ふるさと納税のポータルサイトが配っていた独自ポイントは、2025年10月から姿を消しました。一方で、寄付をクレジットカードで払ったときにカード会社から付くポイントは今も付きます。この2つは別のものとして、総務省の告示で線が引かれています。
2026年10月13日に、総務省の報道資料と、各都道府県あてに出された通知の本文を読み、どこまでが禁止されたのかを確認しました。
禁止されたのは「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集」です。自治体がそうした事業者を通じて寄付を募ることが、募集適正基準に反するという形です。
適用は令和7年(2025年)10月1日以後に開始する指定対象期間から。告示の改正自体は令和6年6月28日に行われています。
条文には除外が書かれています。ポイント等のうち「通常の商取引に係る決済に伴って付与されるものに相当するもの」は除く、というものです。
クレジットカードで決済したときにカード会社が付けるポイントは、この除外に当たる性質のものです。カード払い自体が禁止されたわけではありません。
違反した場合、自治体は指定の取消しの対象になりえます。ペナルティを受けるのは寄付した人ではなく自治体の側です。
禁止されたのは「ポイントを付ける者を通じた募集」
総務省は令和6年6月28日の報道資料で、主な改正内容の1つめとしてこう書いています。「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること。(募集適正基準の改正)【令和7年10月1日から適用】」。

禁止の名宛人に注意が必要です。規制されているのは自治体の募集方法であって、寄付する側の行為ではありません。自治体が、ポイントを付ける事業者を通じて寄付を募ることができなくなった、という構造です。
条文には「通常の決済に伴うポイント」の除外がある
各都道府県あての通知(総税市第67号、令和6年6月28日)には、より詳しい書き方が載っています。該当部分は次のとおりです。
「寄附金の寄附に伴って寄附者に対しポイント等(通常の商取引に係る決済に伴って付与されるものに相当するものを除く。)を付与する者(この者が、第三者を通じてポイント等を付与する場合を含む。)を通じた募集を行わないよう、告示及びQ&Aの改正を行っている」。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 禁止される行為 | ポイント等を付与する者を通じた募集を行うこと |
| 対象になる付与 | 寄附金の寄附に伴って寄附者に対し付与するポイント等 |
| 除外されるもの | 通常の商取引に係る決済に伴って付与されるものに相当するもの |
| 第三者経由 | その者が第三者を通じて付与する場合も含む |
| 適用 | 令和7年10月1日以後に開始する指定対象期間から |
括弧の中が効きます。ポイント一般が禁じられたのではなく、「寄附に伴って付ける」ものが対象で、通常の決済に伴うものは外されています。
カード会社のポイントと、サイト独自のポイントの違い
寄付をしたことに対して、仲介するサイトなどが上乗せで配るポイント。還元率を競うキャンペーンがこれにあたります。
第三者を通じて配る形も含むと通知が明記しています。
通常の商取引に係る決済に伴って付与されるものに相当するもの。クレジットカードの決済で付くポイントはこの性質のものです。
買い物でカードを使ったときと同じ扱いになります。
カード払いそのものは禁止されていません。変わったのは、寄付したことに対してポータルサイト側が上乗せしていた還元です。
そのため、同じ金額を寄付したときに戻ってくるものは、2025年9月までと2025年10月以降で変わります。ポータルの還元を前提に計算していた場合は、カード側のポイントだけで見直す必要があります。
カード側で何ポイント付くかは、カード会社ごとの付与区分で変わります。当サイトのクレジットカード「最強の2枚」は支出で変わるで整理したとおり、税金は500円=1ポイント、保険料・携帯・海外は200円=1ポイントというように、支出の種類で区分が分かれている会社があります。自分のカードがどの区分で計算するかは、会員規約やポイントプログラムの公表内容で確認してください。
いつから適用されたのか
改正から適用までの順番
- 令和6年6月28日、総務省が告示の改正とQ&Aの発出を行う
- 同じ日付で各都道府県あてに通知(総税市第67号)が出る
- 通知は「それまでの間に事業者等との契約内容を見直すなど、必要な対応を行うこと」と求める
- 令和7年10月1日以後に開始する指定対象期間から適用される
- 以後、ポイント等を付与する者を通じた募集を行えば、指定の取消しの対象になりうる
改正から適用まで1年3か月あったのは、自治体と事業者の契約を見直す期間が必要だったためです。通知も契約内容の見直しを明示的に求めています。
同じときに変わった他の基準
ポイントの話と同時に、ふるさと納税の指定基準ではいくつかの見直しが行われています。通知に書かれているものを並べます。
| 項目 | 内容 | 適用 |
|---|---|---|
| ポイント等を付与する者を通じた募集 | 禁止 | 令和7年10月1日以後に開始する指定対象期間 |
| 返礼品等を強調した宣伝広告 | 禁止(自治体だけでなく、契約関係にある事業者や返礼品取扱事業者が行うものも含むことを明確化) | 令和6年10月1日以後に開始する指定対象期間 |
| 募集に要する費用 | 寄附金受領額の合計額の5割以下 | 告示第2条第2号 |
宣伝広告の規制は、自治体が自ら行うものだけでなく、募集に関し契約関係にある事業者等や返礼品取扱事業者が行う広告も対象だと明確化されました。ポータルサイト側の見せ方が変わった背景には、この改正もあります。
返礼品の中身についても同じ日に見直しが入っています。報道資料は、地場産品基準の改正として「『区域内での工程が製造等ではなく製品の企画立案等であるもの』や『区域内で提供される宿泊等の役務』について、当該地方団体で生じた付加価値や、地域との関連性をより重視した形で、基準を見直すこと」を挙げています。企画だけを地元で行った品や、地域とのつながりが薄い宿泊サービスが、返礼品として扱われにくくなる方向です。
これらの基準は、地方税法第37条の2第2項および第314条の7第2項の規定に基づく指定の条件として定められています。実務上の解釈は、総務省が同時に出しているQ&A(令和6年総税市第65号)に示されています。どの範囲までが禁止に当たるかは、個別の事情に応じてQ&Aと通知の両方で判断されることになります。
寄付する側が確認すること
2025年10月以降に寄付するとき
- ポータルサイトの独自ポイント還元を前提にした計算は成り立たない
- 戻ってくるのは返礼品と、カード会社のポイント
- 自分のカードが寄付金をどの付与区分で計算するかを会員規約で確認する
- 禁止の名宛人は自治体であって、寄付した人が罰せられるものではない
- 返礼品そのものの基準(地場産品基準)も同時に見直されている
当サイトでは、カード払いができる公的な支払いについて固定資産税のクレジットカード納付でも、システム利用料や領収証書の扱いを整理しています。ふるさと納税は税の納付ではなく自治体への寄附なので、手続きも付与区分も別に確認が必要です。
ふるさと納税のポイントについてよくある質問
ふるさと納税でポイントはもうもらえないのですか
ポータルサイトなどが寄付に伴って上乗せしていたポイントは、令和7年10月1日以後に開始する指定対象期間から、それを付与する者を通じた募集が禁止されています。一方、クレジットカードの決済に伴って付くポイントは条文で除外されています。
クレジットカードで払えなくなったのですか
いいえ。禁止されたのは寄附に伴うポイント等の付与を行う者を通じた募集であって、決済手段そのものではありません。
いつから適用されたのですか
令和7年(2025年)10月1日以後に開始する指定対象期間からです。告示の改正とQ&Aの発出は令和6年6月28日に行われています。
違反すると誰がどうなりますか
規制の対象は自治体の募集方法です。ポイント等を付与する者を通じた募集を行った場合、その自治体は指定の取消しの対象になりえます。
カードのポイントは何ポイント付きますか
カード会社の付与区分によります。支出の種類ごとに区分を分けている会社があり、税金と通常の買い物で付与率が違う場合があります。自分のカードの会員規約やポイントプログラムの公表内容で確認してください。
ポイント以外に変わったことはありますか
返礼品等を強調した宣伝広告の禁止が、自治体だけでなく契約関係にある事業者等や返礼品取扱事業者の広告にも及ぶことが明確化されました。こちらは令和6年10月1日以後に開始する指定対象期間から適用されています。
この記事で確認した一次情報
総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(令和6年6月28日 報道資料):soumu.go.jp
総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(総税市第67号・令和6年6月28日):soumu.go.jp










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