コンビニエンスストア大手のセブン-イレブンで、2019年10月1日から、バーコード決済の「au PAY」「d払い」「ゆうちょPay」「楽天ペイ(アプリ決済)」が使えるようになります。
セブン-イレブンでのバーコード決済事情
競合のファミリーマート、ローソンと比べると、バーコード決済への対応に遅れをとっていたセブン-イレブン。今回のバーコード決済サービスの導入に至るまで、様々な動きがありました。簡単に振り返ってみましょう。
セブンペイのリリースから廃止まで
セブン-イレブンは、2019年7月1日に、自社のバーコード決済サービスとして「セブンペイ」を開始しました。7月1日から10日までに登録およびチャージを済ませると、おにぎりが1個ずつプレゼントされるなど、多様な販売促進策を実施する予定でしたが、ユーザーからの不正アクセスの報告を受け、サービスを一時停止します。その後、
- チャージ機能、新規登録の一時停止
- 外部IDによる各社アプリへのログインの一時停止
- 7iDパスワードの一斉リセット
など紆余曲折を経て、2019年8月1日にはサービス廃止を決定しました。
導入されているバーコード決済は?
自社のバーコード決済であるセブンペイはサービス廃止という憂き目に遭った一方で、他社のバーコード決済の導入は着々と進んできました。
既に導入されている、
- PayPay
- メルペイ
- LINE Pay
- 支付宝(Alipay)
- 微信支付(WeChat Pay)
の5つのサービスに加え、今回4つのサービスの導入が決まったため、合計で9つのサービスが使えるようになります。
出典:国内4社のバーコード決済サービス開始~全国のセブン‐イレブンで2019年10月1日(火)より利用開始~|セブン‐イレブン~近くて便利~
【2019年9月版】大手コンビニで使えるバーコード決済まとめ
今回の報道と関連し、2019年9月の時点で、大手コンビニで導入されている(もしくは導入予定である)バーコード決済について調べてみました。ざっと見たところ、
- Origami Pay
- 海外のサービス(Alipay、WeChat Pay、NAVER Pay)
については、対応状況が分かれているようです。
ローソン
- 支付宝(Alipay)
- LINE Pay
- 楽天ペイ
- d払い
- Origami Pay
- PayPay
- QUOカードPay
- 微信支付(WeChat Pay)
- メルペイ
- auPAY
- NAVER Pay
ファミリーマート
- d払い
- LINE Pay
- PayPay
- 楽天ペイ
- 微信支付(WeChat Pay)
- ファミペイ
出典:ご利用可能な決済サービス|サービス|FamilyMart
ミニストップ
- PayPay
- LINE Pay
- d払い
- 楽天ペイ
- Origami Pay
- auPAY
- ゆうちょPay
- メルペイ
- 支付宝(Alipay)
- 微信支付(WeChat Pay)
- NAVER Pay
ニュースに関する考察
朝、会社に出社するまえに、コンビニで買い物をしてから向かう、という人は多いのでしょう。(筆者もその一人です。)出社前だからこそ、買い物には時間をかけたくないというのが、正直な気持ちです。
ここで、興味深いデータを紹介しましょう。国際ブランドの1つとしても知られているクレジットカード会社、JCBが2019年8月28日に「決済速度に関する実証実験結果」というレポートを発表しました。
簡単に言うと、
- 現金
- クレジットカード(サインレス)
- 非接触型(QUICPay)
- QRコード決済
の4種類の決済方法を用いて、どの方法で決済が一番速く完了するかを調べたものです。結果は、以下のグラフのようになりました。
出典:決済速度に関する実証実験結果 | JCB グローバルサイト
圧倒的にキャッシュレスのほうが早いのがわかるはずです。なお、レポートにおいては、このように言及されています。
実験からは、レジ会計においてキャッシュレスは現金よりも16秒速く、非接触型に限ると現金より20秒速く決済できる(※5)ことが明らかになりました。また、実験によって導かれた各決済速度の差をもとに試算したところ、消費者が完全にキャッシュレスへ移行すると、1店舗あたりの労働時間は一日約4時間減少する可能性も示唆されました。
※4
グラフ横の数値は各決済方法を用いた場合の決済時間の最小値・最大値を示しています。※5
「レジ担当者の金額口頭提示」から「商品・レシートのお渡し」までを一会計として計測
出典:決済速度に関する実証実験結果 | JCB グローバルサイト
利用者の側からしても、早く決済が終われば、職場にもすぐに向かえるうえに、後ろで待っている人をやきもきさせることもありません。時間が節約でき、周囲への配慮ができるという点でも、バーコード決済をはじめとしたキャッシュレス決済は上手に使うと、より生活を快適にできそうです。