デビットカードにかかる4種類の手数料を徹底解説。将来かかるかもしれない「口座維持管理手数料」とは?

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デビットカード、作ってみましたけどいろいろと手数料がかかるんですね。

デビットカードを利用する際、一般的には

  1. 年会費
  2. 海外利用事務手数料
  3. 為替手数料
  4. 再発行手数料

の4つが手数料としてかかります。

また、近年は休眠口座対策として、口座維持管理手数料の導入に動く銀行も出ています。

銀行口座を使い続ける上で重要な手数料なので、広い意味ではこれもデビットカードにかかる手数料に含めていいでしょう。

そこで今回の記事では

  1. 年会費
  2. 海外利用事務手数料
  3. 為替手数料
  4. 再発行手数料
  5. 口座維持管理手数料

の4つの手数料について、詳しく解説しましょう。

デビットカード会員が支払う4種類の手数料

デビットカード会員が支払う4種類の手数料

デビットカードを持っている人=会員が支払わなくていけない手数料は

  1. 年会費
  2. 海外利用事務手数料
  3. 為替手数料
  4. 再発行手数料

の3つです。

これらの手数料の金額、計算方法については、商品説明書に必ず書いてあるので、デビットカードを申し込む際に確認しましょう。
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ここから先は、SMBCデビットの商品説明書を例にして説明します!
デビットカード会員が支払う4種類の手数料

出典:商品説明書

1.年会費

クレジットカードと同様に、デビットカードでも年会費がかかる場合があります。

会員資格の維持=デビットカードを使い続けるために支払う手数料です。

SMBCデビットの場合、年会費は無料です。

1.年会費

出典:商品説明書

デビットカードを発行する銀行によって年会費は異なります。

2.海外利用事務手数料

デビットカードは

  • 海外の加盟店でショッピング
  • 海外ATMでのキャッシング

にも使えます。

加盟店は「その国際ブランドのクレジットカードやデビットカードが使えるお店」と考えましょう。例えば、Visa加盟店とは「Visaのクレジットカードやデビットカードが使えるお店」という意味です。

その際、カード発行会社が定めた手数料を別に支払わなくてはいけません。

2.海外利用事務手数料

出典:商品説明書

SMBCデビットの場合、海外の加盟店でのショッピング・海外ATMでのキャッシングの場合は、利用額の3.05%が海外事務手数料としてかかります。

また、海外ATMでのキャッシングに限り、さらに

  • 海外ATM利用手数料
  • ATM設置会社への手数料

がかかる仕組みです。

海外ATM手数料は1回につき110円(税込)です。また、ATM設置会社への手数料は設置会社によって異なります。

3.為替手数料

海外事務手数料には、為替手数料も含まれます。

為替手数料とは、円をドルやユーロなどの外国通貨に交換するときに金融機関に支払う手数料のことです。

為替手数料の扱いは、銀行によってさまざまです。

  • 海外事務手数料の中に含めている
  • 海外事務手数料とは別個に設定している(含めない)

など、銀行によって扱いに差があるので、確認しましょう。

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例えば、ソニー銀行の場合は、後者の「海外事務手数料とは別個に設定している(含めない)」に相当します。100米ドル両替した場合は、15円が為替手数料=為替コストとしてかかりますよ。
3.為替手数料

出典:海外利用時の手数料| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit – ソニー銀行

4.再発行手数料

  • デビットカードを紛失した、盗難にあった
  • デビットカードのICチップや磁気ストライプが破損した

場合、再発行手続きを行いますが、その際手数料を払わなくてはいけない場合があります。

4.再発行手数料

出典:商品説明書

SMBCデビットの場合、紛失・盗難の場合のみ1,100円(税込)かかります。

一般的な傾向として、紛失・盗難に伴う再発行の場合にのみ、再発行手数料がかかるケースが多いです。
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ちなみに、デビットカードやクレジットカードは、磁石のそばに置いておくとダメになる場合が多いから、気を付けたほうがいいですよ!
磁気不良により、端末での読み込みができなくなるためです。磁石そのものだけでなく、カバン・スマートフォンケースの留め具やテレビのそばも、磁気が発生する場所なので気を付けましょう。

デビットカードの年会費

デビットカードの年会費

最初に、デビットカードの年会費について、詳しく解説しましょう。

銀行によって扱いは異なる

デビットカードについても、クレジットカードと同じように「どこの銀行が発行しているか」によって、年会費の扱いは異なります。

例えば、いわゆる「3大メガバンク」と呼ばれる都市銀行でも、デビットカードの年会費は全く違うのです。

銀行名 サービス名 年会費、条件
みずほ銀行 みずほJCBデビット 初年度無料、次年度以降は1,100円(税込)
※ただし所定の条件を満たした場合は次年度以降も無料になる
三菱UFJ銀行 三菱UFJデビット 無料
三井住友銀行 SMBCデビット 無料

年1回でも利用したら年会費が無料になる場合も

年1回でも利用したら年会費が無料になるとうたっているデビットカードも数多く存在します。
例えば、りそな銀行の場合は

  • 初年度年会費無料
  • 次年度以降は1回でも利用すれば年会費無料もしくは年会費相当額をポイント・マイルで還元

というシステムが導入されています。

年1回でも利用したら年会費が無料になる場合も

出典:りそなVisaデビットカード | りそな銀行

一定の年齢以下なら年齢無料、というのもよく取り入れられている仕組みです。 

高い年会費はラグジュアリーなサービスのため

年会費無料、もしくは条件を満たせば無料になるデビットカードがある一方で、年会費が11,000円(税込)とかなりの高額になるデビットカードも存在します。住信SBIネット銀行が発行している「住信SBIネット銀行ミライノ デビット PLATINUM(Mastercard)」です。

住信SBIネット銀行ミライノ デビット PLATINUM(Mastercard)

住信SBIネット銀行ミライノ デビット PLATINUM(Mastercard)
発行会社住信SBIネット銀行
国際ブランドMasterCard
初年度年会費(税込)11,000円
2年目~年会費(税込)11,000円
年会費特典-
発行期間-
キャッシュバック還元率下限-
キャッシュバック還元率上限-
ポイント還元率下限1.00%
ポイント還元率上限1.00%
1日最大利用限度額200万円
不正利用時の補償○1000万円
入会資格年齢15歳以上

カード名にもあるように、クレジットカードのステータスでいうとプラチナに相当するサービスを受けられます。例えば、海外旅行傷害保険をとってみても、補償がここまで充実しているのです。

補償内容 本会員 家族※1
傷害死亡・後遺障害
(後遺障害)
最高1億円
(400万円~1億円)
最高1,000万円
(40万円~1,000万円)
傷害治療費用 最高1,000万円 最高500万円
疾病治療費用 最高700万円 最高350万円
賠償責任 最高1億円 最高5,000万円
携行品障害 最高100万円※2 最高50万円※2
救援者費用 (1年間の上限) 最高500万円 最高250万円

なお、対象となる家族の範囲は以下の通りです(※1)。

  • カード本会員の配偶者
  • カード本会員またはカード本会員の配偶者と生計を共にする同居の親族
  • カード本会員またはカード本会員の配偶者と生計を共にする別居の未婚の子

また、携行品障害については、 携行品1つ(1点または1対)あたり10万円を限度として時価額または修繕費のいずれか低い額が支払われます(※2)。

ただし、自己負担分として3,000円がかかります。

その他にも、このようなサービスが受けられます。

海外空港ラウンジ利用サービス LoungeKey(ラウンジ・キー)に加盟している世界各国の空港のラウンジが、年間3回まで利用できる
ダイニング by 招待日和 所定のレストランで所定のコース料理を利用した場合、2名以上の予約で1名分が無料になる
空港宅配サービス 成田空港、羽田空港国際線ターミナル、中部国際空港、関西国際空港を利用する場合、出発時・帰国時に2個まで荷物を配達してもらえる
裏を返せば、これだけ充実したサービスを提供する以上、年会費を高くしないと運営ができないのも事実です。

プラチナといっても、デビットカードであるため、カード発行にあたっての審査はいりません。充実したサービスを受けたいけど、プラチナカードはまだ早いかも、という人にもおすすめです。

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詳しいサービスの内容は、ここからも見られます!

デビットカードの海外利用事務手数料

デビットカードの海外利用事務手数料

デビットカードを海外で利用する際

  • 海外利用事務手数料
  • 海外ATM利用手数料

がかかります。場所によっては、ATM設置会社への手数料を払わなくてはいけません。それぞれの手数料について、詳しく説明しましょう。

メガバンクはやや高め

ショッピングであっても、ATMを利用した現金の引き出しであっても、デビットカードの発行会社である銀行には、海外利用事務手数料を支払わなくてはいけません。後述するネット銀行と比べると、メガバンクの場合はやや高い傾向にあります。

原因の1つとして、為替手数料を別個に設けず、海外利用事務手数料の中に含めていることも考えられます。

2019年12月13日時点のデータに基づき、3大メガバンクが発行するデビットカードにかかる海外利用事務手数料を比べてみましょう。

銀行名 海外利用事務手数料
みずほ銀行 外貨での利用額をJCBが定める為替レートで換算した値の3.40%(消費税込)が手数料として徴収される。
三菱UFJ銀行 <VISAデビット>
外貨での利用額をVisaの定める為替レートで換算した値の3.05%(消費税込)が手数料として徴収される。
<JCBデビット>
外貨での利用額をJCBが定める為替レートで換算した値の3.05%(消費税込)が手数料として徴収される。
なお、これ以外にJCBに対し、外貨での利用額をJCBが定める為替レートで換算した値の1.60%手数料として支払う。
三井住友銀行 外貨での利用額をVisaの定める為替レートで換算した値の3.05%(消費税込)が手数料として徴収される。
三菱UFJ銀行のように、付帯している国際ブランドによって、手数料が異なるケースもあるので、一度確認しましょう。

ネット銀行はやや安め

一方、一般顧客向けの店舗を構えず、オンラインでやり取りを行うネット銀行の場合、メガバンクに比べると手数料が安い場合もあります。2019年12月13日時点のデータに基づき、主要なネット銀行が発行するデビットカードにかかる海外事務手数料を比べてみましょう。

住信SBIネット銀行 外貨での利用額をVisa・Mastercardの定める為替レートで換算した値の2.50%(消費税込)が手数料として徴収される。
イオン銀行 外貨での利用額をVisaの定める為替レートで換算した値の1.60%(消費税込)が手数料として徴収される。
楽天銀行 外貨での利用額をVisa・jcbMastercardの定める為替レートで換算した値の3.08%(消費税込)が手数料として徴収される。
イオン銀行、住信SBIネット銀行のように、1%~2%台のところもありますが、楽天銀行のように、メガバンクとあまり変わらない場合もあります。この差は、海外利用事務手数料の中に、為替手数料を含めるかどうかの扱いも関係しているのです。

外貨預金も併用しよう

さらに海外事務手数料を安くしたいなら「海外での利用分を、外貨預金口座から賄える」カードを作るのがおすすめです。

ソニー銀行のデビットカード「Sony Bank WALLET」の場合、同行の外貨預金口座の有無により、以下の通り手数料が異なります。

外貨預金も併用しよう

出典:海外利用時の手数料| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit – ソニー銀行

外貨預金も併用しよう

出典:海外利用時の手数料| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit – ソニー銀行

仮に外貨預金口座を開設していない、残高がない場合であっても、他の銀行と比べると格安です。しかし、海外に頻繁に行く用事があり、現地でデビットカードを使う予定があるなら、外貨預金口座を開設し、実際に預金しておいたほうが、手数料を節約できるでしょう。

海外ATM手数料は2種類ある

海外ATMを利用する際の手数料を「誰に支払うのか」で分けると、次の2つに分かれます。

海外ATM利用料 デビットカードの発行会社に対して支払う。海外ATMの利用1回ごとの金額が決められているケースが多い。
現地ATM設置機関利用手数料 現地のATMを設置した会社に対して支払う。実際の支払金額は利用明細に「ATM OWNER FEE」などの項目で記載されている。

注意したいのが、現地ATM設置機関利用手数料です。

設置した会社やされている場所によって異なるので、海外ATMを操作した場合は、必ず利用明細でいくらかかったのか確認しましょう。

口座維持管理手数料とは?

口座維持管理手数料とは?

ここまで説明してきたのは、2019年12月現在、すべての銀行が発行するデビットカードに関連した手数料として徴収されるものです。将来的には、銀行口座の所有者に対し、口座維持管理手数料が課される可能性が高いといわれています。関連する知識として、口座維持管理手数料について説明しておきましょう。

口座維持管理手数料とは?

口座維持管理手数料とは「銀行口座を持っているだけで支払わなくてはいけない手数料」のことを言います。

長時間使われていない口座=休眠口座に対する手数料を「口座維持手数料」と区別して言う場合もあります。

かつての日本では「サービスは無料で提供するもの」という考え方が強く根付いていたため、口座維持管理手数料を導入する銀行はほぼありませんでした。

欧米の銀行では、利用者が口座維持管理手数料を負担する仕組みが一般的なものとして出来上がっています。

しかし、2013年に導入された日銀の異次元緩和政策や、2016年に導入されたマイナス金利政策によって、金融機関の収益は悪化しつつあります。加えて、ネット銀行など、異業種から手数料の安さを武器に銀行に参入する会社が増えたことで、競争が激化しているのも事実です。そこで、銀行口座の維持・管理を続けていくため、利用者から口座維持管理手数料を徴収し、維持・管理のコストを賄う銀行も出てきました。

一例として挙げられるのが、りそな銀行です。りそな銀行は2004年4月1日以降の新規開設口座について、2年以上取引がない口座を未利用口座としています。この未利用口座に対する管理手数料として未利用口座管理手数料(年間1,320円(税込))が徴収される仕組みです。

ただし、該当未利用口座の残高が1万円以上である場合など、一定の条件に当てはまれば、無料になります。

その他にも、三菱UFJ銀行が2020年10月から口座管理手数料の導入を行う旨が報道されています。最大手の都市銀行が導入に動いたことで、他の銀行も、口座管理手数料の維持に動いてもおかしくありません。

三菱UFJ銀行は2年間取引がない不稼働口座に手数料をかける検討に入った。
新規開設分が対象で、2020年10月にも年1200円の口座管理手数料を導入する計画だ。
銀行の収益力は長引く低金利で低下している。口座管理費の有料化は採算の合わない金融サービスから対価をもらう大きな転換となる。
他の金融機関も追随する可能性がある。

出典:不稼働口座に手数料 三菱UFJ銀行、20年秋にも年1200円  :日本経済新聞

休眠口座を使えるようにする手続き

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えー、それだったら、ほったらかしにしている銀行口座って危ないですよね。どうすればいいですか?

ほったらかしにしている銀行口座=休眠口座がある場合、銀行に行き、休眠口座を使えるようにする手続きが必要になります。手元にある通帳・キャッシュカードは使えなくなるので

  • 印鑑
  • 本人確認書類(免許証、マイナンバーカードなど)
  • 通帳(手元にあれば)
  • キャッシュカード(手元にあれば)

を持って、銀行の店舗に行きましょう。

結婚などで苗字が変わった場合は、戸籍謄本など、別に書類を求められることがあります。

また「もうこの口座は使わない」ということであれば、解約の申し出をしましょう。

まとめ

デビットカードを使う場合でも、手数料はかかります。新しく作る際は、商品説明書を利用し、手数料がいくらかかるのかを確認するようにしてください。

teacher
商品説明書を見たいなら「(デビットカードの名前) 商品説明書」で検索するといいですよ!
例えば「みずほJCBデビット」の商品説明書を見たいなら「みずほJCBデビット 商品説明書」で検索します。

特に、海外で利用する際の手数料がどれぐらいかかるかは、使い勝手を左右する大きな要因になりうるので注意しましょう。

当然、年会費永年無料のデビットカードも多いので、手数料が気になる方は、年会費永年無料のデビットカードを探しましょう。


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