東日本鉄道旅客株式会社=JR東日本は、2019年10月1日から、同社の電子マネー・Suicaを鉄道利用する際にも、同社の運営する駅構内・付近の商業施設のポイントプログラムであるJRE POINTの付与を開始することを明らかにしました。
ニュースの概要
出典:JR東日本ニュース「Suica の鉄道利用で「JRE POINT」がたまります 」
2019年9月現在、Suicaを駅構内・付近の商業施設での買い物で利用する場合には、JRE POINTが付与されています。しかし、鉄道利用によるポイントの付与はなかったので、「鉄道利用でポイントが貯まる」と言われても、ピンとこないかもしれません。
そこで、
- 「鉄道利用」とは何を指すのか
- ポイントがどれぐらい貯まるのか
に着目し、説明します。
対象となる「鉄道利用」とは?
鉄道利用とは、具体的には次の3つを指します。
- JR東日本の在来線に乗車
- Suicaグリーン券の購入
- モバイルSuica定期券を購入
JR東日本のプレスリリースによれば、2022年以降は、
- 座席のアップグレード
- 新幹線、在来線特急に乗車できる特典チケットへの交換 等
にも、ポイントが利用できるようになるとのことです。
また、ポイント還元率は、
- 何をしたのか
- どのタイプのSuicaを使ったのか
によって異なるので、細かく説明しましょう。
1.JR東日本の在来線に乗車した場合のポイント還元率は?
JR東日本エリアの在来線に乗る際、登録済Suicaを使えば、最大で2%ポイント還元が受けられます。Suicaのタイプごとの還元率は、以下の通りです。
モバイル Suica | 1 回の利用額×2.0% |
---|---|
カードタイプの Suica | 1 回の利用額×0.5% |
出典:JR東日本ニュース「Suica の鉄道利用で「JRE POINT」がたまります 」
具体的な還元ポイント数は?
ここで、
- JR東日本の在来線でのみ移動した場合
- 他社線(例:東京メトロ)も組み合わせた場合
とで、具体的なポイント還元分を計算してみましょう。
まず、前者の場合、乗車区間すべての運賃が、ポイント還元の対象となります。東京駅から津田沼駅間を移動した場合の運賃および還元ポイント数は以下の通りです。
運賃 | モバイル Suica | カードタイプの Suica |
---|---|---|
東京駅~津田沼駅 473 円 | 9ポイント還元 (473 円の2%分) |
2ポイント還元 (473 円の 0.5%分) |
次に、後者の場合は、JR東日本の在来線の乗車区間分のみ、ポイント還元の対象となります。荻窪駅から九段下駅間を移動した場合の運賃および還元ポイント数は以下の通りです。
運賃 | モバイル Suica | カードタイプの Suica |
---|---|---|
荻窪駅~九段下駅 356 円 (内訳) JR 東日本線:荻窪駅~中野駅 157 円 ⇒ ポイント対象 他社線:中野駅~九段下駅 199 円 ⇒ ポイント対象外 |
3ポイント還元 (157 円の2%分) |
1ポイント還元 (157 円の 0.5%分) ※ 1ポイント未満は1ポイントに切り上げ |
出典:JR東日本ニュース「Suica の鉄道利用で「JRE POINT」がたまります 」
2.Suicaグリーン券を購入した場合のポイント還元率は?
高崎線、宇都宮線など、JR東日本の在来線の一部には、グリーン車が設けられています。グリーン車に乗車する際、Suicaに情報を記録するタイプの乗車券=Suicaグリーン乗車券を使った場合でも、ポイントが還元されます。
具体的な還元ポイント数は?
ここで、東京駅から横浜駅間を、グリーン車で移動した場合の還元ポイント数を見てみましょう。
乗車区間 | グリーン料金額(平日・事前) | モバイル Suica | カードタイプ Suica |
---|---|---|---|
東京駅~横浜駅 | 780 円 | 15 ポイント還元 (780 円の2%分) |
3ポイント還元 (780 円の 0.5%分) |
出典:JR東日本ニュース「Suica の鉄道利用で「JRE POINT」がたまります 」
3.モバイルSuica定期券を購入した場合の場合のポイント還元率は?
2019年10月1日以降使用開始となる定期券を、モバイルSuicaで購入すれば、購入額に応じてJRE POINTが貯まります。
具体的な還元ポイント数は?
- JR東日本の在来線でのみ移動した場合
- 他社線(例:東京メトロ)も組み合わせた場合
とで、具体的な還元ポイント数を計算してみましょう。
前者の具体例として、品川駅から横浜駅間の定期券を購入したものとして計算した場合、定期券の発売額および還元ポイント数は以下の通りです。
定期券区間 | 発売額(通勤1ヵ月) | 還元ポイント数 |
---|---|---|
品川駅~横浜駅 | 8,560 円 | 171 ポイント還元 (8,560 円の2%分) |
出典:JR東日本ニュース「Suica の鉄道利用で「JRE POINT」がたまります 」
一方、後者の具体例として、新宿駅から二子玉川駅間の定期券を購入したものとして計算した場合、定期券の発売額および還元ポイント数は以下の通りです。
定期券区間 | 発売額(通勤1ヵ月) | 還元ポイント数 |
---|---|---|
新宿駅~二子玉川駅 | 12,470 円 | (内訳) ①JR 東日本線:新宿駅~渋谷駅 4,940 円 ⇒ ポイント対象 ②他社線:渋谷駅~二子玉川駅 7,530 円 ⇒ ポイント対象 249 ポイント還元 (12,470 円の2%分) |
出典:JR東日本ニュース「Suica の鉄道利用で「JRE POINT」がたまります 」
ニュースに関する考察
筆者も含め、JR東日本の路線を使って通勤・通学・移動をしている人なら、「電車に乗ってポイントが貯まればいいのに」と一度は思ったことがあるかもしれません。ようやく、それが現実になる時期が来たといっていいでしょう。
とりわけ、モバイルSuicaを使っていれば、在来線の利用・グリーン車の利用・定期券の購入とオールマイティに活用できます。これまで使ってこなかった人は、この機会に導入を考えてみましょう。
また、JRE POINTが使える商業施設の中には、他の共通ポイントプログラムに加盟している店舗も出店しています。このような店舗でなら、やり方次第でポイントの多重取りができるので、有効活用したいところです。
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