETCカードの発行・貸与を受けます」。

所有権はカード会社にあり、利用者は貸してもらっている立場です。借りているものを、さらに別の人へ貸すことはできません。カード会員規約に「第三者に貸与・譲渡してはならない」と書かれているのは、この関係を文章にしたものです。残り2種類も同じ構造で、ETCコーポレートカードは高速道路会社と契約した利用者に「発行・貸与」され、ETCパーソナルカードも道路会社から「発行・貸与」されます。

ETCカードの3種類(ETC総合情報ポータルサイトの記載による)
種類 誰が発行するか 手数料・年会費 特徴
ETCクレジットカード クレジットカード会社 各社で異なる 原則としてクレジットカード(親カード)に付帯して発行。貸与契約を締結する
ETCコーポレートカード 東・中・西日本高速道路会社 1枚629円/年(税込) 大口・多頻度割引制度を利用する場合のカード。要件を満たして契約した利用者へ
ETCパーソナルカード 高速道路六会社の共同発行 1枚1,257円/年(税込) クレジットカード契約をしない人向け。デポジットの預託が必要

手数料の金額はいずれも令和8年3月現在として公表されているものです。3種類すべてに共通するのが「ETCによる通行料金支払い以外の使用はできません」という制限で、買い物には使えません。

ETC総合情報ポータルサイトのETCカードのページで3種類のカードの説明が表示されている画面のキャプチャ
ETC総合情報ポータルサイトのETCカードのページ。3種類の発行主体と手数料、貸与の関係が書かれている(2026年10月7日表示)。出典:ETC総合情報ポータルサイト

車を離れるときはカードを持って降りる

貸し借りだけでなく、車内に置いたままにするのも想定されていません。同サイトの「ETC利用上の注意」には、「ETCカードはクレジットカードの一種です。防犯上からも、車両から離れる際は車載器から抜き取り、ドライバー自らが携行するようにしてください」と書かれています。あわせて、車内に放置すると熱などの影響でカードが使用できなくなる場合がある、とも説明されています。

つまり「家族の車に挿しっぱなしにしておく」という使い方は、貸与という関係からも、防犯と保管の面からも外れます。挿しっぱなしは、結果として誰でも使える状態を作ることになります。

ETC総合情報ポータルサイトのETC利用上の注意のページでカードの携行や有効期限についての説明が表示されている画面のキャプチャ
「ETC利用上の注意」。車両を離れるときはカードを持っていくよう案内されている(2026年10月7日表示)。出典:ETC総合情報ポータルサイト

家族で使いたいときは、名義ごとにETCカードを付ける

家族がそれぞれ運転するなら、貸し借りではなく、名義ごとにETCカードを用意するのが正しい形です。クレジットカードの家族カードを発行し、その家族カードにETCカードを付帯させれば、使う人の名義のETCカードになります。発行手数料と年会費はカード会社によって異なります。

状況別に、どの方法を選ぶか

  1. 家族が運転する家族カードを発行し、その家族カードにETCカードを付帯させる。使う人の名義になるので貸し借りにならない。

  2. クレジットを作らないETCパーソナルカードを申し込む。高速道路六会社の共同発行で、デポジットを預託する。

  3. レンタカーに乗る貸渡し会社が用意しているETCカードを借りる。車とカードをセットで借りる形になる。

  4. 社用車で使う大口・多頻度割引の要件を満たすならETCコーポレートカード。満たさないなら法人名義のクレジットカードに付帯させる。

ETCパーソナルカードの条件を数字で見る

クレジットカードを作らない選択をしている人向けに用意されているのがETCパーソナルカードです。発行するのは高速道路六会社、すなわち東日本高速道路、首都高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路、阪神高速道路、本州四国連絡高速道路です。

ETCパーソナルカードの条件(公表値)
項目 内容
申込方法 道路会社の「ETCパーソナルカード利用申込書」で申し込む。申込書記載内容の審査がある
デポジット 最低金額3,000円。想定される平均利用月額の4か月分で決定する
年会費 1枚につき1,257円(税込)
利用がデポジットを超えたら 一時的に利用が停止される
使える範囲 ETCによる通行料金の支払いのみ

デポジットは預託するお金であって、通行料金の前払いではありません。たとえば平均利用月額を5,000円と申告すれば、その4か月分の20,000円が目安になります。利用額がデポジットを超えると一時停止されるため、使う量に見合った額を申告しておく必要があります。

ETCクレジットカードを直接発行している11社

ETCクレジットカードは多くのカードに付帯しますが、有料道路事業者と直接契約を結んでいる発行会社として公表されているのは次の11社です。これ以外のブランドでも、提携カードなどを通じてETCクレジットカードが発行されるケースがあると注記されています。

有料道路事業者と直接契約している発行会社

  • American Express Japan Co., Ltd.
  • イオンフィナンシャルサービス株式会社
  • 株式会社オリエントコーポレーション
  • 株式会社クレディセゾン
  • 株式会社ジェーシービー
  • トヨタファイナンス株式会社
  • 三井住友カード株式会社(セディナビID会員向けを含め2区分で掲載)
  • 三井住友トラストクラブ株式会社
  • 三菱UFJニコス株式会社
  • ユーシーカード株式会社

申し込み時の審査について、同サイトは「ETCカードもクレジットカードと同様にカード会社の審査があります」と説明しています。そのうえで、すでにクレジットカードを持っている人が同一カード会社にETCクレジットカードを申し込んだ場合は、一般的には速やかに発行を受けられるとしています。

ETCカードにも有効期限があります。期限切れのカードでは開閉バーが開きません。車載器そのものは期限切れのカードを正常に認証する機種もあるため、車載器が受け付けたことを「使える」と思い込まないでください。券面の有効期限を必ず確認するよう案内されています。

よくある質問

家族にETCカードを貸してもいいですか。
できません。ETCクレジットカードは、カード会社と貸与契約を結んで借りているものです。家族が運転するなら、家族カードを発行してそれにETCカードを付帯させてください。
なぜ貸してはいけないのですか。
所有者がカード会社だからです。ETC総合情報ポータルサイトも、発行希望者はカード会社と貸与契約を締結してETCカードの発行・貸与を受けると説明しています。借りているものを又貸しすることはできません。
クレジットカードを作らずにETCを使えますか。
使えます。高速道路六会社が共同発行するETCパーソナルカードがあります。年会費は1枚1,257円(税込)で、デポジットの預託が必要です。
デポジットはいくらですか。
最低3,000円で、想定される平均利用月額の4か月分として決まります。利用額がデポジット額を超えると、一時的に利用が停止されます。
ETCカードで買い物はできますか。
できません。3種類のいずれも「ETCによる通行料金支払い以外の使用はできません」と明記されています。
ETCカードの審査はありますか。
あります。ETCカードもクレジットカードと同様にカード会社の審査があると案内されています。すでに同じカード会社のクレジットカードを持っている場合は、一般的には速やかに発行を受けられるとされています。
レンタカーではどうすればよいですか。
貸渡し会社が用意しているETCカードを借りてください。自分のETCカードを持ち込んで使う形は、車載器の管理や精算の面でも貸渡し会社の案内に従う必要があります。

この記事で確認した一次情報

  • ETC総合情報ポータルサイト「ETCカード」https://www.go-etc.jp/support/card(ETCカードは3種類。ETCクレジットカードは親カードに付帯して発行され、発行希望者はクレジットカード会社と貸与契約を締結して発行・貸与を受ける。ETCコーポレートカードは取扱手数料1枚629円/年(税込、令和8年3月現在)。ETCパーソナルカードは高速道路六会社の共同発行で、デポジットは最低3,000円・想定平均利用月額の4か月分、年会費1枚1,257円(税込、令和8年3月現在)、超過すると一時的に利用停止。3種類とも通行料金支払い以外の使用不可。有料道路事業者と直接契約している発行会社11社の一覧。ETCカードもクレジットカードと同様に審査がある旨)
  • ETC総合情報ポータルサイト「ETC利用上の注意」https://www.go-etc.jp/support/notes(ETCカードはクレジットカードの一種であり、車両から離れる際は車載器から抜き取りドライバー自らが携行すること。車内放置は熱などの影響で使用できなくなる場合がある。期限切れのカードでは開閉バーが開かず、車載器が認証する機種もあるため券面の有効期限を確認すること)

掲載内容は2026年10月7日にETC総合情報ポータルサイトで表示されていたものです。手数料と発行会社の一覧は改定されます。カードごとの発行手数料・年会費は各カード会社の公式ページでご確認ください。


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