財布ごとなくした、カードだけ見当たらない、明細に身に覚えのない請求がある。このときに効いてくるのが、カード会社が定めている補償の期限です。どの会社も「気づいたらすぐ」と案内していますが、規約のうえで区切られているのは60日という日数です。しかも、その60日の数え方は会社によって違います。三井住友カードとJCBの公式ページで、いつまでに何をすれば補償の対象に残るのかを確かめます。
先に結論
- 三井住友カードは、紛失・盗難によってカードや会員番号を他人に不正利用された場合、紛失・盗難の届け出日の60日前からの損害を補償すると案内しています。
- JCBは、該当の明細が記載されたカードご利用代金明細の通知後60日以内の届け出が必要としています。
- 同じ60日でも、起点が「届け出日」か「明細の通知日」かで違います。どちらも、気づいてから寝かせておく余裕はありません。
- カードが手元にないときは、停止手続きの完了後に最寄りの警察へ紛失届を出します。不正利用の補償手続きで必要になります。
- 暗証番号やパスワードが使われた取引は、JCBの補償適用外に挙げられています。
三井住友カードは「届け出日の60日前から」
三井住友カードは、紛失・盗難によってカードや会員番号を他人に不正利用された場合も、紛失・盗難の届け出日の60日前から損害を補償すると案内しています。届け出た日を起点に、そこから過去60日ぶんが対象になるという数え方です。

同じページには、手続きのうえで戻れない点も並んでいます。カード停止手続きの完了後は停止の取り消しができず、停止したカードは使えません。紛失・盗難によりカードが手元にない場合は、停止手続きの完了後に最寄りの警察へ紛失届を提出するよう案内されています。会員番号の盗用など、カードが手元にある場合の停止手続きでは、警察への届出は不要とされています。
停止したあとにカードが出てきた場合は、ハサミで切断して自身で破棄するよう求められています。ただしカードの種類によっては、自身で破棄せずに契約会社へ連絡が必要となる場合があるとも書かれています。
JCBは「明細の通知後60日以内」
JCBは、不正利用時の補償について、該当の明細が記載されたカードご利用代金明細の通知後60日以内の届け出が必要としています。起点が届け出日ではなく、明細が通知された日である点が三井住友カードと違います。

支払い方法によって起点がずれる点も明記されています。ショッピング2回払い、ショッピング分割払い、ショッピングリボ払い、ショッピングスキップ払い、ボーナス1回払いの場合は、初めて記載されたカードご利用代金明細を通知後60日以内とされています。分割やリボでは同じ取引が何回も明細に載るため、最初に載った回が起点になるということです。
| カード会社 | 60日の起点 | 公式の言い回し |
|---|---|---|
| 三井住友カード | 紛失・盗難の届け出日 | 紛失・盗難の届け出日の60日前から損害を補償 |
| JCB | カードご利用代金明細の通知日 | 該当の明細が記載されたカードご利用代金明細の通知後60日以内の届け出が必要 |
| JCB(分割・リボ等) | 初めて明細に載った回の通知日 | 初めて記載されたカードご利用代金明細を通知後60日以内 |
補償されないケースは具体的に書かれている
JCBは補償適用外のケースを8つ挙げています。どれも「うっかり」では済まない管理の問題や、本人側の事情に関わるものです。
| 場面 | 公式の記載 |
|---|---|
| 貸与・譲渡・情報の預託 | 他人(家族等を含む)にカードを貸与・譲渡・担保提供したり、カード情報を預託・使用させるなど、善良なる管理者の注意をもって管理していない場合 |
| 関係者による利用 | 会員本人およびその家族・同居人など会員の関係者による利用である場合 |
| 書類の未提出 | JCBの請求する書類等を提出しない場合、または被害状況の調査に協力しない場合 |
| 虚偽・不告知 | 提出された書類等の内容に虚偽がある場合、または重要事項を告知していなかった場合 |
| 届け出の遅れ | カードご利用代金明細を通知後、60日以内に所定の届け出がされない場合 |
| 配送先や発注元 | 購入商品などが登録住所に配送され受領されている場合、または発注元の電話番号やIPアドレスが会員および関係者の自宅・勤務地などである場合 |
| 認証情報の使用 | 暗証番号またはパスワードなどの認証情報が使用された場合 |
| その他 | 客観的な事実や調査に基づき、不正使用と認められないと判断した場合 |
家族に貸したカードの利用は、たとえ本人の意図しない使われ方でも補償の対象から外れる建て付けです。暗証番号を誰かに教えていた場合も同じで、認証情報が使われた取引は適用外に挙げられています。カードを「家族で共用する」運用は、この一点だけで割に合いません。
気づいてからの手順
1
カードを止める会員向けのサイトや電話で停止します。三井住友カードは、停止手続きの完了後に取り消しができないと案内しています。
2
警察へ届けるカードが手元にないときは、停止手続きの完了後に最寄りの警察へ紛失届を出します。補償手続きで必要になります。
3
明細を確認するJCBは明細の通知後60日以内の届け出を求めています。身に覚えのない請求がないかを、その場で確かめます。
4
調査に協力する請求された書類を出し、被害状況の調査に協力することが補償の条件に含まれています。
再発行の手数料は手続きの方法で変わる
止めたあとは再発行です。三井住友カードは、電話での手続きの場合に再発行手数料1,100円(税込)がかかると案内しています。オンラインで手続きする場合とは扱いが違い、電話は混み合っていると待つ可能性があるとも書かれています。
カードの種類による違いもあります。Visa Infinite、プラチナ、プラチナプリファード、ゴールドは再発行手数料が無料とされています。年会費の高いカードほど、こうした場面の費用が抑えられる設計です。
取り消せない手続きですが、不正利用を止めるほうが先です。あとから出てきたカードは切断して破棄します。
順番が決まっています。停止手続きの完了後に紛失届を出す流れです。
60日の起点が明細の通知日である会社では、明細を見ない期間がそのまま期限を削ります。
認証情報が使われた取引は補償適用外に挙がっています。管理の話が補償の可否に直結します。
不正利用そのものの規模と手口は不正利用の対策をまとめた記事、ネット決済の本人認証はEMV 3-Dセキュアの記事で扱っています。商品が届かないときに支払いを止める制度は支払停止の抗弁の記事にまとめました。
よくある質問
60日を過ぎたらもう補償されませんか
JCBは、明細の通知後60日以内に所定の届け出がされない場合を補償適用外に挙げています。まずは会社へ連絡し、状況を伝えて判断を仰ぐことになります。
カードは手元にあるのに身に覚えのない請求があります
会員番号の盗用の場合です。三井住友カードは、カードが手元にある場合の停止手続きについては警察への届出は不要と案内しています。停止と連絡が先になります。
止めたあとにカードが見つかったら使えますか
使えません。三井住友カードは、停止手続きの完了後は停止の取り消しができず、停止したカードは利用できないとしています。見つかったカードはハサミで切断して破棄するよう案内されています。
家族が使った分も補償されますか
JCBは、会員本人およびその家族・同居人など関係者による利用を補償適用外に挙げています。家族カードは正規の手続きで作るものです。
再発行にお金はかかりますか
三井住友カードでは電話での手続きに再発行手数料1,100円(税込)がかかります。Visa Infinite・プラチナ・プラチナプリファード・ゴールドは無料とされています。
まとめ
紛失・盗難の補償には60日という区切りがあります。三井住友カードは届け出日の60日前からの損害を補償し、JCBは明細の通知後60日以内の届け出を条件にしています。起点が違うため、「60日あるから大丈夫」と構えていると、会社によっては手遅れになります。止める、警察へ届ける、明細を見る、調査に協力する。この4つを順番に踏むことが、補償の対象に残る条件です。そして、貸さない・教えないという日ごろの管理が、そのまま補償の可否につながっています。
参照した公式情報
- JCB「カード不正利用時の補償」https://www.jcb.co.jp/trouble/refund/
- 三井住友カード「カードの停止・再発行に関わる注意事項」https://www.smbc-card.com/mem/goriyo/notes.jsp
- 三井住友カード「紛失・盗難・不正利用に伴うカード停止」https://www.smbc-card.com/mem/goriyo/lost.jsp










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