固定資産税や自動車税をカードで払えばポイントが付く、という話には必ず手数料がついてきます。そして手数料の額は、国税と地方税でまったく別の料金表です。どちらも一次情報として金額が公表されているので、還元率と突き合わせれば得か損かは計算できます。まず料金表を並べます。
先に要点
- 国税は納付税額1円〜10,000円で決済手数料99円(税込)。以降10,000円を超えるごとに加算されます。
- 地方税は納付額1円〜10,000円でシステム利用料37円(消費税込40円)。以降10,000円ごとに75円(税別)が加算されます。
- どちらも手数料は国や自治体の収入になりません。納付受託者である株式会社エフレジが受け取ります。
- 納付手続完了後の取消しはできません。国税・地方税とも明記されています。
国税の決済手数料
国税庁は「クレジットカード納付の手続」のページで、納付税額に応じた決済手数料の表を公開しています。

| 納付税額 | 決済手数料(税込) | 納付額に対する割合 |
|---|---|---|
| 1円〜10,000円 | 99円 | 10,000円のとき0.99% |
| 10,001円〜20,000円 | 198円 | 20,000円のとき0.99% |
| 20,001円〜30,000円 | 297円 | 30,000円のとき0.99% |
| 30,001円〜40,000円 | 396円 | 40,000円のとき0.99% |
| 40,001円〜50,000円 | 495円 | 50,000円のとき0.99% |
国税庁は「以降も同様に10,000円を超えるごとに決済手数料が加算されます」と書いています。区切りの上限ちょうどで割ると0.99%になる設計です。区切りの下限に近い金額ほど割高になります。たとえば10,001円の納付なら198円がかかり、割合は約1.98%です。
この手数料は国の収入になるものではない、と国税庁が明記しています。納付受託者は株式会社エフレジで、国税庁長官が指定した外部の事業者です。
地方税のシステム利用料
地方税は令和5年4月3日からクレジットカード納付が可能になりました。料金は「システム利用料」という名前で、特定商取引法に基づく表示として公開されています。

| 納付額 | システム利用料(税込) | 同じ金額の国税との差 |
|---|---|---|
| 1円〜10,000円 | 40円 | 国税より59円安い |
| 10,001円〜20,000円 | 123円 | 75円安い |
| 20,001円〜30,000円 | 205円 | 92円安い |
| 30,001円〜40,000円 | 288円 | 108円安い |
| 40,001円〜50,000円 | 370円 | 125円安い |
公式サイトは「以降、納付額10,000円ごとにシステム利用料75円(消費税別)が加算されます」としています。最初の区切りが37円(税込40円)と低く、以降は1万円ごとに75円(税別)ずつ積み上がる形です。国税より一貫して安い水準になっています。
ポイント還元と釣り合うか
手数料の割合が分かれば、あとはカードの還元率と比べるだけです。区切りの上限ちょうどで計算すると、国税は0.99%、地方税は50,000円で0.74%です。
| 納付額 | 国税の手数料 | 国税の実質負担率 | 地方税の利用料 | 地方税の実質負担率 |
|---|---|---|---|---|
| 10,000円 | 99円 | 0.99% | 40円 | 0.40% |
| 30,000円 | 297円 | 0.99% | 205円 | 0.68% |
| 50,000円 | 495円 | 0.99% | 370円 | 0.74% |
還元率1.0%のカードなら、地方税は差し引きでプラスになります。国税は0.99%との差がほとんど無く、還元率0.5%のカードでは明確にマイナスです。還元率の高いカードを持っているかどうかで結論が変わります。
区切りの下限に近い金額は割高になります。10,001円を納付すると国税は198円、地方税は123円です。納付書が分かれていて金額を選べる場合は、区切りの上限に近づけるほうが率は下がります。ただし納付額そのものは変えられないため、実務で効く場面は限られます。
分割・リボを選ぶと別の手数料が乗る
地方税の公式サイトには、支払回数についての注記が3つ置かれています。
カード会社の手数料は別
分割払い、リボ払いを利用する場合は、システム利用料とは別に各カード発行会社が定める手数料が発生すると書かれています。
利用料自体は一括
システム利用料は、分割払い・リボ払いを選択した場合でも一括払いになります。
機構や自治体の収入ではない
システム利用料は地方税共同機構、各地方公共団体の収入とはなりません。
分割やリボの手数料は年率に直すと二桁になることが珍しくありません。ポイントの還元率とは比べものにならない水準なので、税金の納付で分割を選ぶ意味は薄いと考えるのが素直です。
nanacoやスマホ決済との違い
税金の支払いでポイントを狙う方法は、カードで直接納付するほかにもあります。電子マネーへチャージしてから納付書で支払う方法と、スマートフォンの決済アプリでeL-QRを読み取る方法です。どちらも仕組みが違うため、比べる物差しも変わります。
カードで直接納付する場合、負担するのは手数料だけで、還元はカードのポイントです。チャージを経由する方法では、チャージ時に還元が付くかどうかがカードと電子マネーの組み合わせで決まり、納付そのものには還元が付きません。アプリで読み取る方法では、アプリ側の残高から支払うため、残高へのチャージ手段が還元の有無を左右します。
いずれにしても、還元率は年々見直されています。カード会社が税金の納付をポイント付与の対象外にしたり、還元率を下げたりする改定が実際に行われてきました。数年前の記事に書かれた組み合わせが今も成立しているとは限らないため、支払う前にカード会社の会員規約と最新の案内を見る必要があります。
納付の流れと、いつ「納めた」ことになるか
タイミングの扱いは国税と地方税で説明の仕方が違います。
専用サイトで必要事項を入力
国税は「国税クレジットカードお支払サイト」、地方税は「地方税お支払サイト」を経由します。どちらも外部サイトです。
納付受託者へ立替払いを委託
国税は国税庁長官が指定した納付受託者へ、地方税は地方税法第747条の7に基づく機構指定納付受託者へ委託します。いずれも株式会社エフレジです。
受託者から国・機構へ納付
地方税は納付手続完了日から2週間〜5週間後に地方税共同機構へ納付を行うと案内されています。納付手続完了日が納付日として確定します。
カード会社から請求
利用したカード発行会社が定める期日に引き落とされます。
国税庁は、クレジットカード納付をした後に納税証明書を請求した場合、納付受託者が立替払いを行うまでの間(最大3週間程度)は、納税証明書にクレジットカード納付が行われている旨が記載されると説明しています。証明書をすぐに必要とする場面では、この時間差が影響します。
使えない場面がある
| 項目 | 国税 | 地方税 |
|---|---|---|
| 1回の上限 | 1,000万円未満、かつカードの決済可能額以下(決済手数料含む) | 公式サイトのこの表示には記載なし |
| 利用できるブランド | Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club | 公式サイトのこの表示には記載なし |
| 窓口での利用 | インターネット上のみ。金融機関・コンビニ・税務署の窓口では不可 | eL-QRまたはeL番号を使ったオンライン手続 |
| 取消し | 納付手続が完了すると取消しできない | 納付手続完了後は取消・変更できない |
| 対象外 | 印紙を貼り付けて納付する場合は利用できない。納税告知書が届いていない源泉所得税はe-Taxから手続 | — |
国税庁はフィッシング詐欺への注意も出しています。指定された方法以外でアクセスしないこと、サイトURLを必ず確認することが書かれています。税金の納付は金額が大きくなりやすいため、検索結果から偽サイトに入らないよう、公的機関のページからリンクをたどるのが安全です。
カードの支払いそのものに困ったときの相談先は、金融庁が案内する公的窓口にまとめています。公共料金とあわせた考え方は公共料金や税金のカード払いも参照してください。
この記事で確認できなかったこと
- 地方税の1回あたりの上限額と利用可能ブランド。参照したページには記載がありませんでした。自治体の案内で確認してください。
- 50,000円を超える金額の具体的な手数料額。どちらも加算のルールは示されていますが、表そのものは50,000円までです。各サイトの試算機能で確認できます。
- カード会社ごとのポイント付与の可否。税金の納付をポイント付与の対象外とするカードがあります。
- 自治体ごとの対応税目。地方税お支払サイトで扱える税目は自治体によって異なります。
よくある質問
手数料は自治体の収入になりますか
なりません。地方税の公式サイトは、システム利用料は地方税共同機構、各地方公共団体の収入とはならないと明記しています。国税についても、決済手数料は国の収入になるものではないと国税庁が書いています。
1万円の納付だといくらですか
国税は決済手数料99円(税込)、地方税はシステム利用料37円(消費税込40円)です。
間違えて払ったら取り消せますか
できません。国税庁は納付手続が完了すると取消しできないとし、地方税の公式サイトも納付手続完了後は取消・変更できないとしています。
納付した日はいつになりますか
地方税の公式サイトは、株式会社エフレジから地方税共同機構への入金により、納付手続完了日が納付日として確定すると説明しています。
分割払いにすると手数料は増えますか
システム利用料自体は一括払いですが、それとは別に各カード発行会社が定める手数料が発生します。
参照した一次情報
- 国税庁「G-2-4 クレジットカード納付の手続」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/index.htm
- 地方税共同機構 クレジットカード納付サイト「当サイトについて」https://eltax.f-regi.com/fc/relay/payment/about
- eLTAX 地方税ポータルシステム「クレジットカードを利用した納付の手順」https://www.eltax.lta.go.jp/kyoutsuunouzei/sousa/creditcard/
金額は2026年9月17日に各公式サイトで確認したものです。料金表は改定されます。納付の前に、リンク先の表と試算機能で現在の金額を確かめてください。










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