クレジットカード2枚目の選び方|使い分け・管理・比較の手順

クレジットカード2枚目の選び方|使い分け・管理・比較の手順

2枚目のクレジットカードを選ぶとき、多くの記事は還元率や年会費から入ります。ただ、1枚目のときと決定的に違うのは、審査する側にすでにあなたの取引記録があるという点です。割賦販売法は、クレジット会社に「支払可能見込額の調査」を義務づけ、その調査で他社の債務額や支払状況を確認するために指定信用情報機関の情報を使うことを求めています。つまり2枚目は、1枚目の使い方を見られたうえで判断されます。ここでは指定信用情報機関CICが公表している登録項目と保有期間をもとに、申し込む前に整えておくことと、選び方の順番を整理します。

先に結論

  • 2枚目の審査では他社のクレジット債務残高と年間支払見込額が見られる。割賦販売法で調査が義務づけられている
  • 申込情報は照会日から6か月残る。短期間に複数申し込めば、その事実は次の会社から見える
  • クレジット情報は契約期間中と契約終了後5年以内。入金履歴や異動(延滞・保証履行・破産)の有無も含まれる
  • 解約しても記録は即座には消えない。終了状況も登録項目に含まれる
  • 信用情報に人種・思想・保健医療・犯罪歴などの項目は一切含まれないとCICが明記している

2枚目は「1枚目の記録」を前提に審査される

2008年6月に改正された割賦販売法は2010年12月17日に完全施行され、過剰与信の防止策として、消費者の支払能力を超えるクレジット契約の締結を禁止しました。その実効性を確保するため、クレジット会社には「支払可能見込額の調査」が義務づけられ、調査にあたって他社のクレジット債務額や支払状況を確認するために指定信用情報機関制度が創設されています。

CICは2010年3月11日に貸金業法に基づく指定信用情報機関として内閣総理大臣から、2010年7月20日に割賦販売法に基づく指定信用情報機関として経済産業大臣から指定を受けた機関です。加入するクレジット会社には、CICへ基礎特定信用情報を提供する義務があります。包括クレジット(クレジットカード)で登録される項目には、契約年月日、クレジット債務残高、年間支払見込額、支払の遅延の有無が含まれます。

指定信用情報機関CICの公式サイト「指定信用情報機関制度」のページ。割賦販売法により支払可能見込額の調査が義務づけられた経緯が説明されている画面
出典:CIC「指定信用情報機関制度」。割賦販売法の改正と支払可能見込額の調査義務の関係が説明されている。

ここから読み取れる実務的な結論は単純です。2枚目の申し込みは、1枚目の残高と年間の支払予定がある状態で判断されるということ。1枚目でリボ払いや分割払いの残高が積み上がっていれば、それは調査の対象になります。逆に言えば、2枚目を申し込む前にやるべきことは、カードを比べることではなく、1枚目の残高と支払状況を整えることです。

信用情報は種類ごとに保有期間が違う

「信用情報は◯年で消える」とひとまとめに語られがちですが、CICは情報の種類ごとに期間を分けて公表しています。期間を過ぎた情報は自動的に抹消されます。

情報の種類 何を表す情報か 主な項目 保有期間
申込情報 新規申込みにおける支払能力を調査するため、加盟会員が照会した事実 照会日、商品名、契約予定額、支払予定回数、照会会社名 など 照会日より6か月間
クレジット情報 加盟会員と締結した契約の内容や支払状況 契約日、契約の種類、支払回数、契約額(極度額)、残債額、請求額、入金額、入金履歴、異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日、終了状況 など 契約期間中および契約終了後5年以内
利用記録 利用途上における支払能力を調査するなどのため、加盟会員が照会した事実 利用日、利用目的、利用会社名 など 利用日より6か月間
クレジット・ガイダンス情報 属性項目を除いた客観的な取引事実をCICが分析のうえ算出した情報 指数、算出理由 契約期間中および契約終了後5年以内
本人申告情報 本人がCICに申告した内容 情報登録日、申告したコメント など 登録日より5年以内(本人の申し出で期間内でも削除可)
指定信用情報機関CICの公式サイト「CICが保有する信用情報」のページ。信用情報の種類ごとの保有期間が説明されている画面
出典:CIC「CICが保有する信用情報」。信用情報とは客観的な取引事実を登録した情報であり、人種や思想、保健医療、犯罪歴などの項目は一切含まれないと明記されている。
図:2枚目を申し込むときに「見えている」期間の長さ

申込情報
利用記録
クレジット情報
クレジット・ガイダンス

短い2つ(6か月)は「申し込んだ・照会された」という事実、長い2つ(契約終了後5年以内)は「どう払ってきたか」です。2枚目のタイミングを考えるときは、この長さの違いが判断材料になります。

図:CICが公表する保有期間を横棒の長さで比べたもの。申込情報と利用記録は6か月、クレジット情報とクレジット・ガイダンス情報は契約期間中および契約終了後5年以内。

短期間に何枚も申し込むと、その事実は残る

申込情報の保有期間が6か月であることは、直近半年に何社へ申し込んだかが次の会社から見えることを意味します。申込情報には契約予定額と支払予定回数も含まれるため、件数だけでなく金額の規模も伝わります。

これは「6か月以内に2枚目を申し込むと落ちる」という意味ではありません。審査の基準は各社が公表していないため、何件までなら通るという断定はできません。確認できるのは、事実が記録され、他社から参照できる状態になるという点だけです。したがって現実的な対処は、申し込む枚数を必要な分だけに絞り、目的が決まってから申し込むことになります。とりあえず数枚出して通ったものを使う、という進め方は、記録の上では不利に働く可能性があります。

審査結果や通過率を保証できる情報は公表されていません。「◯件までなら安全」といった数字を見かけても、その根拠が各社の公表資料にあるかを確かめてください。本記事も、CICが公表している登録項目と保有期間という事実までを扱い、審査結果の予測はしていません。

2枚目の役割を先に決めてから比べる

還元率から入ると、1枚目と役割が重なった2枚目になりがちです。先に決めるのは「1枚目で不便だったことは何か」です。役割が決まれば、比べるべき項目は自然に絞られます。

停止したときの代替

1枚目が不正利用検知で止まったとき、決済が全部止まる状態を避けたい。この場合は国際ブランドを分けることと、発行会社を分けることが要件になります。還元率は二の次です。

経費と私費の分離

確定申告や経費精算のために明細を分けたい。この場合は明細の出力形式(CSVの有無)、締め日、家族カードや追加カードの発行可否が要件です。

特定の支払先に寄せる

公共料金や通信費など、毎月固定で出る支払を1枚に集めたい。この場合は上限額の設定可否と、支払日が給与日とどうずれるかを見ます。

付帯保険の補完

旅行傷害保険を足したい。この場合は利用付帯か自動付帯か、補償が他のカードと重複したときの扱い(合算されるか、いずれか一方か)を各社の会員規約で確認します。

図:2枚目に持たせる役割の型。役割が決まると、比べるべき項目が絞れる。
2枚目の役割 必ず確認する項目 どこで確認できるか 比較から外してよい項目
停止したときの代替 国際ブランド、発行会社、即時利用停止の連絡先 カードの申込ページと会員規約 還元率、ポイントの交換先
経費と私費の分離 明細の出力形式、締め日、追加カードの発行可否と枚数 会員サイトの案内と申込ページ 旅行傷害保険、空港ラウンジ
固定費を寄せる 利用限度額の設定可否、支払日、公共料金の取扱い 申込ページと支払先の対応カード一覧 付帯サービス全般
付帯保険の補完 利用付帯か自動付帯か、補償の対象と期間、他カードと重複したときの扱い 保険の付帯条件を示した会員規約・約款 年会費以外のコスト

役割を決めたら、その役割に必要な項目だけを表にします。年会費、還元率、付帯保険、限度額をすべて同じ重さで並べると、必須ではない項目が順位を動かしてしまいます。カードの種類ごとの前提を整理したい場合は、ゴールドカードを持つ10のメリットプラチナカードのメリットとデメリットで、年会費に対して何が付くのかを先に把握しておくと比較が早くなります。

利用可能枠は合算されないが、審査では合算して見られる

2枚持てば使える金額が単純に2倍になる、と考えると誤ります。利用可能枠はカードごとに設定されますが、支払可能見込額の調査では他社のクレジット債務額と年間支払見込額が参照されます。枠は別々でも、支払能力の評価は合算という構造です。

この構造から導かれる実務は2つあります。ひとつは、2枚目を作るときに1枚目の限度額が下がる、あるいは2枚目の限度額が想定より低く設定される可能性を前提にしておくこと。もうひとつは、使わないカードを持ち続けると、その枠や残高が次の審査で見られる材料になり続けるということです。

2枚目を持ったあとの管理

枚数が増えて実際に困るのは、審査より支払管理です。締め日と支払日がカードごとに違うと、口座残高の管理が難しくなります。最低限、次の3つは持った時点で決めておきます。

引落口座をそろえるか分けるか

そろえれば残高管理は1か所で済みます。分けるなら、それぞれの口座に自動で振り替える日を決めます。

明細を見る日を決める

CICの利用記録が示すとおり、カード会社は途上でも支払能力を調査します。自分の側でも、月に一度は明細を通しで見る日を決めます。

リボ・分割の設定を確認する

初期設定でリボ払いになる申込方法があります。設定画面で支払方法を確認し、意図しない残高が積み上がらないようにします。

使わないカードの扱いを決める

年会費が無料でも、限度額と契約は残り続けます。使わないと決めたら、解約するか、役割を与え直すかを決めます。

図:2枚目を持った時点で決めておく4つの運用。

解約したときに記録はどうなるか

クレジット情報の保有期間は「契約期間中および契約終了後5年以内」で、登録項目には終了状況も含まれます。つまり、解約した瞬間に記録が消えるわけではありません。延滞なく使い終えた契約であれば、その事実も同じ期間残ります。

自分の記録が実際にどう登録されているかは、CICの情報開示で本人が確認できます。開示はインターネットと郵送の方法が案内されています。2枚目を検討する前に、1枚目の登録内容を自分で見ておくと、推測ではなく事実に基づいて判断できます。

よくある質問

2枚目は1枚目と同じ会社で作るべきですか

目的によります。同じ会社なら明細や会員サイトが1か所にまとまり、管理は楽になります。一方、1枚目が停止したときの代替を目的にするなら、発行会社と国際ブランドを分けたほうが目的に合います。どちらが有利かを一般化することはできません。

申し込みだけして使わなければ記録は残りませんか

残ります。申込情報は、加盟会員が支払能力を調査するために照会した事実として、照会日から6か月間登録されます。契約に至れば、クレジット情報として契約期間中と契約終了後5年以内の期間で登録されます。

信用情報に勤務先や年収は登録されますか

クレジット情報の項目には、本人を識別するための情報として勤務先名や勤務先電話番号が挙げられています。一方で、CICは信用情報に人種や思想、保健医療、犯罪歴などの項目は一切含まれないと明記しています。なお、法律の定めや契約形態、支払状況によって登録される項目は異なり、すべての項目が必ず登録されるわけではないとも記載されています。

クレジット・ガイダンスの指数が低いと2枚目は作れませんか

クレジット・ガイダンス情報は、属性項目を除いた客観的な取引事実をCICが分析して算出した指数と、その算出理由で構成されます。審査の合否をどう判断するかは各社が決めることで、公表されていません。指数だけで結果を予測することはできません。

2枚目を作る前に何をしておけばよいですか

1枚目の残高と支払状況を整えることです。支払可能見込額の調査では他社の債務額と支払状況が参照されます。あわせて、CICの情報開示で自分の登録内容を確認しておくと、心当たりのない登録や誤りに先に気づけます。

まとめ

2枚目のクレジットカードは、①1枚目の残高と支払状況を整える、②2枚目に持たせる役割を1つに決める、③その役割に必要な項目だけで比べる、④申し込みは必要な分だけに絞る、という順番で進めます。申込情報が6か月、クレジット情報が契約終了後5年以内という保有期間は、いずれもCICが公表している事実です。この期間の違いを知っていれば、いつ申し込むか、何枚申し込むかを事実に基づいて決められます。

各カードの年会費・還元率・付帯保険は改定されます。申し込みの前に、各社の公式サイトと会員規約で最新の条件を確認してください。

参照した一次情報

本記事は公表資料をもとにした一般的な比較手順です。審査の合否、適用される限度額、将来の条件を保証するものではありません。各社の審査基準は公表されていないため、本記事では通過率や必要な条件を推測していません。


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30枚以上のクレジットカードを保有するFP。一般カードから、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカード、法人カード、デビットカード、ETCカードと様々なカードを持ち、お得にカードを使うためにどうすれば良いのか?楽しく検証しています。マイルやポイントを貯める方法を中心につぶやきます。