クレジットカード「最強の2枚」は支出で変わる|税金は500円=1P、保険料・携帯・海外は200円=1Pという公表区分で決める

税金は500円で1ポイント、保険料や携帯や海外は200円で1ポイント、年会費や手数料やチャージは対象外と3つ並べたアイキャッチ

「最強の2枚」という言い方をよく見かけますが、誰にとっても同じ2枚になることはありません。カード会社は、どの支払いで還元率が下がり、どの支払いでポイントが付かないかを公式ページで一覧にしています。その一覧を2社ぶん突き合わせると、1枚では取りこぼす場所がはっきり見えます。組み合わせは、その穴を埋める形で決めます。

先に結論

楽天カードは、税金・公共料金・国民年金保険料などを500円につき1ポイントとしています。通常の100円につき1ポイントと比べると5分の1です。

保険料、携帯電話料金・通信費等、Visa・Mastercardブランドの海外取引等は200円につき1ポイントです。通常の半分になります。

両社とも共通して付かないのが年会費・手数料・キャッシング・電子マネーやプリペイドへのチャージです。ここは2枚持ちでも埋まりません。

だから2枚目を選ぶ基準は「1枚目で下がる支払いを、どこで取り返すか」です。同じ国際ブランドで2枚持つと、使えない場面も一緒に増えます。

1枚で全部は取れない。還元率は支払い先で変わる

還元率は「このカードは1%」と一言で決まるものではありません。楽天カードは「カード利用による獲得ポイントの還元率が異なるご利用先」というページを設け、通常より低くなる区分を公開しています。

表1 楽天カードが公表している、還元率が下がるご利用先(2026年10月2日に確認)
区分 対象 通常との比
500円につき1ポイント 公共料金(電気料金、ガス料金、水道料金など) 5分の1
税金(自動車税、固定資産税、都市計画税、法人税、地方法人税、贈与税、源泉所得税、住民税) 5分の1
国民年金保険料、Yahoo!公金支払い、地方税共同機構(eLTAX)、NHK放送受信料 5分の1
200円につき1ポイント 保険料(生命保険、損害保険、傷害保険、医療保険など第三分野を含む) 半分
携帯電話ご利用料金・通信費等(電話料金合算払いを含む) 半分
海外取引等におけるご利用料金(Visa・Mastercardブランドのみ) 半分
楽天Edyチャージ、金・プラチナ取引、投信積立の一部ファンド、楽天カードプリぺチャージ 半分

NHK放送受信料は2024年8月1日の利用分から、この区分に入っています。ケーブルテレビ等の「NHK団体一括支払」については変更がなく、100円につき1ポイントのままだと注記されています。

見落としやすいのが最後の注意書きです。楽天カードは「ご利用先が、複数の『還元率が異なるご利用先』に該当する場合、還元率が低い方が適用されます」と書いています。海外で保険料を払うような場合、有利なほうは選べません。

楽天カードの公式ページで、500円につき1ポイントの区分と200円につき1ポイントの区分、ポイント進呈対象外が一覧になっている画面キャプチャ
楽天カード「カード利用による獲得ポイントの還元率が異なるご利用先」。公共料金・税金・保険料・携帯・海外取引が区分ごとに並び、下段にポイント進呈対象外の一覧が続く。

2社に共通して「付かない」支払い

還元率が下がるのではなく、そもそも付かない支払いもあります。三井住友カードも同じように一覧を公開しており、両社を並べると重なる項目が見えてきます。

表2 ポイントが付かないとされている利用(各社の公式ページの記載)
項目 楽天カード 三井住友カード
カード年会費 対象外 対象外
手数料(分割払いの手数料など) 対象外 対象外
キャッシング 対象外 対象外
電子マネー・決済サービスへのチャージ 対象外 対象外
自社発行プリペイドへのチャージ 残高超過分が対象外 対象外
保険料 200円=1ポイント 対象外
ETCカード年会費 対象外 記載なし
PiTaPa 記載なし 対象外
独自ポイントが貯まる提携カードの利用分 記載なし 対象外

保険料の扱いが分かれます。楽天カードは還元率を下げたうえで付与しますが、三井住友カードは付与の対象外としています。同じ「保険料をカードで払う」でも、どちらを使うかで結果が変わります。

三井住友カードの公式ページで、Vポイントの付与対象とならない利用分が箇条書きで並んでいる画面キャプチャ
三井住友カード「Vポイントがつかない利用はある?」。年会費、キャッシング、手数料、保険料、提携カードの利用分、PiTaPa、電子マネーへのチャージ、自社プリペイドへのチャージが並ぶ。

2枚目を決める3つの軸

穴が見えたら、2枚目はそれを埋めるために選びます。感覚ではなく、自分の支出のうち金額の大きい順に当てはめます。

図1 2枚目を選ぶときに見る軸

軸1 国際ブランドを分ける

同じブランドで2枚持つと、使えない加盟店も同時に増えます。1枚目がVisaなら2枚目はJCBかMastercard、という分け方が効きます。

軸2 下がる区分をずらす

税金や公共料金の比率が高い家計なら、その区分で下がらないカードを2枚目にします。両方とも下がるなら2枚持つ意味は薄くなります。

軸3 年会費の条件を数える

2枚持つと年会費も2本です。無料の条件(永年無料か、利用額や回数の条件付きか)を確認してから足します。

国際ブランドの違いはクレジットカードの国際ブランドって何?に、カードの種類とグレードの整理はクレジットカードの種類と違いにまとめています。

自分の2枚を決める手順

順番があります。カードの名前から入ると、公表されている条件を確認しないまま決めることになります。

図2 公表条件から2枚を決める5ステップ

  1. 直近12か月の利用明細を区分ごとに集計する。食品・日用品、税金、公共料金、携帯、保険料、海外、チャージの7つに分けます。
  2. 1枚目の公式ページで、その区分の還元率を確認する。「還元率が異なるご利用先」や「ポイントが付かない利用」のページを探します。
  3. 金額が大きいのに下がっている区分を書き出す。ここが2枚目で埋める対象です。
  4. 候補カードの同じページを開いて、その区分の扱いを比べる。両方とも下がるなら、その組み合わせでは解決しません。
  5. 年会費と国際ブランドで最終確認する。2枚目の年会費が、埋めた差額を超えないかを計算します。

チャージはどちらのカードでも埋まりません。両社とも電子マネーや決済サービスへのチャージを対象外としており、楽天カードはApple PayとGoogle Pay経由のチャージも含まれると明記しています。チャージで還元を取る前提の組み合わせは、公表条件の上では成立しません。PayPayへのチャージ方法はPayPayに他社クレジットカードではチャージできないで扱っています。

税金の支払いは還元率と手数料の両方を見る

税金をカードで払うとき、還元率が下がるだけでは終わりません。決済手数料が別にかかります。還元で得たポイントより手数料が大きければ、現金や口座振替のほうが有利です。

楽天カードの区分では、税金は500円につき1ポイントです。10万円の自動車税なら200ポイントになります。ここに決済手数料が乗るため、差し引きで判断する必要があります。手数料の具体的な金額は税金のクレジットカード払いの手数料はいくら?にまとめています。

貯まったポイントの扱いも押さえておくと計算が揃います。原則として課税されるのか、されないのかはクレジットカードのポイントに税金はかかる?で整理しています。

公表条件は変わる。確認する場所を覚えておく

還元率の区分や対象外の一覧は、カード会社の判断で変わります。楽天カードは「既にカード利用による獲得ポイントの還元率が異なるご利用先の対象カテゴリにおいて、ご利用先を事前に予告なく追加させていただく場合がございます」と書いています。

図3 条件が変わったときに気づくための確認先

カード会社の該当ページ

楽天カードは「還元率が異なるご利用先」、三井住友カードは「Vポイントが付与されない利用分」です。半年に一度は開いてください。

利用明細のポイント欄

付与されたポイントが利用額に対して想定より少ない月があれば、区分が変わった可能性があります。

適用の時期に注意

楽天カードのNHK放送受信料は2024年8月1日利用分から、楽天ペイ残高チャージは2024年6月4日利用分から適用と書かれています。日付で切り替わります。

よくある質問

「最強の2枚」は決まっていますか。
決まっていません。還元率はどこで使うかで変わるため、自分の支出の内訳によって答えが変わります。
税金をカードで払うとポイントは減りますか。
楽天カードの場合、税金は500円につき1ポイントです。通常の100円につき1ポイントと比べると5分の1になります。
保険料はどちらのカードでも同じですか。
違います。楽天カードは200円につき1ポイント、三井住友カードは付与の対象外としています。
チャージでポイントを二重取りできますか。
両社とも電子マネーや決済サービスへのチャージをポイント付与の対象外としています。楽天カードはApple PayとGoogle Pay経由も含むと明記しています。
同じ国際ブランドで2枚持ってもよいですか。
持てますが、使えない加盟店も同じになります。使える場所を広げたいなら、ブランドを分けるほうが効果があります。
海外で使うと還元率は変わりますか。
楽天カードでは、Visa・Mastercardブランドの海外取引等は200円につき1ポイントです。海外の事業者が日本国内で行うインターネット上の取引も対象に含まれると書かれています。

この記事が参照した一次情報

還元率の区分と対象外の範囲は、カード会社の判断で変更されることがあります。申し込みや支払い方法を決める前に、各社の該当ページで最新の表示をご確認ください。


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30枚以上のクレジットカードを保有するFP。一般カードから、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカード、法人カード、デビットカード、ETCカードと様々なカードを持ち、お得にカードを使うためにどうすれば良いのか?楽しく検証しています。マイルやポイントを貯める方法を中心につぶやきます。