法人クレジットカードとは?どんな仕組みのクレジットカードでしょうか?今回は、法人クレジットカードの特徴・・個人向けのクレジットカードとの違いをわかりやすく解説します。
法人クレジットカードとは?
法人クレジットカードとは
を言います。
事業(ビジネス)で利用する経費の支払に利用するクレジットカードのことです。
事業で利用する経費には
- オフィスで利用するパソコン、周辺機器の費用
- オフィス家具の費用
- 会社で使う備品の費用
- オフィスの家賃(レンタルオフィス、レンタル会議室)
- オフィスの光熱費
- インターネット回線の利用料金
- インターネット広告費
- ウェブサイトのサーバー費用
- ウェブサイトのドメイン費用
- ウェブサイトの分析ツールの費用
- クラウドソーシングの外注費用
- 会計ソフトの費用
- 会社で使う車のガソリン代
- 会社で使う車の高速料金(ETC料金)
- 交通費(電車代、タクシー代)
- 出張で使う新幹線代、航空券代
- 出張で使うホテル代
- 接待で使うレストラン料金
- 接待で使うゴルフ料金
など、様々なものがあります。
名称は、法人クレジットカードと決まっているわけではなく
- 法人カード
- 法人クレジットカード
- ビジネスカード
- コーポレートカード
- 事業者カード
など、様々な呼び方があります。
クレジットカード会社が名付ける名称がバラバラのため、いろいろな呼び方がありますが、当サイトでは「法人クレジットカード」として解説します。
法人クレジットカードの特徴
その1.法人口座から引き落としが可能
法人クレジットカードは、法人口座を引き落とし口座に設定できます。
- 法人クレジットカード → 法人口座から引き落とし
- 個人向けのクレジットカード → 個人口座から引き落とし
という違いがあります。
法人口座から、引き落としができるため、法人クレジットカードは、経費支払に利用することができるのです。
法人経営者にとってみれば
- 事業に使う経費支払 → 法人クレジットカード
- 個人のプライベートな支払い → 個人向けのクレジットカード
という形で「個人」「法人」を分離して、支払を管理できるのです。
その2.法人クレジットカードも、契約名義は、個人名義
となると、当然
と思ってしまいましが、実際は
になります。
山田太郎社長が経営する、株式会社タロウという会社があった場合、法人クレジットカードの契約名義は「山田太郎」なのです。
三井住友ビジネスカード(クラシック)の入会申込書には
当社は裏面の会員規約、個人情報の取り扱いに関する同意条項、および海外キャッシュサービスを利用した場合に会員規約33条に則り、貸金業法第17条第6項および第18条第3項に規定された書面が「ご利用代金明細書」で交付されることを承認の上、カードの入会を申込み、下記の者をカード使用者としてしていいたします。
カード使用者は、裏面の会員規約・個人情報の取り扱いに関する同意条項、特に自己のカード利用による代金支払いについて会社と連帯して責任をもつ旨を承認の上、カード使用者となることを申し込みます。
とあります。
自己のカード利用による代金支払いについて会社と連帯して責任をもつ旨を承認の上、カード使用者となることを申し込みます。
ですから、
となっています。
「名義」というのは
ですから
となっているのです。
一部、会社名が併記される法人クレジットカードもありますが、契約主体という意味では「個人」になります。
基本的に、大企業向けのコーポレートカードを除ければ
になるのです。
その3.使い方は、個人向けのクレジットカードと同じ
法人クレジットカードも、使い方は、個人向けのクレジットカードと全く同じです。
お持ちの法人クレジットカードが利用できる国際ブランドの加盟店で、クレジット払いが可能になります。
法人クレジットカードの国際ブランド
- Visa
- Mastercard
- JCB
- AMEX
- Diners
- 銀聯(UnionPay) ※法人クレジットカードにはほぼない
法人クレジットカードの必要性はあるの?
理由その1.会社経営をすると「個人」と「法人」の会計をわけなければならない
会社経営をして、税理士に一番口酸っぱくいわれることは
です。
零細企業の経営者などは、個人の支払も、法人の支払も、一緒くたに考えてしまう方が多いのですが、これをしてしまうと、税務署に「脱税」で目を付けられてしまいます。
個人の資金 → 個人口座
個人の支払 → 個人向けのクレジットカード(個人口座から引き落とし)
法人の資金 → 法人口座
法人の支払 → 法人クレジットカード(法人口座から引き落とし)
と分離するのが基本なのです。
理由その2.クレジット払い対応の法人向けサービスが増えている!?
近年、インターネットが普及して
- 副業
- 起業
がしやすくなっている環境です。
そのため、
- クラウドソーシング
- クラウドファンディング
- クラウド会計
- 電子契約
- オンラインチャット
- オンライン会議
など、オンライン上で、ビジネス用に使えるツールが増加しているのです。
これらのオンラインサービスは、大抵、「クレジット払い」が基本であり、
- 銀行振込ができない
- 請求書対応ができない
- 銀行振込だと、入金確認まで数日かかる
というものが少なくないのです。
理由その3.WEB明細で支払の見える化が可能
法人クレジットカードで、会社の経費支払をすれば
WEB明細
で、支払状況を確認することができます。
- 利用日
- 利用先
- 利用者
- 支払開始年月
- 利用金額
- 支払回数
- 手数料・利息
- 当月請求額
- 翌月繰越残高
などの詳細情報が記録され
PDFファイル
csvファイル(エクセル)
でダウンロードまでできるのです。
法人クレジットカードで支払いを集約すれば
- 経費の見える化
- 決算・会計処理の作業コストの軽減
につながるのです。
法人クレジットカードと個人向けのクレジットカードとの違い
違いその1.審査が違う
法人クレジットカードの審査:厳しい
という違いがあります。
クレジットカードは、口座から引き落としがされるまでの1カ月~2カ月は、クレジットカード会社が立替ておく仕組みになっています。
立替が発生するということは、その間に返済ができなくなってしまう「貸し倒れ」も発生する可能性があるということです。
個人の方であれば、クレジットカードの利用額に対する返済遅延などが発生しても、給与からの返済、会社がクビになったとしても、アルバイトや派遣などで返済ができなくなる可能性は低いのです。
しかし、法人の場合は、会社の倒産と同時に、経営者は自己破産するケースが多く、破産されてしまえば、クレジットカード会社は、立替たお金は戻ってこないのです。
という特徴があるのです。
違いその2.ポイント還元率が違う
個人向けのクレジットカードのポイント還元率の相場は、1.0%です。
しかし、法人クレジットカードのポイント還元率の相場は、0.5%です。
個人向けのクレジットカードのポイント還元率
平均:1.00%前後
最大:1.25%
法人クレジットカードのポイント還元率
平均:0.50%前後
最大:1.00%
これは、キャッシュバックやマイル付与でも同じです。
法人クレジットカードの方が利用額が大きくなるケースが多いので、低めのポイント還元率(マイル還元率、キャッシュバック率)が採用されているのです。
違いその3.年会費が違う
個人向けのクレジットカードの場合、年会費永年無料のクレジットカードが一般的ですが、法人クレジットカードの場合、一般カードであっても、年会費有料のものが少なくありません。
個人向けのクレジットカードの一般カードの年会費相場
年会費:永年無料
法人クレジットカードの一般カードの年会費相場
年会費:1,000円~2,000円
初年度年会費無料の法人クレジットカード:10枚程度ある
年会費永年無料の法人クレジットカード:2~3枚のみ
貸し倒れリスクが高い法人クレジットカードでは、貸し倒れ損失をカバーするために、一般カードであっても、年会費有料の法人クレジットカードが多いのです。
違いその4.法人向けの優待サービスがある
法人クレジットカードには、法人が使い機会の多い優待サービスが多く用意されています。
例
Visaビジネスオファー
- Visa ビジネスグルメオファー
- WHG(ワシントンホテル・ホテルグレイスリー)
- ウォータースタンド
- エグゼクティブ・センター(The Executive Centre)
- エリアリンク/ハローストレージ
- オフィス・デポ・ジャパン
- オプティVAT(付加価値税)還付代行サービス
- クラウド翻訳 「トランスマート」
- サーブコープジャパン
- サントリーウエルネスオンライン
- スマイルワークス
- ナカバヤシ/フエルモール・フエルフォトブック
- ファクトリーギア/上質工具
- ブラザーダイレクトクラブ
- マネーフォワード クラウド会計・確定申告
- メリービズ バーチャル経理アシスタント
- ヤフー株式会社 / Yahoo!プロモーション広告 スポンサードサーチ
- ユーゴ / 印刷サイト「スプリント」
- 雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jp
- 三洋堂
- 使えるねっと/クラウド型ソリューション「使えるクラウドバックアップ」
- 東武トップツアーズ
- 日比谷花壇
- 日本交通
Mastercardビジネスアシスト
- MICEコンシェルジュサービス
- LAPITA(ラピタ)
- えらべる倶楽部
- 経費Bank
- eKeihi
- オレンジページくらし予報
- 0063携帯電話使い分けサービス
- じゃらんコーポレートサービス(JCS)
- コーポレートキャッシュパスポート
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- アマゾンウェブサービス
- エックスサーバー
- お名前.com
- かんたんクラウド
- クラウドワークス
- cybozu.com
- さくらインターネット
- マネーフォワード
- モノタロウ
- ヤフービジネスサービス
ポイント4倍
年会費が高額な法人クレジットカードになれば
- ビジネスラウンジ
- ビジネスイベント
- 弁護士などの専門家無料相談
- マーケティングデータサービス優待
- 福利厚生サービス優待
- 専門業務依頼サービス優待
- 助成金申請代行サービス優待
- 求人無料掲載サービス優待
- 経理アシスタントサービス優待
なども利用できます。
違いその5.支払方法が少ない
個人向けのクレジットカードの場合
- 1回払い
- 2回払い
- 分割払い
- リボ払い
- ボーナス払い
などの支払方法が選べますが
法人クレジットカードの場合
- 1回払いのみ
というカードが少なくありません。
また、
- 個人向けのクレジットカード:キャッシング可能
- 法人クレジットカード:キャッシング不可(一部のカードを除く)
となっています。
まとめ
法人クレジットカードとは
- 法人経営者、個人事業主向けのクレジットカードのこと
を言います。
会社の経費支払に利用するためのクレジットカードのことを「法人クレジットカード(法人カード)」と呼びます。
法人クレジットカードの特徴は
- その1.法人口座から引き落としが可能
- その2.法人クレジットカードも、契約名義は、個人名義
- その3.使い方は、個人向けのクレジットカードと同じ
法人クレジットカードを作るべき理由には
- 理由その1.会社経営をすると「個人」と「法人」の会計をわけなければならない
- 理由その2.クレジット払い対応の法人向けサービスが増えている!?
- 理由その3.WEB明細で支払の見える化が可能
法人クレジットカードと個人向けのクレジットカードの違いには
- 違いその1.審査が違う
- 違いその2.ポイント還元率が違う
- 違いその3.年会費が違う
- 違いその4.法人向けの優待サービスがある
- 違いその5.支払方法が少ない
というものがあります。
「個人向けのクレジットカードと法人クレジットカードは何違うのか?」
「法人クレジットカードのメリットデメリットを教えてください。」