クレジットカードの業界団体の1つである一般社団法人日本クレジット協会は、2020年6月30日に2020年第1四半期(2020年1月~3月)における不正利用の被害状況を取りまとめ、公開しました。
クレジットカードの不正利用の状況
同協会の発表によれば2020年第1四半期の各種指標は以下の通りです。
- 不正利用被害額:61.0億円(2019年第4四半期(10月~12月)より11.3%減少)
- 不正利用被害額のうち偽造被害額:43億円(4.4%減少)
- 不正利用被害額のうち番号盗用被害額 :49.2億円(12.0%減少)
- 不正利用被害額のうちその他の被害額: 7.5億円(10.7%減少)
番号盗用被害額がやはり多い
今回の結果からもわかるように、クレジットカードの不正利用の原因で一番多いのは、番号盗用被害です。つまり「番号を盗み出して、それを元に不正利用する」と考えましょう。
従来のクレジットカードは、磁気ストライプにすべての情報を記録させる単純な作りだったために、スキミングという特殊な機械を用いて情報を盗み出すことさえできれば、偽造カードを作るのは簡単にできました。しかし、今はすべてのクレジットカードにICチップが搭載されているため、昔ながらの偽造は難しくなっています。
一方で、オンラインショッピングなど非対面かつクレジットカードの実物を必要としない取引も増えてきたため、クレジットカードの番号や有効期限、会員名やセキュリティコードなど、かなり記憶力のいい人なら暗記できてしまう情報だけで不正利用ができるようになったのも事実です。
クレジットカードが不正利用された!どうすべき?
クレジットカードが不正利用されないようにするには、普段の心がけが非常に大事です。
- 買い物をする際は店員にクレジットカードを渡さない
- 渡すよう求められた場合は理由を聞き、適切に対応する
- 端末に怪しげな仕掛けがしてあったら使わない
- 利用明細はこまめにチェックし、覚えのない請求がないか調べる
- アプリやメールで利用通知が届くようにする
- クレジットカード情報は自分以外には見せない
など、不正利用を防ぐためにすぐにできることはたくさんあります。しかし、それでも不正利用されてしまった場合、どうすればいいかおさらいしておきましょう。
1.何はなくともまずは連絡する
必ずやらなくてはいけないのが、クレジットカード会社への連絡です。不正利用の場合、盗難・紛失の対応を行うコールセンターでも受け付けてくれます。24時間365日対応なので、気づいた時点ですぐに連絡しましょう。犯罪かどうかわからなくても、身に覚えがない支出なら、一度コールセンターに聞いてみたほうがいいでしょう。
2.警察に被害届を出す
不正利用の原因が、詐欺、盗難などの犯罪行為であった場合は、被害届も提出しなくてはいけません。最寄りの警察署や警視庁サイバー犯罪相談窓口に相談し、適切案対応を仰いでください。
3.クレジットカードの再発行を受ける
不正利用された場合、同じ番号でクレジットカードを使い続けることはできません。再発行してもらいましょう。なお、再発行にあたっては、手数料がかかるのが一般的です。500円~1,000円程度なので、コールセンターでのやり取りの際に確認しておきましょう。
4.クレジットカード情報を変更する
携帯電話料金や公共料金、月額コンテンツの支払いなど「毎月支払う義務があるもの」をクレジットカードで支払っていた場合は、番号が変わると支払いができなくなります。番号が変更になった場合の手続きをしておきましょう。