クレジットカードを持たずにETCを使いたい人の受け皿が、ETCパーソナルカード(通称パソカ)です。審査ではなくデポジット(保証金)を預けることで発行される仕組みで、クレジットカードのETCカードとは費用の構造がまったく違います。ここではETCパーソナルカード事務局が公表している条件だけを使い、いくら必要で、どこでつまずくのかを整理します。
先に結論
- ETCパーソナルカードは有料道路の支払いにだけ使えるETCカードです。買い物には使えません。
- クレジットカードを持っていなくても、デポジット(保証金)を預託することで発行を受けられます。
- 年会費は1,257円(税込)。カードの発行費用とその他カードの運営に要する費用を賄うためのものと説明されています。
- デポジット額は平均利用月額の4か月分。平均利用月額が5,000円なら20,000円、20,000円なら80,000円です。
- デポジットは前払金ではありません。通行料金の支払いには使えず、有料道路を利用できる限度額がデポジット額まで、という意味です。
クレジットカードのETCカードと何が違うのか
いちばんの違いは、審査でつくるか、お金を預けてつくるかです。クレジットカードに付帯するETCカードは、クレジットカードの与信の上に乗っています。一方ETCパーソナルカードは、利用金額に対する債務を保証してもらうために、あらかじめ保証金を預ける形です。
| 項目 | ETCパーソナルカード | クレジットカードのETCカード |
|---|---|---|
| 前提 | デポジット(保証金)の預託 | クレジットカードの契約 |
| 使える範囲 | 有料道路の支払いにだけ使える | ETCの支払い。親カードは買い物にも使える |
| 年会費 | 1,257円(税込) | カードによる。無料のものもある |
| 利用限度 | デポジット額まで | クレジットカードの利用可能枠の範囲 |
| 支払い | 指定した金融機関口座から1か月単位で引落し | クレジットカードの支払日にまとめて |
| 発行までの時間 | デポジットの入金からカード到着まで2週間程度 | カード会社による |
ここで押さえておきたいのが、ETCパーソナルカードには年会費が必ずかかるという点です。クレジットカード側のETCカードには年会費無料のものがあるため、クレジットカードをつくれる状況なら、費用だけを見ればそちらのほうが軽くなります。
デポジットはいくら必要か
公式サイトは計算方法をはっきり示しています。平均利用月額の4か月分がデポジット額です。

| 平均利用月額 | デポジット額 | 初年度に必要な現金の合計 |
|---|---|---|
| 5,000円 | 20,000円 | 21,257円 |
| 10,000円 | 40,000円 | 41,257円 |
| 15,000円 | 60,000円 | 61,257円 |
| 20,000円 | 80,000円 | 81,257円 |
右の列は、デポジット額に年会費1,257円(税込)を足したものです。デポジットは所定の手続を経たうえで返金されるお金ですが、申し込みの時点でこの額を用意できるかどうかが最初の関門になります。

デポジットで通行料金を払えるわけではありません。公式サイトは「デポジットはプリペイドカードのような前払金ではありませんので、通行料金のお支払いにはご利用いただけません」と書いています。通行料金は別途、指定した金融機関口座から引き落とされます。デポジットは「使う分のお金」ではなく「使わずに置いておく担保」だと理解してください。
止まるのはどんなときか
この仕組みでいちばん起こりやすいトラブルが、走行中の利用停止です。公式サイトは、利用料金がデポジット額を超過すると一時的に利用を停止すると案内しており、デポジット額を決める際は余裕を持った設定を勧めています。
企画割引を申し込んで走行した場合や、通行止めによる料金調整が行われる場合でも、割引または調整前の個々の走行ごとの利用金額の合計額で、いったん未決済残高が計算されると説明されています。
利用料金について口座振替が完了した場合でも、振替結果の反映には3営業日ほどかかるとされています。引き落とし日の直後に枠が戻ると考えて走ると足りなくなります。
指定した金融機関口座から1か月単位で引き落とされ、口座引落し日は毎月27日とされています。残高不足に注意してください。
デポジットの増額はETCパーソナルカード事務局への問い合わせが必要です。長距離の旅行を予定しているなら、前もって手続きしておきます。
デポジット額をいくらに設定するか
ここが実際にいちばん悩むところです。平均利用月額の4か月分という計算式は示されていますが、その「平均利用月額」を決めるのは自分です。低く見積もればデポジットは少なくて済む代わりに、限度額も低くなります。
考え方としては、ならした月額ではなく、いちばん使う月を基準にするほうが安全です。通勤で毎月5,000円しか使わない人でも、年に一度の帰省で3万円を使うなら、その月に枠が足りなくなります。デポジット額が20,000円だと、その1回で超過して利用が止まります。
さらに、割引を申し込んで走行した場合でも、いったんは割引前の金額の合計で未決済残高が計算されると説明されています。割引後の実質負担で枠を計算すると足りません。加えて、口座振替が完了しても反映まで3営業日ほどかかるため、引き落とし直後にすぐ枠が戻る前提も置けません。この3つを重ねると、ピークの月額を基準に、さらに余裕を持たせた設定が現実的な落としどころになります。
逆に言えば、高速道路をほとんど使わない人にとっては、預ける現金が大きすぎる制度でもあります。年に数回しか有料道路を使わないなら、ETCを使わず現金で払うほうが総額では軽く済む場合があります。
申し込みの流れ
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 申込書の作成 | 公式サイトで申込書を作成する |
| 2. 郵送 | 作成した申込書を郵送する |
| 3. デポジットの振込 | 案内に従ってデポジットを振り込む |
| 4. カード到着 | デポジットの入金からカード到着まで2週間程度かかる |
すぐに手元に届くカードではありません。週末の遠出に間に合わせたい、という使い方はできない前提で計画してください。急ぐ場合はETCカードを使わずに現金で通行料金を支払う方法もあります。
クレジットカードなしでETCカードをつくる方法の全体像はETCカードのみの発行についての記事、ETCカードがつくれない場合の対処はETCカードが作れない人の対処法の記事、割引を取りこぼさないための登録はETCマイレージサービスの記事で確認してください。
よくある質問
ETCパーソナルカードに審査はありますか
クレジットカードを持っていない方でも、デポジット(保証金)を預託することで有料道路で使えるETCカードの発行を受けられる仕組みです。カードの発行はデポジットの預託を前提としています。
年会費はいくらですか
1,257円(税込)です。カードの発行費用とその他カードの運営に要する費用を賄うためのものと説明されています。
デポジットはいくら必要ですか
平均利用月額の4か月分です。公式サイトの例では、平均利用月額5,000円で20,000円、10,000円で40,000円、15,000円で60,000円、20,000円で80,000円とされています。
デポジットで通行料金を払えますか
払えません。デポジットはプリペイドカードのような前払金ではないため、通行料金の支払いには利用できません。通行料金は指定した金融機関口座から引き落とされます。
途中で使えなくなることはありますか
利用料金がデポジット額を超過すると、一時的に利用が停止されます。公式サイトもデポジット額を決める際は余裕を持った設定を勧めています。
買い物にも使えますか
使えません。有料道路の支払いにだけ利用できるETCカードです。
デポジット額はあとから変えられますか
増額したい場合は、ETCパーソナルカード事務局に問い合わせる形になります。長距離の移動を予定しているなら、走る前に手続きしておくほうが安全です。
デポジットは戻ってきますか
所定の手続を経たうえで返金されるとされています。増額したい場合はETCパーソナルカード事務局への問い合わせが必要です。











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