百貨店大手・三越伊勢丹グループのハウスカードとしても有名なエムアイカード。2019年9月9日に、同名の運営会社が、エムアイカードの利用によって貯まったポイントを運用できるようにするポイント投資サービスを開始することを明らかにしました。
サービスの概要
今回開始するサービスについて説明するとともに、「エムアイポイント」「StockPoint」についても説明します。
エムアイポイントとは?
貯まったポイントは三越伊勢丹グループでの買い物はもちろん、以下の提携先企業のポイント・マイルにも交換可能です。
提携先の例
- 日本航空(JAL)
- 全日空(ANA)
- JTB
- WAON POINT
- ビックカメラ
- ニトリ
- 紀伊国屋書店
- スターバックス
- 一休
- すかいらーく
- オズモール
- ストックポイント 等
ストックポイントとは
クレジットカード会社のポイントや共通ポイントを、ストックポイントと呼ばれる所定のポイントに交換し、全175銘柄の中から選んだ投資先に投資します。さらに、個別株・ETF(上場投資信託)については、1株・1口価格相当以上のストックポイントを貯めることで、実際の株式等の金融商品へ交換することもできるのです。
サービスの概要
ここまでの内容を踏まえ、サービスの概要をお伝えしましょう。
交換レート | エムアイポイント600ポイント=StockPoint500ポイント |
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ポイント交換方法 | エムアイポイントの交換サイト上で受け付け |
交換タイミング | 原則、週1回 |
同様のサービスは他にもある?
なお、ストックポイント社は、以下に挙げる他のクレジットカード会社・ポイントプログラム運営会社とも提携し、同様のサービスを行っています。
ニュースに対する考察
今回の報道を踏まえ、「ポイント投資は投資に対する考え方を変えるのか」について考えてみました。
投資をしない人の言い分は?
三大メガバンク・三菱UFJ銀行傘下のシンクタンクであるMUFG資産形成研究所が行った「金融リテラシー1万人調査」というWEBアンケートがあります。
この中で、「投資を検討したことがない」という人に対し、「なぜ、投資(口座開設)の検討をしなかったのか」という理由の調査も行いました。4位までに食い込んだ選択肢は、以下の通りです。
- 十分な知識がない
- 損をするのが不安である
- 難しそう、敷居が高い
- 何から始めてよいかわからない
です。
つまり、「知らないし、難しそうだし、何から始めたらいいかわからない」という極めてシンプルな理由で、投資に踏み出せない人がほとんどのようです。
学校でも手が回らない
これを読んでいる人に思い出してほしいことがあります。大学で経済・経営・商学・法律系の学部にいた人以外で、小学校から高校まで、投資やお金のことを勉強したという経験がある人は、あまり多くはないはずです。その裏付けになるデータを紹介しましょう。
平成26年=2014年に金融経済教育を推進する研究会が行った「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査」という調査があります。
この調査には、「現在、金融経済教育を行っている年間の時間数はどの程度か」という質問が盛り込まれていました。対象となった全国の中学校・高等学校の回答の中で、最も多かった選択肢をまとめたのが、以下の表です。
中学校1年生 | 「0時間」(74.2%) |
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中学校2年生 | 「0時間」(58.2%) |
中学校3年生 | 「1~5時間程度」(44.6%) |
高校1年生 | 「1~5時間程度」(60.9%) |
高校2年生 | 「1~5時間程度」(49.3%) |
高校3年生 | 「1~5時間程度」(47.7%) |
出典:金融経済教育を推進する研究会「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」
つまり、ほとんど教わっていないというのが実態と言っていいでしょう。
ポイント投資はいいきっかけになるはず
学校で投資も含めた金融経済教育が十分に行われていない以上、自分から動かないと、知識は到底得られません。しかし、お金が絡むことでもあるので、「失敗したらどうしよう」と不安に駆られる人もいるはずです。
その点、ポイント投資なら、投資のためだけに新たに現金を出す必要もありません。「投資をやってみたいけど、一歩踏み出せない」という人でも、十分いいきっかけになるでしょう。