高速道路の深夜割引はどう変わる?22時〜翌5時へ拡大、走行分のみ、ETCマイレージへの後日還元に

深夜割引は後日還元に変わると書いたアイキャッチ。時間帯・対象・受け取りの3枚のカードと、マイレージ登録が必須のバッジを配置している

高速道路の深夜割引は、いまは毎日0時から4時に走れば30%引きという単純な仕組みです。この割引が見直されることが決まっており、見直し後は時間帯が22時から翌5時へ広がる一方、割引が自動では効かなくなります。ETCマイレージサービスかETCコーポレートカードへの後日還元に変わるためです。登録していないと、時間帯に走っても1円も戻りません。運用開始日はまだ発表されていませんが、準備は今からできます。

先に結論

  • 見直し後の適用時間帯は毎日22時〜翌5時。現行の0時〜4時から前後に広がります。
  • 割引の対象はその時間帯に走った分だけ。いまのように「時間内に入口を通れば全区間30%引き」ではなくなります。
  • 割引率は最大30%。ただし22時台に料金所を出た場合は20%です。
  • 支払いがその場で安くなるのではなく、ETCマイレージサービスまたはETCコーポレートカードへの後日還元に変わります。マイレージサービスへの登録が必要です。
  • 運用開始日はまだ決まっていません。NEXCO3社は2026年3月3日にシステム整備の状況を公表し、開始時期は改めて知らせるとしています。

いまの深夜割引と、見直し後の違い

現行の深夜割引は、毎日0時から4時の間に対象道路を走れば30%引きになる制度です。走行距離や適用回数の制限はありません。高速国道であれば、入口料金所と出口料金所の通過時刻で適用の可否が判断されます。

NEXCO東日本の深夜割引の見直しについてのページの画面キャプチャ。適用時間帯を22時から翌5時に拡大すること、走行分のみ3割引になること、後日還元型に変更することが3つのポイントとして説明されている
出典:NEXCO東日本 ドラぷら「深夜割引の見直しについて」(2026年9月15日に確認)。
比べるところ 現行(見直し前) 見直し後
適用時間帯 毎日0時〜4時 毎日22時〜翌5時
割引の対象 時間帯に走行すれば、その通行の全走行分 適用時間帯に走行した分のみ
割引率 30%割引 最大30%割引(22時台に流出した場合は20%)
受け取り方 請求される通行料金が直接安くなる ETCマイレージサービスまたはETCコーポレートカードへの後日還元
事前登録 不要 ETCマイレージサービスへの登録が必要
距離の制限 走行距離や適用回数の制限はない 利用1時間あたりの上限距離を設定。1,000km以上走行した場合は1,000kmを超える部分を割引対象走行分に加算
対象車種 すべての車種 すべての車種(変更なし)

変更点は3つに整理されていますが、財布への影響がいちばん大きいのは受け取り方です。いまは請求書の金額そのものが下がりますが、見直し後は通常料金で請求され、あとからマイレージの還元額として戻ってくる形になります。

登録していないと、走っても戻らない

NEXCO東日本の説明には「ETCマイレージサービスへの登録が必要になります」と明記されています。すでに登録済みの人は改めて申し込む必要はありません。裏を返せば、未登録のまま見直しが始まると、22時から翌5時に走っても還元は発生しません。

登録は無料で、いま済ませておけます。ETCマイレージサービスは、ETCカードと車載器の情報を登録して利用するサービスです。深夜割引の見直しを待つ必要はありません。手順はETCマイレージサービスへの登録方法にまとめています。

法人で使っている場合は、ETCコーポレートカードも還元先として認められています。個人のETCカードで通勤している人は、マイレージサービスの登録が唯一の受け皿になります。

「走行分のみ」が効いてくる場面

現行制度では、0時から4時の間に入口を通れば、その通行全体が30%引きになります。深夜0時に高速に乗って朝8時まで走り続けても、全区間が対象です。見直し後はここが変わります。

深夜に入って昼まで走る

22時から5時までに走った分だけが割引の対象になります。5時以降の走行分は通常料金です。

22時台に出る短距離

料金所を22時台に出た場合の割引率は20%です。23時から翌5時の間に出れば30%になります。

長距離を走る

1時間あたりの上限距離が設定されます。無謀な運転を抑えるための措置と説明されています。

1,000kmを超える

深夜割引適用車両のうち1,000km以上走行した場合、1,000kmを超える部分は割引対象走行分に加算されます。

均一料金制の区間など、一回の通行に対して料金を設定している道路は扱いが別です。料金所の通過時間が22時台なら全走行分を20%、23時から翌5時なら全走行分を30%の割引率とする、と定められています。対象として挙げられているのは、道央道(札幌南〜札幌)、後志道、札樽道、道東道(池田〜本別・足寄)、東北道(川口JCT〜浦和)、山形道(湯殿山〜鶴岡JCT)、日本海東北道(鶴岡JCT〜酒田みなと)、東関東道(湾岸市川〜湾岸習志野)、常磐道(三郷〜三郷料金所スマート)です。

いつ始まるのか

運用開始日は、この記事を書いている時点でまだ公表されていません。NEXCO3社は2026年3月3日に、システム整備の状況を連名で公表しています。

NEXCO東日本の高速道路の深夜割引見直しに向けたシステム整備の状況についてのお知らせページの画面キャプチャ。2026年3月3日付でNEXCO3社連名の発表が掲載されている
出典:NEXCO東日本「高速道路の深夜割引見直しに向けたシステム整備の状況について」(2026年3月3日、2026年9月15日に確認)。
時点 公表されている内容
令和7年10月29日 深夜割引見直しに向けたシステム整備についてお知らせ
2026年3月3日 走行履歴情報の作成と、還元額計算用機器へのデータ連携機能の構築が完了したと公表
今後 還元額が正しく算出されるよう、システムの動作確認と検証作業を慎重に行う
運用開始時期 今後の作業状況を踏まえて、改めて知らせるとされている

「還元額が正しく算出されるよう」という書き方から分かるのは、走行時間・走行経路をまとめた履歴から還元額を計算するという、これまでになかった処理が必要になっている点です。制度の複雑さがそのまま準備期間の長さになっています。

あわせて変わること

深夜割引の見直しとあわせて、長距離逓減制が拡充されます。長距離利用の通行料金負担が増えることを軽減する目的で、400km超の走行が対象とされています。長距離逓減制とは、NEXCO3社が管理する高速道路のうち対距離料金を適用する高速自動車国道について、利用距離に応じて割引適用前の通常料金を逓減する制度です。

深夜割引の「走行分のみ」への変更は、長距離を走る利用者ほど不利になります。その分を長距離逓減制の拡充で戻す、という組み合わせになっています。どちらの影響が大きいかは走り方によって変わるため、NEXCO東日本が用意している見直し後の料金シミュレーションで確かめるのが確実です。

いま準備しておくこと

やること 理由
ETCマイレージサービスに登録する 見直し後の還元先になる。登録していないと還元されない
登録しているETCカードが現在のカードか確認する カードを切り替えている場合、登録情報が古いままだと還元先が合わなくなる
いまの走り方で影響を試算する NEXCO東日本の料金シミュレーションで見直し後の料金を確認できる
出発時刻を22時側へ寄せられるか考える 時間帯が前に広がるため、22時台の出発でも対象になる
年会費のかからないETCカードを確保する 還元を受けるにはETCカードの利用が前提になる

最後の点については、ETCカードの年会費は発行元によって差があります。JCBのETCスルーカードのように条件付きで無料のもの、有料のものが混在しているため、いま持っているカードの条件を一度確認しておいてください。ETCカードの割引一覧も合わせて見ておくと、深夜割引以外の割引との重なりが分かります。

よくある質問

深夜割引はいつから変わりますか

運用開始日は公表されていません。NEXCO3社は2026年3月3日にシステム整備の状況を公表し、開始時期は今後の作業状況を踏まえて改めて知らせるとしています。

見直し後の割引時間帯は何時から何時までですか

毎日22時から翌5時までです。現行の0時から4時から拡大されます。

割引率は下がるのですか

最大30%で、率そのものは変わりません。ただし22時台に料金所を出た場合は20%になります。また、割引の対象が適用時間帯に走行した分だけになります。

ETCマイレージサービスの登録は必須ですか

見直し後の深夜割引はETCマイレージサービスまたはETCコーポレートカードへの後日還元型になるため、登録が必要です。すでに登録済みなら再度の申し込みは不要です。

請求額はその場で安くなりますか

見直し後は後日還元型になります。通行時点では通常料金で、後から還元される形です。

対象になる道路は変わりますか

対象道路は変更なしとされています。NEXCO3社が管理する全国の高速道路と宮城県道路公社の仙台松島道路が対象で、京葉道路・第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路は対象外です。仙台松島道路での見直しの実施は現時点で未定とされています。

長距離を走ると不利になりますか

適用時間帯の走行分だけが対象になるため、時間帯の外を長く走るほど割引額は小さくなります。一方で、長距離逓減制が400km超の走行を対象に拡充されます。

参照した一次情報


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30枚以上のクレジットカードを保有するFP。一般カードから、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカード、法人カード、デビットカード、ETCカードと様々なカードを持ち、お得にカードを使うためにどうすれば良いのか?楽しく検証しています。マイルやポイントを貯める方法を中心につぶやきます。