国際ブランドの1つとしても有名な大手クレジットカード会社・JCBは、ウクライナの大手商業銀行であるPJSC CB PrivatBank(以下プリヴァト銀行)と、同行のカード加盟店・ATMにおけるJCBカードの取り扱いについて合意したとのことです。この合意を受けて、2020年春ころより、プリヴァト銀行の各店舗で順次JCBカードの扱いを開始する流れとなりました。
なぜ、ウクライナの銀行と提携する?
一般社団法人日本旅行業協会の統計によれば、2018年に日本からウクライナに旅行した人の数は、6598名でした。
それにも関わらず、なぜJCBはウクライナの銀行と提携したのでしょうか?
ロシアでJCBが強くなった理由
やり取りにもあるように、ウクライナは1986年に史上最悪とも言える事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所があることでも知られています。
しかし、本来はヨーロッパで最も古い都市と言われる首都キエフの寺院群をはじめ、7件の世界遺産が登録されている、大変美しい国です。
聖ソフィア大聖堂 ウクライナ pic.twitter.com/MTgPLuie
— 世界の風景 (@olololololor) January 21, 2013
そのため、最近はJCBカードが発行されている隣国のロシアからの観光客が増えています。
「ミール」とは?
2014年に、ロシア国内の大手の金融機関はウクライナ・クリミアの混乱の余波により、アメリカから金融制裁を受けました。
事態を重く見たロシア政府は、ロシア独自のクレジットカードブランドとして「ミール」を立ち上げました。2014年から立ち上がった「ミール」ブランドのクレジットカードは、2019年現在、5500万枚発行されています。JCBはこの「ミール」と提携した「ミール・JCBカード」を2016年から発行しているのです。
参照:ロシア発クレジットカード「ミール」、利用範囲じわり拡大 | ビジネス短信 – ジェトロ
ロシア最大の銀行とも……
その後、2018年には、JCBはロシアの商業銀行であるズペルバンクと契約を結び、ロシア国内でのJCBカードの加盟店拡大において提携することで同意しました。
つまり、ここまでの話をまとめると、
- 2014年のウクライナ・クリミア危機の際に、VisaやMastercardが使いにくくなった
- ロシアは独自の「ミール」というブランドでクレジットカードを発行し、JCBとも協力関係を築いてきた
- 2018年にはロシア最大の商業銀行がJCBと正式に提携することになった
ため、ロシアでJCBカードを使う人が増えたので、ロシアからの訪問客が多いウクライナでも、JCBカードを使えるようにする必要があったのです。
ちなみに、大手電機メーカーのパナソニックがすでに、ロシアの大手銀行の1つ・ロシア農業銀行と提携し、国際ブランドとしてJCBが付帯したクレジットカードを発行しています。
ロシア農業銀、パナソニックと提携したJCBカードの発行を開始:ロシア初の試みhttps://t.co/hZA1nuJF8k
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) July 26, 2018
ニュースに関する考察ー日本人がJCBカードを持つべき理由は?-
JCBは他の国際ブランドと同じように、各国の金融機関と提携したり、加盟店を増やすための地道な取り組みを行っています。今回紹介したロシアに関しても、VisaやMastercardが一時的ではあるものの使えなくなったことをビジネスチャンスととらえ、着実に現地の金融機関と連携を図ってきました。しかし、「JCBは海外での使い勝手がよくない」という人は少なくありません。
前にも書きましたが………
海外生活するのなら、JCB1枚だけ持ってくるのはやめてください。
おそらくほとんど使えないと思います。
一番は現地口座を開いて、そこでカード作るのがいいと思います。
それまでは日本のクレジットでVISAが一番かと思います。
— Hiroki🐤 / PDX (@hiroki_in_pdx) June 21, 2019
なぜ、このようなコメントが出てくるのか、考えてみましょう。
海外展開はしているものの……
こちらの画像は、JCBの公式サイト内のニュースリリースにおける海外展開に関するニュースの一覧です。決して、海外展開に力を入れていないわけではありません。
しかし、クレジットカード等をはじめとしたキャッシュレス業界の専門誌「ザ・二ルソン・レポート」によれば、世界規模でのJCBのシェアは、VisaやMastercardには遠く及ばないのがわかります。
出典:Card and Mobile Payment Industry Statistics | The Nilson Report Archive of Charts & Graphs
JCBがなかなか世界的なシェアが伸ばせない背景には、
- 発行枚数が少ない
- 加盟店数が少ない
- ブランドの認知度が少ない
など、様々な原因が隠れているはずです。さらに、近年は中国発の国際ブランドであるUnionPay(銀聯カード)が台頭しているため、同じアジア発のブランドであるJCBがどうシェアを伸ばしていくかが、課題になるでしょう。
きめ細かいサービスは魅力
それでも、日本人が海外旅行に行くなら、JCBカードを持っていく価値はあるでしょう。決済のためというよりは、緊急時のサポートのためです。
- 日本語対応のコールセンター
- JCBプラザ、JCBプラザラウンジを通じた日本語による対面サポート
が受けられるのは、日本人にとっては大変心強いでしょう。
39歳以下なら、いつでもポイントが2倍になる上に、年会費無料のこちらのカードがおすすめです。
JCB CARD W
カード分類 一般カード
国際ブランド JCB
申込方法 -
発行スピード 即日発行
※モバイル即時入会サービスはJCB公式サイト経由のみ対象。モバ即の入会条件は以下2点になります。 【1】 9:00AM~8:00PMでお申し込み。(受付時間を過ぎた場合は、翌日受付扱い) 【2】 顔写真付き本人確認書類による本人確認。(運転免許証/マイナンバーカード/在留カード)※モバ即での入会後、カード到着前の利用方法について、詳しくはHPをご確認ください。
年会費(税込) 0円
年会費備考 -
ショッピング総利用枠(上限) -
ポイント還元率(下限) 1.00%
ポイント還元率(上限) 10.50%
交換可能マイル ANAマイル(1ポイント=3マイル、500ポイント以上1ポイント単位、交換上限なし)
JALマイル(1ポイント=3マイル、500ポイント以上1ポイント単位、交換上限15,000ポイント)
スカイマイル(1ポイント=3マイル、500ポイント以上1ポイント単位、交換上限なし)
ポイント備考 -
ETCカード年会費(税込) 0円
電子マネーチャージ QUICPay利用、楽天Edy
海外旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) 2,000万円(利用付帯:2,000万円)
国内旅行傷害保険/死亡後遺障害(最大) -
ショッピング保険/国内利用(最大) -